C09シーン別・暮らし
新幹線・飛行機、はじめて犬を迎えた人はどうしている?
年末の帰省で、初めて犬と新幹線に乗ることになりました。所要は2時間25分、駅までの移動を足すと3時間ほどです。切符も、乗り換えの回数も、駅で降りる時刻も調べられました。調べても出てこなかったのは、その子がキャリーの中に何分入っていられるのか、という数字です。家で最長どれくらい入っていたかを、こちらが一度も測っていませんでした。初めてペットを迎えた家には、この種の「どこまでが普通か」を判断する材料がありません。当日の3時間が長いのか短いのかも、比べる相手がいないので分かりません。この記事では、出発までの日数を使って、家で時間を測りながら延ばしていく手順を5つに分けて書きます。
調べられるのは移動時間だけでした|初めて犬と新幹線に乗る前に、家で測るというやり方
準備を始めて最初にやったのは、時刻と経路を調べることでした。何時に出れば何時に着くか、乗り換えは何回か、駅の中をどれくらい歩くか。ここまでは30分で分かります。ところが、その3時間をその子が過ごせるかどうかだけは、どこにも書いてありませんでした。初めて犬を迎えて8か月、キャリーに入れたのは動物病院への往復だけで、片道15分です。15分は分かっていて、3時間は分かりません。
初めてペットと暮らす家に足りないのは、道具でも知識でもなく、この種の基準でした。15分と3時間のあいだに何があるのかを、こちらが知りません。1時間で崩れるのか、2時間まで平気なのか、それとも15分でもぎりぎりだったのか。動物病院への15分は、着いたら出せるので、その子が「持っていた」のかどうかを確かめたことがありませんでした。
そこで、当日までの日数を使って家で測ることにしました。家なら、いつでも止められます。新幹線の中では止められません。止められる場所で先に測っておくと、当日にその子が持つかどうかを、当てずっぽうで決めなくて済みます。ここでいう「持つ」は、鳴かないという意味ではありません。入っている状態が、その子にとって特別な出来事ではなくなっている、という意味で使っています。
- 調べれば分かること:所要時間、乗り換えの回数、駅を歩く距離、混みやすい時間帯
- 調べても出てこないこと:その子がキャリーに何分入っていられるか
- いまある数字:動物病院への片道15分。それも「持った」かどうかは未確認です
- 測る場所:家の中。いつでも止められる場所でしか、初めての測定はできません
- 測る単位:分。何回鳴いたかではなく、何分入っていたかで記録します
- 使う期間:出発までの日数。3週間あれば80分前後まで届きます
ペットを連れて新幹線や飛行機を利用するときの条件は、会社や路線によって違います。この記事で扱うのは、家の中でできる準備だけです。持ち込みの可否や手続きについては、乗る前にご自身で確認してください。初めて犬を迎えた家では、調べる項目と、家で測る項目を分けておくと進めやすくなります。調べるほうは1日で終わりますが、測るほうは日数がかかります。先に始めるのは、日数がかかるほうです。
10分から3日ごとに10分ずつ|キャリーに入っている時間を延ばす順番
手順は5つです。大事なのは、1日に1回しかやらないことと、同じ長さを3日続けてから次へ進むことです。毎日長くしていくと、その日にうまくいかなかったとき、延ばしすぎたのか、その日の調子なのかを切り分けられません。初めてのペットで判断の材料がない家ほど、切り分けられる形にしておく価値があります。
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1日目は10分。時計を見て、10分ちょうどで出す
扉は閉めます。同じ部屋にいて、こちらは自分のことをしてください。その子が出たがる前にこちらから出すのが要点です。出たがってから出すと、出たがれば出られる、という順番になります。10分で足りるのか、と思う長さから始めます。
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3日ごとに10分ずつ足す。日付と分をメモする
10分を3日、20分を3日、30分を3日。紙でもスマホでも構いませんが、分は必ず数字で残してください。「わりと平気そうだった」では、2週間後に比べられません。1日1回、同じ時刻にやると、その子の側も予定として受け取りやすくなります。
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40分を超えたら、置く場所を1回だけ変える
床から、少し高さのある場所へ。新幹線ではキャリーが床にあるとは限らず、揺れも入ります。高さと生活音を、この段階で1つだけ足します。掃除機のような強い音は使いません。テレビや会話の音がある部屋に置くだけで足ります。2つ以上を同時に変えないでください。
