C05犬種・猫種別ケア
ウエストハイランドホワイトテリアのケア|涙やけを減らす3つの習慣
目の下を布で押さえた10分後に、同じ場所へ指を沈めてみると、毛の根元がまだ湿っていました。表面はさらさらに乾いています。それなのに、指1本ぶん下は朝と同じでした。ウエストハイランドホワイトテリアの目のまわりは、短くて硬い毛が地肌からまっすぐ立っていて、上から見ると1枚の白い面のように見えます。指で分けると、その面の下に毛が密に立ち並んでいるのが分かります。この密に立った毛のかたまりを、この記事では「森」と呼びます。涙やけが減らないのは、拭き取りの回数が足りないからではなく、涙が森の中に入り込んで出てこないからです。この記事では、なぜそうなるのかを先に置いて、毛を分けてから乾かすという手順を後に置きます。
目のまわりが毛の森になる|ウエストハイランドホワイトテリアの涙やけを拭き取りで終わらせないコツ
明るいところで、その子の顔を真横から見てください。目のまわりの毛は短いのに、地肌からまっすぐ立っています。長い毛が横に流れて目にかぶさっているのではなく、短い毛が一本ずつ立ち上がって、面をつくっています。ウエストハイランドホワイトテリアの涙やけを考えるときの出発点は、この立ち方です。
この毛の質は、この犬種が担っていた仕事から来ています。スコットランドの岩場で、地中や岩のすきまに入る獲物を追う。外側の毛は硬くてまっすぐで、水や土をはじきます。その内側に柔らかい下毛があって、体温を保ちます。目のまわりにも同じ質の毛が、短いまま密に生えています。顔だけ柔らかい毛になっている、ということはありません。
涙が目のふちからあふれたとき、毛が寝ていれば、水は毛の表面を伝って下へ落ちます。ところが毛が立って密に並んでいると、水は毛と毛のあいだのすきまへ入ります。細いすきまに入った水は、自分の重さでは落ちてきません。森の上のほうは空気に触れているので数分で乾きますが、底は空気がほとんど動かないので、濡れたまま何時間も残ります。
ここで布を当てると、布は森のいちばん上、毛先の面だけをなでていきます。触れているのは水が残っていない場所です。拭いた直後にさらさらに見えるのは、森の屋根が乾いているからであって、底が乾いた証明にはなりません。ウエストハイランドホワイトテリアの涙やけで「毎日拭いているのに変わらない」と感じるとき、多くはこの一段のずれから来ています。
- 毛が短い:横に流れないので、水が下へ落ちる道ができません
- 毛が硬い:押しても倒れず、立ったまますきまを保ちます
- 毛が密:すきまが細くなり、入った水が出てこられません
- 底は空気が動かない:表面と底で、乾くまでの時間が何時間もずれます
- 布は面をなでるだけ:拭き取りが届いているのは、屋根の側です
白い被毛の犬種なので、目の下の変色は誰の目にも留まります。ただ、色は結果の側に出ます。色が見えてから手を動かすと、いつも一段遅れます。この記事で扱うのは毛の色そのものではなく、森の底が濡れている時間のほうです。時間が短くなれば、あとから色の話は自然に静かになります。逆に、色だけを追いかけて表面をこすっても、底の時間は1分も減りません。
毛を分けてから乾かす|ウエストハイランドホワイトテリアの涙やけを減らす朝の手順
やることは1つだけです。森の上をなでるのをやめて、森に道を1本つくってから底を乾かします。道具を増やす必要はありません。乾いた布と、少し湿らせた布と、自分の指があれば足ります。所要は片側で1分ほどです。ウエストハイランドホワイトテリアの目のまわりは面が狭いので、時間より順番のほうが効きます。
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手順1:明るいところで顔を横から見て、範囲を先に決める
正面からではなく、横から見ます。毛先の色ではなく、毛の流れが乱れて束になっている場所を探してください。そこが、水が入って乾ききっていない場所です。目頭の下から頬にかけて、1円玉くらいの範囲に収まることがほとんどです。範囲を先に決めておくと、必要のない場所を触らずにすみます。
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手順2:指の腹で毛を左右に分けて、地肌までの道を1本つくる
毛の流れと直角に、指の腹をそっと置いて左右へ開きます。爪を立てない、押し込まない。硬い毛は分けたところで止まってくれるので、道は開いたまま残ります。ここがウエストハイランドホワイトテリアで作業しやすいところです。柔らかい毛の犬種では、分けてもすぐ閉じてしまいます。
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手順3:乾いた布の角を、分けた線の底に数秒当てて置く
動かしません。角を作って、道の底に当てて、3〜5秒そのままにします。こすって取るのではなく、置いて吸わせます。底に残っていた水分が布へ移ります。1回で全部は移りません。それで構いません。今日の目的は、底が濡れている時間を数時間ぶん短くすることです。
