C04悩み解決
犬と猫の耳をかく・振る|まず疑いたい3つの原因
耳のつけ根を親指と人差し指で軽く挟んで、5秒だけ揉んでみてください。くちゅくちゅと湿った音がするか、しないか。耳をかく・頭を振るという動作の原因は、まずここで大きく分かれます。家で確かめられるのは耳の中の景色ではなく、この音です。覗きこんでも入り口までしか見えないので、見えないものを見ようとするより、聞こえるものを聞いたほうが早く進みます。
耳の中を覗いても、入り口までしか見えない
耳をかく、頭をぶるぶると振る。この動作を見たとき、多くの飼い主がまず耳の中を覗きこみます。ところが家庭の明かりで見えるのは、耳の穴の入り口だけです。犬も猫も耳の穴は途中で曲がっていて、その先は器具と光がないと見えません。覗いて「きれいだった」と思っても、それは入り口がきれいだったという意味でしかありません。原因を探す入口としては、あまり役に立たないところから始めていることになります。
そこで使えるのが音です。耳のつけ根、つまり頭とつながっている根元のふくらんだ部分を、指で軽く挟んで小さく揉みます。耳の中に液体があると、揉んだときにくちゅくちゅと湿った音が返ってきます。これは覗いても分からないことで、しかも道具がいりません。
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その子が落ち着いているときに始める
追いかけて押さえつけると、耳をかく回数も変わってしまいます。寝起きや、食後にくつろいでいるときを選んでください。座らせる必要もありません。
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つけ根を、親指と人差し指で軽く挟む
耳たぶではなく、頭に近い根元のふくらみです。力はほとんど要りません。指の腹で挟んで、場所を変えずに小さく動かします。
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5秒だけ、小さく揉む
円を描くように動かします。長く続けると嫌がられるので、5秒で切り上げてください。左右それぞれ1回ずつで足ります。
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音と、指についたものを確かめる
湿った音がしたか。指に湿り気や粉がついたか。この2つだけを見ます。においも同時に確かめておくと、あとで役に立ちます。
つけ根を触ったときに声を上げる、頭を引く、逃げる。この反応が出たら揉むのをやめて、それ以上さわらないでください。痛みが出ている耳は、原因を家で分けている段階ではありません。その日のうちに動物病院へご相談ください。綿棒や耳そうじの道具を耳の中に入れるのも、この時点では避けてください。
音のチェックで分かれる、耳をかく3つの原因
揉んだときの音と、指についたもの。この2つのチェックだけで、耳をかく原因は3つの方向に分かれます。どれに当てはまるかで、家でやることも、待っていい時間も変わります。まず、いまの状態がどこにいるかを1つに決めてください。
| 揉んだときの音 | 指につくもの・見えるもの | 原因の方向 |
|---|---|---|
| くちゅくちゅと湿った音がする | 指に湿り気がつく。耳の中がしっとりしている | 耳の中に液体がたまっている状態 |
| 音はしない | 乾いた粉やかさぶたのようなものが、入り口に見える | 耳の中が乾いた状態で、何かが出ている |
| 音もしない。粉も出ない | かいているのは耳の中ではなく、つけ根の外側の皮膚 | 耳の中ではなく、皮膚の側にある原因 |
3つ目が見落とされやすいところです。後ろ足が耳のあたりに当たっているので耳をかいていると見えますが、よく見ると足が触れているのは耳の穴ではなく、耳のつけ根の外側や、その下の首すじということがあります。耳の中は関係していないので、耳をそうじしても何も変わりません。
- 足がどこに当たっているかを、かいている最中に1回だけ見ます。耳の穴の方向か、つけ根の外側か
- 頭を振る動作が一緒に出ているか。振る動作は、耳の中に何かがあるときに出やすくなります
- 左右の差。片方だけなら、その耳に固有の原因を考えます
湿った音がして、外側の皮膚も赤い。この組み合わせは珍しくありません。混ざっているときは、いちばん上の行(湿った音)を優先して扱ってください。液体がたまっている状態は、家庭のケアで様子見する対象から外れます。
くちゅくちゅが続く耳と、乾いた粉が出る耳
上の2つ、つまり耳の中に原因がある側の話です。どちらも家で「取ろう」としないでください。耳の中に指や綿棒を入れると、出口の近くにあったものを奥へ押し込むことになります。やることは、耳の中を乾いている時間のほうへ戻すことだけです。
| 湿った音がする耳 | 乾いた粉が出る耳 | |
|---|---|---|
| 家でやること | 耳のまわりの毛と外側だけを乾いた布で押さえる | 入り口の外に出てきた分だけを、布で受ける |
| やらないこと | 綿棒・洗浄液を入れる/頻繁に揉む | こすって落とす/毛を抜いて通気をよくしようとする |
| 待てる時間 | 待たない。翌日までに相談する | 3日ほど記録して、増えるか同じかを見る |
| 記録するもの | 音の有無、におい、頭を振る回数 | 出てくる量、色、片耳か両耳か |
湿った音が2日以上続くときは、家庭でできることの範囲を越えています。耳の中の湿気は、外側からの通気では抜けません。垂れ耳の子はふたが閉じている分だけ乾きにくく、立ち耳の子でも耳の穴の奥は外気とほとんど入れ替わりません。つまり、通気をよくしようとして耳の毛を抜いたり、ドライヤーの風を当てたりしても、音がしていた場所には届きません。
