C09シーン別・暮らし

小さな子どもがいる家庭がドッグランで困ること、その手当て

公開日 2024年11月9日|文=mofuwa編集部

明るく開けた公園の芝生を走っている淡い色の犬
柵の中の40分と、柵の外の40分は、同じ時間ではありません。写真:salofoto/Pixabay

土曜の朝、走っているのは柵の中のその子だけで、4歳の娘は柵の外のベンチの前に立ったまま、40分そこにいました。入口の掲示には、小学生未満は中へ入れないと書いてありました。施設ごとに決まりは違いますが、年齢で線を引いているドッグランは珍しくありません。つまり、小さな子どもがいる家庭では「犬は中、子どもは外」という条件が、着いた時点でもう決まっています。困りごとの多くは、この分かれ方から出てきます。待たせ方、柵ごしの手、帰りの車の座り方、そして家に着いてからの分担。この記事では、そこで実際に迷う7つを問答の形で並べ、最後に到着から玄関までを1本につなぎ直します。安全という言葉についても、根拠のほうから1つずつ確かめます。

小さな子どもは、ドッグランの柵の中に入れないのですか

施設によって決まりは違いますが、年齢で線を引いているドッグランは少なくありません。小学生未満は入れない、保護者から離れない、といった掲示が入口に出ています。中へ入れるところでも、走っている犬がいる時間帯は控えるように書かれていることがあります。まず、行く予定のドッグランがどう決めているかを、出かける前に確かめてください。着いてから知ると、子どもががっかりするところから1日が始まります。

そのうえで、連れて行くかどうかの判断です。決め手は犬の側ではありません。その子どもが、柵の外で40分過ごせるかどうかです。日かげがあるか、座れる場所があるか、柵の外に歩ける幅があるか。この3つがそろっていれば、たいていの子どもは待てます。そろっていないドッグランに小さな子どもを連れて行くと、待たせること自体が1日の中心になってしまいます。

Note連れて行かない、という選択も普通にあります

小さな子どもがいる家庭では、大人が2人いる日だけドッグランへ行く、と決めている家もあります。1人で犬と子どもの両方を見ようとすると、柵の中と外の2か所を同時に見ることになります。これは手が足りないという以前に、目が2か所に要る状況です。行く日を絞るのは手抜きではなく、条件の整理です。行かない週は、近所を長めに歩くほうへ振り替えてかまいません。

柵の外で待っている時間とは、子どもにとって何をしている時間ですか

見学の時間ではありません。待ち時間です。ここを取り違えると、子どもの機嫌が悪くなる理由が分からなくなります。ドッグランの40分のあいだ、犬は走ってエネルギーを使い切ります。子どもは立ったまま、それを見ています。同じ40分で、片方は減らし、片方は溜めています。向きが逆です。

ドッグランの40分に、柵の内と外で起きていること
柵の中(犬)柵の外(子ども)
体走る・止まる・また走る立っている。動く先がない
時間の感じ方短い。もっといたがる長い。3回は「まだ?」と聞く
終わったあと使い切って眠くなる溜めたまま車に乗る
人の目犬から離せない見てもらえていないと感じやすい
帰り道静かいちばん声が大きい時間帯

この表の最後の2行が、小さな子どもがいる家庭でいちばん効いてきます。ドッグランにいるあいだ、大人の目は柵の中に向いています。走っている犬から目を離せないのは当然ですが、子どもの側から見ると「40分ずっと見てもらえなかった時間」になります。その分が、帰りの車で一気に出てきます。犬が疲れて静かになっているところへ、子どもの声だけが大きくなる。ドッグランの帰り道が毎回しんどい、という家では、たいていこれが起きています。

対処は簡単で、柵の外にいる40分のうち、5分だけ子どもの側を向く時間を作ることです。走っている犬をいったん呼び戻さなくてかまいません。目線を子どもへ移して、いま何が起きているかを一緒に見る。それだけで、帰りの車の中身が変わります。

