C02技術・エビデンス

耳道がL字である意味

公開日 2025年1月26日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の淡い色の床にのんびり寝そべっている、薄い毛色の犬
耳の形は外から見えません。見えているのは、通路の入り口だけです。写真:3194556/Pixabay

耳の入り口をふいた綿の先が、1センチほど進んだところで壁に当たって止まります。耳道がそこで向きを変えているからです。犬の耳道は、入り口から下へ下りる縦の通路と、そこから内側へ折れて鼓膜へ向かう横の通路でできていて、この形がL字と呼ばれています。L字は、外から来た砂やしぶきが鼓膜まで直に落ちないための形です。守るために曲げてあるので、同じ曲がりが、人の手や布の届く先も決めています。この記事では、犬の耳道のL字を「何が入らないか」と「何なら届くか」の2つの軸で読みます。扱う数字は1つだけです。

軸1・入ってくるものの側|L字の曲がりが犬の耳道で止めているもの

L字の曲がりは、外から来たものが鼓膜まで一直線に落ちないための作りです。犬の耳道は、入り口から下へ下りる縦の通路と、そこから内側へ折れる横の通路でできています。上から入ったものは縦の通路を落ちていきますが、底で通路の向きが変わるので、そこから先へは重力だけでは進めません。砂も、水のしぶきも、草の切れ端も、いったん曲がりの手前で足を止めます。

同じ形は、台所の流しの下にもあります。シンクの排水管は、まっすぐ下へ落とせるはずのところを、わざわざU字やS字に曲げてあります。曲げたところに水がたまり、その水が、下から上がってくるにおいと小さな虫をせき止めているからです。曲げてあるのは、通したくないものがあるからです。犬の耳道のL字も、役割としてはこの曲げ方と同じ側にあります。

配管の話には続きがあります。曲げた管は、まっすぐな棒では掃除できません。通したくないものを止める形は、同時に、通したいものまで止めてしまいます。犬の耳道でも、L字が守っているのと引き換えに、湿った空気が抜けにくく、入ったものが自然には戻ってこない、という条件が生まれます。L字は良い形でも悪い形でもなく、「何を通すか」を決めている形です。この先は、通す側の話になります。

軸2・届かせる側|犬の耳道で、拭く手と流す手の使い分けが分かれる場所

曲がりのある通路では、届かせる手が2種類に分かれます。布、コットン、指の腹といった形のあるものは、縦の通路を下りきったところで壁に当たります。曲がりの角度は外からは見えないので、どこで止まったかは、押した指に返ってくる抵抗でしか分かりません。犬の耳道を拭くという動きは、実際には「入り口と耳のふちを拭く」という動きです。

もうひとつは、液体です。液体には形がないので、置いた場所から自分で広がります。せまいすきまに液体がひとりで入っていく動きを毛細管現象と呼びます。紙の端を水につけると、押していないのに水が上がってくる、あの動きです。耳の内側のしわや、毛のすきまに液体が行き渡るのは、この広がり方によるものです。布が当てられない面にも、液体は当たります。

Caution棒状のものが曲がりで止まる、という事実の読み方

綿棒のような棒状のものを縦の通路の先へ入れると、先端は曲がりの壁に当たります。そこで起きるのは、汚れを外へ出すことではなく、汚れを曲がりのほうへ押し込むことです。L字という形が分かると、綿棒を奥まで入れない理由が、しつけや我慢の話ではなく、通路の形の話だと読めます。家で動かしていいのは、目で見える範囲までです。

ここでもう一段はっきりすることがあります。曲がりの先は、家の手が届く範囲の外側です。L字は、守る形であると同時に、家のケアと動物病院のケアの境界線を引いている形でもあります。犬の耳道の手入れで迷いが出るのは、この線が目に見えないからです。線の手前は毎日の話、線の先は道具を持っている人の話、と分けておくと、やることが減ります。

布と液体を並べる|犬の耳道のL字を軸にした比較と、扱う数字を1つに絞る理由

2つの手は、同じ場所を争っていません。届く先が違うので、片方が優れているという並べ方ができないのです。比較するときに見るのは、どちらが強いかではなく、どこで止まるかです。

