C15組み合わせ提案
短頭種のためのケアセット
朝の散歩の前、玄関マットの上で短頭種の子の鼻のしわにスプレーを向けたとき、ノズルと鼻の先は15センチも離れていませんでした。その距離で吹いた霧は、その子が次に吸う息と一緒に、そのまま鼻と口へ入っていきます。短頭種のためのケアセットを組むときに、中身より先に決めておきたいのが、この「顔の前で噴かない」という1本の線です。鼻づらの短い顔は、息が苦しくなりやすい作りをしています。顔の前で噴く、うつぶせで押さえる、顔を長く覆う。この3つは、どれもケアの手を息の通り道の上に乗せてしまいます。だからセットは、顔の前に持ち込むものを噴かずに使える形だけでそろえ、顔から離れた体と足のケアとは分けて組みます。
しわ・目のふち・口は息の通り道の上にある|短頭種の顔のケアと体のケアの違い
短頭種の顔の前でやるケアは、どれも、その子が息を吸って吐いている通り道の上で行うことになります。しわ、目のふち、鼻の下、口のまわり。この4か所は、鼻と口から指数本ぶんの範囲にまとまっています。鼻づらの長い犬なら、目のまわりを拭いている手と鼻の先のあいだに距離がありますが、短頭種ではその距離がほとんどありません。目のふちに触れている指のすぐ下で、鼻が息をしています。
この近さが、ケアの手のどこに響くのかを並べると、3つあります。
- 顔の前で噴く:スプレーの霧やしずくは、次に吸う息と一緒に鼻と口へ入ります。ノズルの音と、急に顔に当たる冷たさで、息をいったん止める子もいます
- うつぶせで押さえる:動かないように胸を床につけて上から押さえると、息を吸うたびに胸がふくらむ余地が狭くなります
- 顔を長く覆う:拭いている手のひらや布が鼻と口を同時にふさいでいるあいだ、その子は息の出入り口を両方とも失っています
短頭種は、鼻づらの長い犬や猫にくらべて、息が苦しくなりやすい顔の作りをしています。ふだんは平気に見えても、ケアの手が息の通り道に重なっている数秒は、その子にとって息のしにくい数秒です。パグ、フレンチ・ブルドッグ、ブルドッグ、ボストン・テリア、シー・ズー、ペキニーズ、狆。猫ならペルシャ、エキゾチックショートヘア、ヒマラヤン。顔の形は少しずつ違っても、この3つが息の邪魔になる、という点は変わりません。
だから顔の前のケアでは、何で拭くかを決める前に、どういう形で顔まで届けるかを決めます。決まりは1つで、顔の前では噴かないことです。手のひらに取ってから触れる。コットンに取ってから当てる。噴くのをやめるだけで、霧が息に乗ることも、ノズルを顔の前で構えることもなくなります。押さえ方と覆う時間は、この決まりのあとに、持ち方の工夫として片づきます。
しわの汚れも、目のまわりの湿りも、口のまわりの食べかすも、落としたいものそのものは体の汚れと大きく変わりません。違うのは、手が鼻と口のすぐ前にあるかどうかだけです。同じ汚れを同じもので落とすのでも、顔の前と体とでは届け方を変えます。この記事の比べ方は、全部この距離から出ています。
背中・胸・足先は顔から離れて通せる|犬の短頭種で顔まわりとの違いが出る向きと時刻
背中や胸、お腹、足先のケアは、顔から離れているので、手や道具が息の通り道に重なりません。ここでは噴いてかまいません。気にかけるのは、噴く向きだけです。
体に使う mofuwa グルーミングスプレーは、ブラッシングスプレーとしても使えるように作られています。背中にひと吹きしてからブラシを通すと、静電気で毛が立ちにくいぶん、被毛の根元までブラシが入ります。吹く向きは、頭から尾へ。首の後ろから始めて、ノズルを常にお尻のほうへ向けたまま下がっていけば、霧が顔の側へ戻ってくることはありません。胸とお腹は、その子を立たせたまま横から、ノズルを床へ向けて吹きます。前から胸をねらうと、ノズルの先にちょうど顔があります。
足先は、散歩から帰った玄関で済ませます。足先にグルーミングスプレーを吹いて、指のあいだをコットンで拭き上げる。散歩の直後は息が上がっていますが、足先は顔からいちばん遠い場所なので、呼吸が落ち着くのを待たずに始められます。汚れた直後に、その場で済ませられる。これが顔から離れた側のケアの強みです。
グルーミングスプレーの中身は還元水100%で、アルコールを使わず、香りも付けていません。ペットは体から脂を出すので、昨日きれいにしても今日また汚れます。還元水には油と混ざり合う性質があり、汚れのもとになる余分な脂は乳化して浮き、セラミドやスクワランのように残しておきたいものは残ります。吹いたあと、その子は自分の前足を舐め、ブラシを通した毛にも口が触れます。そこまで届くものとして基準を決めてあるので、量を気にせず毎日使えます。息が上がっているうちは顔に触れないぶん、体だけでも今日のうちに整えてやりたい。その願いを、毎日やれる形にしたのがこの1本です。首まわりにしわのあるブルドッグのような子なら、首のしわも顔から離れた体の側として、同じ頭から尾の向きで通せます。