待っているあいだ、子どもに何をさせておけばいいのか知りたいです

数を数える係を1つ渡してください。ドッグランの柵の外は、子どもにとって手も足も出ない場所です。そこで役に立つのは、体を使う遊びではなく、目を使う仕事のほうです。数えるものは何でもかまいませんが、自分の犬に関するものにすると、40分ずっと持ちます。

  1. こちらを見た回数を数える

    走っている最中に、その子が飼い主のほうを見る回数を数えてもらいます。数えるためには、犬から目を離せません。結果として、子どもは40分ちゃんと見ています。帰りの車で「12回だった」と報告してくれるので、そこが話題になります。ドッグランの日の会話が、犬の話から始まります。

  2. 残りの時間を持ってもらう

    「あと20分で帰るよ」ではなく、時計やタイマーを子どもに持たせて、残りを教えてもらう形にします。待たされる側から、終わりを告げる側に変わります。小さな子どもがいる家庭でよく起きる「まだ帰らないの」が、この1つでかなり減ります。滞在の予定時間を出発前に決めておくのは、このためでもあります。

  3. 水の係を渡す

    水の入った容器を持ってもらい、犬が柵から出てきたら差し出す役です。子どもが自分の手で犬に何かをできる場面は、ドッグランではここしかありません。柵の中に入れないぶん、出てきたところに役割を用意しておきます。こぼれても困らない量にしておくと、大人の側も気楽に渡せます。

  4. 渡さないほうがいい係を、先に決めておく

    柵ごしに名前を呼び続ける、柵を叩いて気を引く、他の犬におやつを出す。この3つは渡さないでください。呼ばれた犬は柵際へ戻ってきますし、そこへ他の犬が集まります。子どもの手が届く高さに犬が何頭も並ぶ状態を、こちらから作らないほうが安全です。「呼ばないのが係だよ」と、はじめに言葉で渡しておきます。

係は1つで足ります。3つ渡すと、どれも続きません。その日の1つを、行く前の車の中で決めておくのがいちばん確実です。ドッグランに着いてから決めようとすると、大人は入場の手続きと犬の準備で手がふさがっています。

柵ごしに、子どもがよその犬に手を出しても大丈夫ですか

飼い主に一声かけてから、というのが基本です。そのうえで、柵という物のほうにも条件があります。ここは犬の性格の話ではなく、位置と高さの話として決めておくと、子どもにも伝わります。

柵ごしに手を出すとき、手は横からではなく、上か、隙間から入ります。犬の側から見ると、視界の外から手が来ることになります。中にいる犬は後ろへ下がれますが、下がれば柵から離れるので、触ろうとした子どもはもっと手を伸ばします。この往復が数回続くと、犬のほうが柵際で落ち着かなくなります。大丈夫かどうかを決めているのは、犬の気質よりも、この手の入り方です。

Point子どもには「なぜ」ではなく「どこ」で伝える

小さな子どもに理由から説明すると、その場では覚えきれません。「柵の穴には指を入れない」「手は下から」の2つだけを、場所の言い方で渡してください。ドッグランに着くたびに同じ2つを言うと、3回目には自分から低い位置に手を出すようになります。安全の話を、注意ではなく手順の形にしておくと、繰り返し言っても角が立ちません。

帰りの車で、子どもと犬をどう分けて座らせますか

分けるときに考えるのは、距離ではなく向きです。ドッグランの帰りは、犬と子どもの状態がちょうど逆になっています。犬は走り切って眠く、子どもは40分溜めていて元気です。元気なほうが、眠いほうへ向かって座っていると、着くまでずっと触ります。触られる側は動けません。

ドッグランの帰りの車で、状態が逆になっている
犬子ども
体力使い切っている溜まっている
したいこと寝たい話したい・触りたい
動けるか動きたくない動きたい
向いてほしい方向窓の側前か、大人の側
座らせ方子どもの向かい側ではなく、同じ向きに並べる犬に正対させない