乾いた粉が出る側は、少しだけ待てます。ただし待つ間にやることは「そうじ」ではなく記録です。3日のあいだ、出てくる量が増えているのか、同じところで止まっているのかだけを見てください。耳そうじをすれば原因がなくなりますという考え方で毎日いじると、こすれで入り口の皮膚が荒れて、かく回数がかえって増えます。
受診のときに、音を1行で伝える
次のどれかに当てはまるときは、家で原因を分ける段階を飛ばして、動物病院にご相談ください。耳は進み方が早いことがあり、しかも家庭では奥の状態を確かめられません。
つけ根を触ると痛がる、頭がいつも同じ方向に傾いている、耳から液体が出ている、においが強い、耳の入り口が腫れている、まっすぐ歩けない、耳をかく動作が止まらず眠れていない、食欲が落ちている。ここに1つでも当てはまるなら、家で3つに分ける段階は飛ばして、動物病院にご相談ください。耳の奥は家では確かめられないので、待った日数だけ、分からない時間が伸びます。
受診の前に、メモを1行だけ用意しておくと診察が早く進みます。書くのは「いつから/左右どちらか/つけ根を揉んだときの音の有無/家で耳に入れたものの有無」の4つです。とくに最後は大事で、市販の洗浄液や綿棒を使っていた場合、耳の中の状態が変わっていることがあります。使ったなら、隠さずそのまま伝えてください。
また、診察の直前に耳をきれいにしないでください。出ていたものの色や質は、そのまま伝わる情報です。拭き取ってしまうと、原因を絞るための手がかりが減ります。耳のまわりの毛が汚れていても、そのまま連れて行って構いません。
家で様子見していいのは、外側をかいているときだけ
3つの分岐のうち、家で様子見していいのは3つ目、耳の中ではなくつけ根の外側の皮膚をかいているときだけです。ここは目で見て手で触れる場所なので、条件を変えて、変化を確かめられます。逆にいうと、耳の中に音や粉があるものは、様子見の対象にしません。
外側の皮膚をかいている場合、まず疑いたいのはこすれです。首輪の位置、ハーネスのベルトが当たる線、抱き上げたときに腕が当たるところ。かいている場所と、毎日何かが触れている場所が重なっていないかを確かめてください。重なっていれば、そこを変えるだけで回数が動きます。
- 首輪をゆるめる、または位置を数センチずらす。同じ線に当たり続けていないかを見ます
- 寝床の素材を確かめる。あごや耳のつけ根が押しつけられている面に、毛が絡んでいないか
- ブラシの当て方。耳のつけ根は毛が短く皮膚が薄いので、強く当てると赤くなります
- 3日たったら、同じ場所を写真に撮る。赤みが広がっているか、同じところで止まっているか
耳をかく回数を数える方法は分かりやすいのですが、その日の遊びや興奮でも増減します。先に記録しておきたいのは、朝と夜の2回、つけ根を揉んだときの音の有無です。音は気分では変わりません。原因が耳の中にあるのか外にあるのかを、あとから見返して区別できます。
首輪が当たっている線も、寝床に押しつけている面も、その子の側からは見えません。かいている本人に分かるのはかゆいかどうかだけで、そこが赤くなっているかどうかまでは分かりません。首輪をゆるめる、寝床を替える、ブラシの当て方を変える。ここは条件を1つずつ動かす場所なので、地肌に置くものも同じ考え方で選びます。mofuwa スキンケアミストは電解水100%なので、拭いても足される成分がありません。拭き取りを始めた週でも、動かした条件はひとつのままです。使うのは、耳のつけ根の外側と、その下の首すじまでです。耳の穴に向けて吹きかけないでください。耳の中に入れるものではありません。布に含ませてから当てると、当たる量が決まります。つけ根を揉んで音を確かめる前に触ると、その子が身構えて同じ条件で比べられなくなるので、拭くのは夜の確認が終わったあとに固定してください。
外側の皮膚をかいている耳は、3つのうちで家が条件を動かせる唯一の型です。3日ごとに1つだけ戻して、そのたびに朝と夜の音を確かめる。これを1か月続けると、耳をかく原因が耳の中にあるのか外にあるのかを、覗きこまずに言えるようになります。覗いて見えるのは、いつまでも入り口までだからです。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見るよくある質問
- 耳そうじは、どのくらいの頻度でやるものですか?
- 決まった頻度はありません。健康な耳は、外に向かって自分で古いものを運び出しています。毎日そうじをすると、その動きの邪魔になったり、入り口の皮膚がこすれて荒れたりします。まずは月に1回ほど、つけ根を揉んで音を確かめるところから始めて、汚れが外に出てきたときに布で受ける程度で足ります。頻度の目安は、その子の耳の状態を見た動物病院に決めてもらうのがいちばん確実です。
- 片方の耳だけかくときは、どう考えればいいですか?
- 耳の作りは左右でほとんど同じなので、片方だけという時点で「その耳に固有のこと」が起きていると考えます。左右で音の有無が違うかを確かめて、違うほうを記録してください。片側だけの変化は、両側の変化より早めに相談したほうがよい情報です。
- 夜だけ耳をかくのは、なぜですか?
- 静かになると音が聞こえやすくなるので、飼い主が気づく回数が夜に偏ることがあります。実際に増えているのか、気づく回数が増えただけなのかを分けるために、朝と夜の同じ時間に1分だけ見て、両方の回数を3日分メモしてみてください。夜だけ本当に多いなら、寝床の素材や、寝ているときに耳が押しつけられている面を確かめる価値があります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