犬と猫の短頭種で違いが出るのは、この体の側です。犬なら体にはそのまま吹けますが、ペルシャやエキゾチックショートヘアのような猫は、体でもスプレーの音を嫌がる子が少なくありません。猫の場合は、顔の前で噴かないという決まりを体まで広げて、グルーミングスプレーを手のひらに取ってからなでる形にします。向きと時刻の考え方は、犬と同じです。
呼吸・時間・時刻で並べる|短頭種の顔と体でケアを使い分ける比較表
顔の前と顔から離れた場所を並べると、差が出るのは使う形だけにとどまりません。顔の前は短く区切って涼しい時刻に、体と足は汚れた直後にそのまま。かける時間とやる時刻まで、2つの側で逆になります。
| 比べるところ | 顔の前でやるケア | 顔から離れてやるケア |
|---|---|---|
| 場所 | しわ・目のふち・鼻の下・口のまわり | 背中・胸・お腹・足先 |
| 呼吸への負担 | 手・霧・押さえ方が、息の通り道の上に重なる | 息の通り道から離れていて、重なりにくい |
| 使う形 | 噴かない。手のひらかコットンに取ってから | 噴いてよい。頭から尾の向きに |
| かかる時間 | 1か所ずつ区切り、そのたびに手を顔から離す | 一度に通してかまわない |
| やる時刻 | 呼吸の音が静かな涼しい時刻。散歩や遊びのすぐあとは避ける | 汚れた直後。散歩から帰ったその場で |
| 押さえ方 | 胸を押さえない。あごを手のひらに軽くのせる | 立たせたまま、座らせたままでよい |
| まとめると | 噴かない形だけで、涼しい時刻に短く区切る | 汚れたらその場で、顔と反対の向きに吹く |
時刻について補っておきます。短頭種は暑さや運動で息が上がりやすく、散歩や遊びのあとは、しばらく口を開けたまま速い呼吸が続くことがあります。顔の前のケアは、口を閉じて、鼻で静かに息をしている時間に置いてください。朝の散歩に出る前の、部屋がまだ涼しいころ。夏なら、冷房で冷えた部屋に戻って、呼吸の音が落ち着いてから。伏せて目を細め、いびきのような音が小さくなってきたときが、始めどきの目安です。
表の「かかる時間」の行も、時刻と同じところから来ています。顔の前で1か所拭くたびに手を離すのは、そのあいだに呼吸の音を聞くためです。聞いてみて、息が静かなままなら次へ。速くなっていたら、その日は残りを明日に回します。顔から離れた側にはこの確かめが要らないので、背中から尾まで一度に通せます。同じ1回のケアでも、区切るかどうかは手と鼻の距離で決まります。
顔の前には噴かない形の3本を置く|短頭種のセットの選び方
顔の前のケアに持ち込むのは、グルーミングスプレー、涙やけクリーナー、スキンケアミストの3本です。3本とも、顔の前で噴かずに使える形で持ち込みます。場所ごとに1本ずつ、受け持ちを分けます。
しわの表面と縁には、グルーミングスプレーを手のひらに取って。しわにたまるのは、体と同じ脂まじりの汚れです。顔から離れた膝の上で手のひらに吹いて指先を湿らせ、しわの溝に沿って指の腹を1本だけ入れます。手のひらは顔から離しておくので、鼻と口の前はいつも空いています。アルコールを使わず香りも付けていないので、鼻のすぐ上で使っても、においが鼻先に残りません。同じ1本を、体には吹き、顔には手のひらで。持ち替えずに届け方だけを変えられるのが、このセットの中心にグルーミングスプレーを置く理由です。
目のふちには、mofuwa 目にやさしい涙やけクリーナーをコットンに取って。短頭種は目が大きく前に出ている子が多く、しわのすぐ上に目があります。しわを拭く指の動きでまぶたが動けば、そこにあったものは目の中へ入ります。涙やけクリーナーは、目に入る場所で使うことを前提に水だけでつくられていて、眼刺激性試験と清涼飲料水の規格基準の両方を確かめてあります。とがったキャップからコットンへ量を調整して出せるので、ボトルを顔の前で構えずに済みます。01(CLEAN)で目のふちの脂を落とし、02(CARE)で整える順番です。
しわの奥の地肌と鼻の下には、mofuwa スキンケアミストをコットンに取って。しわの奥は湿りがこもりやすく、指で開かないと地肌が見えない場所です。鼻の下は、その子の舌が何度も行き来する場所です。スキンケアミストは中身が高機能性電解酸化水だけで、舐めることを出発点に設計されているので、舌の届く鼻の下にもそのまま使えます。膝の上でコットンに吹いてからしわの奥へ当て、皮膚を押さえるようになじませます。霧のまま顔に向けることはしません。