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手順4:湿らせた布に持ち替えて、分けた線に沿って一度だけ送る
水気を固く絞った布に持ち替えて、開いた道に沿って目頭から外へ、一度だけ送ります。往復させません。ここで初めて、涙が乾いて残っていたものが浮きます。目のきわには当てず、まぶたの縁から数ミリ外側から始めてください。涙やけの中心は目そのものではなく、その下の毛の底にあります。
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手順5:もう一度、乾いた布の角で置いた水分を引き取る
湿らせた布を使ったら、必ず乾いた布で終わります。ここを飛ばすと、拭く前より濡れている時間が長くなります。最後に道の位置を2〜3ミリずらして、手順3から同じことをもう一度。左右で2〜3本の道が通れば、その日はそれで終わりです。全部を一度に開こうとしないでください。
| 森の上をなでる | 道を開いて底に当てる | |
|---|---|---|
| 触れている場所 | 毛先の面 | 毛の根元と地肌 |
| 取れているもの | 表面に乗った汚れ | 底に残っていた水分 |
| 布の動き | 往復してこする | 当てて数秒置く |
| 終わった直後の見た目 | 白く戻る | ほとんど変わらない |
| 数時間後の底 | 朝と同じく濡れている | 乾いている時間が増える |
| 毛への負担 | 立った毛を倒し続ける | 分けるだけなので少ない |
この手順を続けると、変化は色より先に手ざわりに出ます。1週間ほどで、指を沈めたときに根元が湿っている日が減ってきます。ウエストハイランドホワイトテリアの涙やけを追いかけるときは、鏡の中の色ではなく、指先の湿りを記録してください。朝に指を入れて湿っていたかどうかを、カレンダーに丸とバツで付けるだけで足ります。
森の底に触れる布と指のやり方|ウエストハイランドホワイトテリアで力をかけない
手順そのものより先に止まるのは、たいてい別のところです。ここでは、ウエストハイランドホワイトテリアの目のまわりでよく起きる3つのつまずきと、そのときのやり方を書きます。どれも、力を強くすれば解決するものではありません。むしろ、力を抜くほうが底に届きます。
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つまずき1:上から下へこすってしまう
立っている毛を上からこすると、毛は流れの向きに倒れます。倒れた毛は屋根をさらに密にするので、底のすきまはかえって閉じます。こすった直後は白く見えるのに、翌朝には同じだけ湿っている、という繰り返しはここから起きます。こするのをやめて、分けて置く。動きを1つ減らすだけで、届く深さが変わります。
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つまずき2:湿らせた布だけで終わってしまう
湿らせた布は、乾いて残ったものを浮かせるためのものです。浮かせたあと、そのままにすると、森の底に水を1回ぶん足したことになります。濡らした布を使った日は、必ず乾いた布で終わる。この一手が抜けると、手をかけているのに底が濡れている時間が伸びます。ウエストハイランドホワイトテリアの涙やけで、丁寧にやっている人ほど当たりやすいところです。
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つまずき3:目のきわから始めてしまう
目のきわは、その子がいちばん嫌がる場所です。最初にそこへ触ると、次の日から顔を背けられます。頬の側から始めて、目に近づく前に終わる。触らせてもらえる範囲を毎日確保するほうが、1回の完成度より効きます。嫌がる日は、乾いた布を当てるところまでで切り上げてください。
綿棒のように先の細いものを森へ押し込むと、地肌を突きます。道を開くのは、いつも指の腹です。布は四つ折りにして角を作り、その角だけを道の底に当ててください。面で押さえると、毛がまとめて倒れて道が閉じます。角は小さいほうが底に入ります。使う布は、目のまわりに使えることが分かっているものを、その日ごとに新しい面に替えて使ってください。
布の角だけが道の底に入る、と書きました。だとすれば、濡らすのも角だけで足ります。面ごと湿らせると、開いた道の両側の毛まで濡れて、乾いた布で引き取る仕事が増えます。mofuwa 目にやさしい涙やけクリーナーは、とがったキャップから狙った一点へ落とせる形で、これは飼い主の声から生まれた形です。中身は水だけです。日本食品分析センターの眼刺激性試験を通り、清涼飲料水の規格基準もクリアしています。それでも、目そのものへ落とす使い方は想定されていません。布の角に受けてから、道の底へ当ててください。