具体的には、子どもと犬を向かい合わせにしないことだけで足ります。同じ向きに並んで座れば、子どもの手は自然に前へ向きます。犬を子どもの膝の上や、真横のいちばん近い位置に置くと、寝かけたところを何度も起こすことになります。ドッグランで疲れているのは犬のほうなので、帰り道はそこを守る側に回ります。

話し相手は、大人が引き受けてください。数えてもらった回数を聞く、次はいつ行くかを決める、家に着いてからの係を渡す。帰りの車の20分は、40分ぶん見てもらえなかった子どもに、こちらが向き直る時間として使えます。ここを埋めておくと、家に着いてから犬に手が集中しません。

家に着いてから、子どもに任せられるのはどこまでですか|手に持たせるものの安全を先に決める

任せられるのは、体に触れない仕事と、面の広い場所だけです。ドッグランから帰った日は、子どもが「自分もやりたい」と言い出す日でもあります。全部を止めると、次からついてこなくなります。渡す範囲を先に決めておくほうが、その場で止めるより早く済みます。

家に着いてから、子どもに渡すものと大人が引き取るもの
内容そう分ける理由
子どもに渡す水の器を洗って、新しい水を入れる犬に触れずに済み、終わりがはっきりしています
子どもに渡すリードを決めた場所に掛ける手順が1つで、毎回同じ形で終わります
子どもに渡す背中の面を、毛の流れに沿って一往復面が広く、力の向きがそれても届く範囲が変わりません
大人が引き取る顔まわりと目のまわり力の加減が要る場所で、犬のほうも避けにくい位置です
大人が引き取る足の裏と、指のあいだ持ち上げる姿勢が要り、子どもの手では支えきれません
大人が引き取る耳の中と、口のまわり見えない場所へ手を入れることになります

ここで出てくるのが、子どもの手に持たせるものの話です。小さな子どもがいる家庭では、犬に使うものが、そのまま子どもの手につくものになります。だから、安全かどうかを親の側で先に確かめておく必要があります。確かめ方は、感想ではなく、書かれている根拠のほうを読むことです。

読み方として大事なのは、試験条件と検査機関の名前が併記されている数字は、その条件の中での結果だということです。家の床の上や、子どもの手のひらで同じことが起きると言っているのではありません。これを使えば安全ですという書き方をここでしないのは、そのためです。安全という言葉は、根拠とセットになってはじめて読めるものになります。

そのうえで、家での1手は、ドッグランへ行った日だけのものにしないでください。犬も猫も体から脂を出すので、走らせた日も、走らせていない日も、毛には同じだけ汚れが乗っていきます。グルーミングスプレーを布に含ませて、背中の面を毛の流れに沿って一往復。すすいだり乾かしたりする工程が入らないので、玄関にその子を立たせたまま終わります。子どもに渡すのはこの1手だけで足ります。

この1手を子どもに任せられるのは、かける量を数えなくていいからです。グルーミングスプレーの中身は、さきほど根拠の側で見た規格基準で確かめられている水です。子どもの手が多めに吹きかけてしまっても、それが取り上げる理由にはなりません。梳かす前にかけておけば、静電気の起きにくい状態で毛を通せるので、ブラシを持たせる日もこの1手が先になります。柵の外の40分を子どもの係で埋めたのと同じで、家の1手も子どもの係にしてしまえば、大人の手は1本空きます。

ドッグランの日に、子どもがやらなくていいことはどれですか

やることを増やすほど、続きません。ここでは、やらなくていいことを5つ挙げます。小さな子どもがいる家庭では、大人の手が2つとも空く時間がほとんどないので、落とせるものを先に落としておくほうが実際的です。