顔の前のケアのあいだ、その子を上から押さえる必要はありません。座らせて横に並び、あごの下に手のひらを添えて、軽くのせてもらいます。胸はどこにも押しつけず、鼻と口の前は空けたまま。1か所拭いたら手を顔から離し、呼吸の音を1回聞いてから次へ進みます。しわ、目のふち、しわの奥、鼻の下。4か所のあいだに、手を離す間が3回入ります。
ケアのたびに聞いている呼吸の音が前より大きくなった、ガーガーという音が起きているあいだも続く、片目を細めたまま開けない、目の表面が白っぽく見える。こうした変化に気づいたら、顔の前のケアを進める前に、かかりつけの動物病院に電話を入れてください。短頭種は目の表面に傷がつきやすいと言われていて、しわを拭く指やコットンが当たったかどうかは、家では確かめられません。いつから、どのケアのあとに気づいたかを、やった時刻と一緒に伝えられるようにしておきます。
涼しい時刻に顔、汚れた直後に体|短頭種と暮らす家で毎日続ける組み方
毎日続ける形にすると、ケアは1日の中で2つの時刻に分かれます。顔の前は涼しくて呼吸が静かな時刻にまとめ、体と足は汚れた直後にその場で済ませます。
| 時刻 | 場所 | やること | 使うもの |
|---|---|---|---|
| 朝、散歩に出る前 | 窓ぎわの明るい床 | しわ・目のふち・しわの奥・鼻の下を、1か所ずつ手を離しながら | グルーミングスプレー(手のひら)・涙やけクリーナーとスキンケアミスト(コットン) |
| 散歩から帰ってすぐ | 玄関 | 足先と指のあいだ | グルーミングスプレー(そのまま吹く) |
| 夕方、落ち着いたころ | 寝床の横 | 首の後ろから尾へブラッシング | グルーミングスプレー(頭から尾の向き) |
| ごはんのあと、息が静かになってから | 食器のそば | 口のまわりだけ | スキンケアミスト(コットン) |
表の1行目だけが、顔の前に何度も手が入るケアです。顔の前のケアを1つの時刻に寄せておくと、その時刻を涼しいころに合わせるだけで、呼吸の条件がそろいます。ごはんのあとの口のまわりは1か所だけなので、息が落ち着くのを待ってから短く済ませます。体の側の2行は、汚れた時刻がそのままやる時刻です。皮膚や被毛の汚れを翌日に持ち越さない、という毎日のケアの形は、短頭種でもほかの子と変わりません。
玄関の棚にはグルーミングスプレーとコットン、窓ぎわの顔のケアの場所には、涙やけクリーナーとスキンケアミストを並べておきます。顔の時刻には玄関のグルーミングスプレーも窓ぎわへ持っていき、手のひらに取ってから使ってください。続けていくと、1か所ごとに手を離して呼吸を聞く、その間の長さが、その子に合った長さに落ち着いてきます。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 顔から離して、遠くから軽く吹くのもやめたほうがいいですか?
- 顔の前では、距離に関係なく噴かない形をおすすめします。遠くから吹いた霧も顔のまわりの空気にしばらく残り、次に吸う息と一緒に鼻へ入ります。手のひらかコットンに取ってから触れれば、同じものを同じ場所に届けられます。背中や足先なら、頭から尾の向きで吹いて問題ありません。
- しわの奥が赤いときも、同じように拭いていいですか?
- 赤くただれている、触ると痛がる、いつもと違うにおいのする湿りがある、というときは、しわに指を入れる前に、その日のうちに動物病院へ連れ出してください。しわを開いて中を見るのは、獣医師の手に任せます。そうした変化のない日の薄い赤みは、拭いた指の力が強かったときにも出ます。指の腹を1本だけ、しわの溝に沿って動かし、往復させないようにすると、しわの縁がこすれずに済みます。
- いまグルーミングスプレーだけを使っています。次に足すならどちらですか?
- 目のふちが湿っている日が多い子なら涙やけクリーナー、鼻の下やしわの奥の湿りが気になる子ならスキンケアミストから足すと、顔の前で噴かずに済む場所が1つずつ増えていきます。どちらを足しても、グルーミングスプレーは顔の前では手のひらに取る、という使い方は変わりません。短頭種のセットは、3本を一度にそろえなくても、顔の前の受け持ちを1か所ずつ分けていけば組み上がります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