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移動時間と同じ長さに届いたら、家で1回だけ通しでやる
3時間なら3時間。当日と同じ時刻に、当日と同じ布を敷いて、水も当日と同じ出し方で。人は横で自分のことをしていて構いません。この1回だけは、途中で分を足したり減らしたりしないでください。当日に近い条件で、最後まで通すことに意味があります。
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通しでやった直後に、出たことを書き出す
何分で向きを変えたか、どこが湿っていたか、出したあとの毛がどうなっていたか、水を飲んだか、においが出た場所はどこか。この5つを書き出したものが、そのまま当日の準備リストになります。思い出して書くのではなく、出したその場で書いてください。30分たつと半分は消えます。
| 日 | 長さ | その日に見るもの |
|---|---|---|
| 1〜3日目 | 10分 | 扉を閉めた直後の1分。落ち着くまでの時間 |
| 4〜6日目 | 20分 | 向きを変えるかどうか |
| 7〜9日目 | 30分 | 出したあとの毛の状態 |
| 10〜12日目 | 40分 | 湿っている場所があるか |
| 13〜15日目 | 60分(高さを足す) | 場所を変えたことで戻っていないか |
| 16〜18日目 | 80分(生活音を足す) | 音で起き上がる回数 |
| 19〜21日目 | 移動時間と同じ長さ | 5つを書き出す |
日数が足りないときは、無理に短縮しないでください。途中までしか届かなかった場合は、届いた分数を当日の目安として持っておくほうが役に立ちます。40分までしか測れていないなら、当日は40分ごとに様子を見られる位置に座る、という判断ができます。初めて犬と新幹線に乗る日に必要なのは、完成した練習ではなく、こちらが持っている数字です。
延ばす途中で必ず止まる3か所|新幹線に向けたキャリー練習の頻度の決め方
3週間そのまま伸び続けることは、まずありません。止まる場所は決まっていて、3つあります。どれも、そこで頻度を上げて押し切ろうとすると戻ります。頻度は1日1回のまま動かさず、長さのほうを一時的に戻すのが基本です。初めてのペットで手探りの家ほど、回数を増やす方向に手が出やすいので、ここだけ先に決めておきます。
| 止まり方 | 起きていること | 戻す量 |
|---|---|---|
| 扉を閉めた瞬間に出ようとする | 長さではなく、閉まること自体が引っかかっています | 扉を閉めない日を3日はさむ。長さは前の段階へ |
| 分は伸びるのに、出したあと腹側が湿っている | 時間ではなく、敷いているものの問題です | 布を替えて、同じ分数をもう一度3日 |
| 家では持つのに、玄関の外に出すと10分で崩れる | 家の中だけで完結させていた分が出ています | 外に置いた状態を5分だけ足し、そこから10分ずつ |
1つ目について補足します。閉まること自体が引っかかっているときに長さを延ばすと、入っている時間ぜんぶが嫌な時間になります。扉を開けたまま、そこで寝られる日を先に作ってください。寝られるようになってから閉めると、10分は最初からできることが多いです。初めて犬を迎えた家では、ここで焦って頻度を1日2回にしがちですが、回数を増やしても閉まることへの引っかかりは減りません。
2つ目は、時間の問題に見えて、そうではないものです。40分で湿っていて、20分では湿っていない場合、原因は長さかもしれません。しかし、10分でも湿っているなら、それは敷いているものが吸わないか、通らないかのどちらかです。布を替えて、同じ分数をもう一度やってみると、どちらなのかがはっきりします。新幹線の中でペットのキャリーを開けて敷き替えることはできないので、家で決めておきます。
3つ目は、当日にいちばん響くところです。家の中の80分と、外の80分は同じではありません。人の声、荷物の音、床の揺れ、気温。条件がいくつも変わります。玄関の外に置いた5分を足すだけで、この差はかなり縮まります。そこから10分ずつ延ばしていけば、外での時間も測れるようになります。頻度は、外でも1日1回のままにしてください。
書くことを増やすと、10日目で書かなくなります。残すのは日付と分数、湿っていた場所、そして「前より楽そう・同じ・戻った」の3段階だけです。初めて犬を迎えた家では、この3つが2週間ぶんたまるだけで、当日の判断がかなり楽になります。書けなかった日は空欄のままで構いません。埋めようとして思い出しで書くと、数字としては使えなくなります。
通しで1回やった日に出た5つが、当日の持ち物になりました|初めてペットと新幹線に乗る日のコツ