ドッグランの日に、子どもがやらなくていいこと
やらなくていいことそう決める理由
帰ってすぐ、全身を拭くこと面積が広く、途中で飽きます。背中の面だけで、その日の役目は足ります
柵の外から名前を呼び続けること呼ばれた犬が柵際に集まり、子どもの手の高さに何頭も並びます
会った犬を全部覚えること覚える対象が増えるほど、自分の犬から目が離れます
写真を撮り続けること画面を見ているあいだは、柵の中で何が起きても気づけません
帰ってから掃除を手伝うこと床は大人の仕事です。子どもの係は、犬に関わるものだけにしておくと迷いません

1つめについて補足します。ドッグランから帰った日に全身を拭かなくていいのは、面積の問題です。小さな手で全身をなぞると、同じところを何度も往復して、結局どこも終わりません。背中の面を一往復して終わり、と決めておくと、子どもの側にも「終わった」という感覚が残ります。終わりのある仕事にしておくのが、続く係の条件です。

2つめは、安全に直結するので、係を渡すときに一度だけ言葉にしておいてください。呼ばないことが係、という渡し方をすると、子どもは我慢ではなく仕事として受け取ります。止められるより、任されるほうが持ちます。

柵の外にいた時間から玄関までを、子どもの側の順に並べ直す|ドッグランと安全に残る疑問

ここまでの7つを、時間の順に並べ直します。犬の側ではなく、子どもの側の順で並べているのがこの表の要点です。ドッグランの日にうまくいかないと感じるとき、たいてい抜けているのは犬への手当てではなく、子どもの時間のほうです。

出発から玄関までを、子どもの側の順に並べる
いつ子どもの側大人の側
出発前の車の中その日の係を1つ受け取る滞在の予定時間を決めて伝える
到着入口の掲示を一緒に見る年齢の決まりと、柵の外の座る場所を確認
柵の外・前半こちらを見た回数を数える犬から目を離さない
柵の外・中盤5分見ていたことを話す目線を子どもへ移す
柵の外・後半残り時間を告げる帰る準備に入る
犬が出てきたとき水を差し出すリードをつける
帰りの車犬と同じ向きに座る話し相手を引き受ける
玄関リードを掛ける足の裏と指のあいだを引き取る
部屋に入ってから背中の面を一往復顔まわりと耳を引き取る

この並びで見ると、子どもがドッグランの日に関わる場面は7つあります。そのうち犬の体に触れるのは、最後の1つだけです。触れる場面を1つに絞ると、そこで使うものの安全だけを確かめておけば済みます。確かめる対象が1つになるので、根拠を読む手間もそのぶん減ります。

最後に残る疑問は、たいてい「これで足りているのか」というところだと思います。判断の材料を1つだけ置いておくと、ドッグランへ行った週と行かなかった週で、家に落ちる毛の量と、部屋のにおいの出方が違うかどうかです。違いが分からないなら、いまの手当ての量で足りています。違いがはっきり出るなら、増やすのは大人の側の手であって、子どもの係ではありません。

Cautionこんなときは、手当てを増やす前に動物病院にご相談ください

ドッグランへ行った日のあとに、同じ場所をなめ続けている、地肌が赤い、足を上げたまま歩く、耳を振る回数が増えた、においが数日で変わった、触ろうとすると避ける、食べる量が落ちている。こうした変化があるときは、拭く回数を増やす前に動物病院にご相談ください。小さな子どもがいる家庭では、犬の変化に最初に気づくのが子どもだったということもよくあります。行った日付と、その日の滞在時間をメモして持っていくと、その場で切り分けてもらえます。

ドッグランは、犬にとっては走る場所ですが、小さな子どもにとっては待つ場所です。待つ側に係が1つあるかどうかで、その日の全部が変わります。柵の中に入れないという条件は動かせません。動かせるのは、柵の外の40分と、帰りの車と、玄関からの数分です。安全の線引きも、この3か所の中で決めていけば足ります。

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本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。