森の底には、水のほかに、体から出た脂が沈んでいます。乾いた布で引き取れるのは水分までなので、脂はそのまま残ります。ここへ落とすのが01(CLEAN)です。02(CARE)が見ているのは、空気の動かない底で菌が増えるほうになります。手順3で乾いた布に水分を引き取ったあと、道が開いているうちに01を角へ受けて当て、乾いた布で終わってから02を置く。開ける道が2〜3本なら、落とすのはそれぞれ1滴で足ります。これを使えば涙やけが治りますという書き方はしません。すでに色になっている毛は、伸びて入れ替わるのを待つことになります。ここで動くのは、森の底が濡れている時間のほうです。
頻度についても書いておきます。1日に何度も触る必要はありません。朝に1回、道を2〜3本ぶん開いて底を乾かす。それで足ります。回数を増やすと、そのぶん毛を倒す回数も増えます。ウエストハイランドホワイトテリアの目のまわりの毛は、倒されても自分で立ち直りますが、1日に何度も往復させられると立ち上がりが鈍ります。触る回数より、底に届いた回数を数えてください。
順番を変えても毛の底が乾かないとき|ウエストハイランドホワイトテリアの涙やけ
ここまでは、毛が密に立っているという作りで説明のつく涙やけの話でした。分けて、当てて、乾いた布で終わる。この順番を2週間続けても、朝の指先が毎日湿っているときは、別の見方をしてください。次のような変わり方は、毛の作りや拭き方の話として片づけないほうが安全です。
- 片側だけが続く:左右の条件は同じはずなので、片側だけ濡れ続けるのは作りでは説明がつきません
- 目やにの量や質が変わった:ねばりが出た、量が急に増えた、糸を引く
- 目を細める、まぶしそうにする:涙の量そのものが増えているサインのことがあります
- 前足で顔をこする回数が増えた:拭かれるのを嫌がるのとは別の動きです
- 目のまわりの地肌が赤い、湿ったにおいがある:濡れている時間が長く続いた結果として起こることがあります
- 触ると痛がる、顔を強く背ける:その日は手を止めて構いません
目を細める、白目が赤い、目やにの色や量が急に変わった、まぶたが腫れている、顔をしきりにこすっている、片側だけ涙が止まらない。いずれかに当てはまるときは、拭き方を変える前に動物病院にご相談ください。目のまわりは、家庭でできることと家庭では判断できないことの境目が近い場所です。ウエストハイランドホワイトテリアは白い被毛のぶん、変化が目に留まるのが早い犬種です。気づいた朝のうちに連絡してください。2週間の記録がそろうのを待つ場面ではありません。
相談に行く前に、朝に指を沈めて湿っていたかどうかの記録、いつからか、その日にやめたことと始めたことの3つをメモしてください。この3つがあれば、拭き方で動く範囲の話なのかどうかを、その場で切り分けてもらえます。前の晩に念入りに拭いてから行かないでください。もとの状態が分からなくなります。
ウエストハイランドホワイトテリアと暮らすうえで、目のまわりの毛が短く密に立っていることは変えられません。岩場で仕事をするためにそなわった作りだからです。動かせるのは、涙が森の中にとどまっている時間のほうです。表面をなでる回数を増やすのではなく、道を1本開いて、底に布の角を当てて、乾いた布で終わる。ウエストハイランドホワイトテリアの涙やけで手が届くのは、そこです。
Product
mofuwa 目にやさしい涙やけクリーナー
1,870円(税込)
眼刺激性試験をクリアした2剤構成。01(CLEAN)で目やにと涙の跡を浮かせ、02(CARE)で拭いたあとの環境を整えます。
商品ページを見るよくある質問
- 涙やけが気になるのは片側だけです。ケアも片側だけでいいですか?
- 毎日のケアは両側に同じだけ入れてください。片側だけ濡れている状態が続いているなら、それ自体が見ておきたい変化です。目のまわりの毛の作りは左右で同じなので、片側だけ差が出るときは、拭き方の差ではなく別の理由があることがあります。2週間続けても片側だけ湿っているときは、動物病院にご相談ください。
- 食べ物を変えたほうがいいですか?
- 毎日の食事は動物病院で相談する領域です。この記事で扱っているのは、涙が出たあと、それが毛の中にどれだけの時間とどまるかという部分だけです。食事の話と、濡れている時間の話は別々に進められます。まず時間のほうを短くしておくと、他の条件を変えたときに何が動いたのか分かりやすくなります。
- 顔まわりの毛を短くカットすれば、涙やけは減りますか?
- 短くしても、地肌からまっすぐ立つという毛の性質は変わりません。密に立っていることが理由なので、長さを詰めるだけでは底のすきまはそのまま残ります。カットする場合も、目のきわは家庭で扱わず、トリマーや動物病院に任せてください。家庭で動かせるのは、分けて、当てて、乾いた布で終わるという毎日の順番のほうです。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