3週間目に、家で2時間30分を通しでやりました。出したあとに書き出したのは5行です。1時間10分ごろに一度向きを変えた/腹側と後ろ足のつけ根が少し湿っていた/背中の毛が片側だけ寝ていた/水は飲まなかった/口の周りからにおいが出ていた。この5行が、そのままペットの持ち物と当日の段取りに変わりました。準備リストを先に作って、あとから中身を埋めたのではありません。順番が逆です。
| 出たこと | 当日どうしたか |
|---|---|
| 1時間10分で向きを変えた | 1時間ごとに、キャリーを動かさずに様子を見る位置に座った |
| 腹側と後ろ足のつけ根が湿っていた | 敷くものを2枚にして、着いてから替えられるようにした |
| 背中の毛が片側だけ寝ていた | 着いてすぐ整えず、落ち着いてからグルーミングスプレーで毛の流れに沿って一往復 |
| 水を飲まなかった | 駅で降りたあと、静かな場所で器を出す時間を10分とった |
| 口の周りからにおいが出ていた | 乗る前に、口の周りだけ布で一往復しておいた |
着いてからの手当ては、家で測って出た場所だけで足ります。mofuwa グルーミングスプレーを布に含ませ、腹側と後ろ足のつけ根、片側だけ寝ていた背中を一往復。この一往復で、余分な皮脂と、湿り気がこもっていた面の汚れが乳化して布のほうへ移ります。ブラッシングスプレーとしても使える1本なので、毛の向きを戻すところまで続けて構いません。全身をやろうとせず、家で測ったときに出た場所だけにするのがコツです。移動のあとは、その子も落ち着いていません。触る場所が少ないほど、早く終わって、早く休ませられます。初めて新幹線に乗った日は、それで十分でした。
前日にやらないほうがいいことも書いておきます。体を洗うこと、爪を切ること、新しい首輪やおもちゃを足すこと。この3つは前日に持ち込まないでください。当日は場所も時間も人も変わります。そこへ体の側の変化を足すと、着いた先で何かが起きたときに、移動のせいなのか前日のせいなのかを切り分けられません。初めてペットと遠出する家では、切り分けられる状態のまま当日を迎えるほうが、あとが楽です。
キャリーの練習をしているあいだに、同じ場所をなめ続けている、地肌が赤い、耳を振る回数が増えた、においの質が変わった、食べる量や水を飲む量が変わった、出したあとに息が整うまでの時間が回を追って長くなっている。こうした変化が出て、次の日に戻っていないときは、練習を進める前に動物病院にご相談ください。初めて犬を迎えた家では、どこまでが普通なのかの見当がつきません。3日ごとに10分ずつ延ばしてきた記録が、そのまま相談のときの材料になります。何分のときに何が変わったかを、その場で分数で伝えられます。
最後に、この3週間で手に入ったものを書いておきます。キャリーに入っていられる時間が延びたことよりも、その子の数字を、こちらが持っている状態になったことのほうが大きいと感じています。初めてペットを迎えた家に足りないのは基準です。基準は、誰かに教えてもらうのではなく、家で測ると手に入ります。新幹線に乗る日が決まったことは、その測定を始めるきっかけでした。次の帰省では、ペットの側の数字が残っているので、80分からやり直せば足ります。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
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特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 出発まで10日しかありません。それでも練習する意味はありますか。
- あります。10日なら40分前後まで測れます。移動時間に届かなくても、その子が40分をどう過ごすかが分かっていれば、当日は40分ごとに様子を見られる席の取り方ができます。届かせることが目的ではなく、こちらが数字を持っている状態にするのが目的です。日数が足りないときほど、1日1回・同じ長さを3日という進め方を崩さないでください。
- 練習中に鳴いたら、すぐ出してあげてよいのでしょうか。
- 鳴いてから出すと、鳴けば出られるという順番になります。ただ、我慢させ続けるという意味でもありません。おすすめは、次の回から長さを1段階戻して、こちらから出す形に戻すことです。鳴いた回の分数はメモに残しておいてください。何分あたりで鳴いたかが分かると、次にどこまで戻せばいいかが決まります。
- 飛行機のときも、同じ日数で準備すればよいですか。
- 家で時間を延ばしていく手順は同じで構いません。長さは、実際の移動にかかる時間に合わせて決めてください。ただし、利用できる条件や手続きは会社によって違います。そこは家の練習とは別に、乗る前にご自身で確認してください。家でできるのは、あくまで入っていられる時間を測って延ばすところまでです。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