布で拭く手と、液体で置く手が止まる場所 同じ耳の手入れでも、形のあるものと液体では、進める距離が違います。布は曲がりの手前まで、液体は置いた面から自分で広がります。どちらも、曲がりの先までを引き受けるものではありません。 どちらも、家で見える範囲の話をしています 布で拭く手 入り口と耳のふちまで 見える範囲だけ動かせる 汚れをつまんで外へ出す 曲がりの手前で止まる 20秒ほどで終わる 液体を置く手 置いた面から自分で広がる 布が当たらない面にも届く 汚れを浮かせて流れに乗せる 曲がりの先は引き受けない 乾くまでの時間が要る
並べているのは強さではなく、止まる場所です。
届く先で並べた、2つの手の比較
見るところ布で拭く液体を置く
届く距離縦の通路の入り口まで置いた面のまわりへ、すきまに沿って
当てられない面しわの内側、毛の根もと目で見えない奥の面
汚れの動きつまんで外へ出す浮かせて、流れの向きへ乗せる
失敗の出かた押し込む向きに力が入る濡れたまま時間が過ぎる
確かめ方コットンについた色乾いたあとの手ざわり
曲がりの先入らない任せない

液体側で、この記事が扱う数字を1つだけ出します。mofuwa の製品の水は、三室ダブルイン型という電解のしかたでつくられた電解水で、技術としては特許5253483に登録されています。この水は、角質への水分浸透力が精製水の35倍という測り方をされています(※自社調べ。比べている相手は精製水で、測っているのは角質への水分の入り方です)。耳の内側の皮膚も皮膚なので、置いた液が表面に乗ったまま残るのではなく、角質のほうへ入っていく、という意味の数字です。特許は、その作り方が新しいと認められた記録であって、何かが良くなることの証明ではありません。

Noteこの記事が、ほかの数字を持ち出さない理由

当社の電解水には、検査機関で行われた試験の結果がほかにもあります。江東微生物研究所や日本食品分析センターなどの名前とともに、どの菌を対象に、何秒後に生菌が検出されなかったか、という試験条件つきで残っているものです。ただしそれは水を対象にした試験であって、犬の耳道の奥で同じことが起きるという話にはなりません。この記事はL字という形の話なので、形に関わる数字だけを扱っています。数字を並べるほど、その数字がどの条件のものか分からなくなります。

毎日の側に置くのはどちらか|犬の耳道のL字から決まる、家での選び方

毎日の側に置きやすいのは、液体のほうです。拭く動きは、その子が頭を動かすと止まります。液体は、置いてから広がる時間のあいだ、その子が動いていてもかまいません。犬の耳道の選び方は、どちらが効率がよいかではなく、その子が嫌がらない時間の長さで決まります。

mofuwa スキンケアミストは、高機能性電解酸化水100%の1本です。成分を足して機能をつくっているのではなく、水そのものの性質でできています。もとになっている水は、飲みものに使う水と同じ規格に照らして確かめられています。だから耳の内側に置いた液が、頬を伝って毛に流れ、その子が自分で舐めたとしても、あとから拭き取って回る必要がありません。耳のまわりは、その子が自分の前足でこすり、そのまま前足を舐める場所です。舐める場所に使うものだから、水だけで組み立てる、という順番になっています。

  1. 耳のふちを開く

    垂れ耳なら、耳を持ち上げて内側を上へ向けます。立ち耳なら、指で軽く外へ倒します。ここで見えている範囲が、家でできる範囲の全部です

  2. 見える範囲に置く

    コットンに含ませて耳の内側と入り口を拭くか、見えている面に直接吹きかけます。縦の通路の先へ向けて押し込む動きはしません

  3. 広がる時間を待つ

    しわのあいだと毛の根もとへ、液が自分で入っていきます。ここで手を止めていられるかどうかが、拭く手との差になります

  4. 乾くまでを見る

    そのまま乾かします。頭を振って飛ばすぶんは、飛ばしてかまいません。乾いたあとの手ざわりが、次の日の目安になります

拭く手を捨てる話ではありません。散歩から帰った日、草むらに入った日は、目に見える粒を布でつまんで外へ出すほうが早いです。布で外へ出したあと、布が当たらなかった面をスキンケアミストで埋める、という順番にすると、2つの手が同じ場所で重なりません。猫の場合は、耳を触られること自体を嫌がる子が多いので、拭く手を減らして、置く手の側に寄せるほうが続きます。

家でできる見分け方|頭を振ったあとに出てくるものと、乾くまでの時間

L字の先を見る道具は家にありませんが、L字から出てくるものは見られます。頭を振ったあと、耳のふちや床に何が出ているか。ここが、家でできる見分け方のほとんどです。曲がりの先の様子は、出てきたものの形で間接的に読みます。

頭を振ったあとに出てくるものの読み方
出てくるもの読み方家でやること
乾いた粉のようなもの曲がりの手前までが乾いているそのまま。置く手を続けます
湿って色のついたもの乾くまでの時間が長くなっている置いたあとに乾く時間を確保します
同じ側だけ何度も出る左右で条件が違っている出た日と側を3日ぶん書き留めます

もう1つ数えるのは、乾くまでの時間です。置いてから手ざわりが戻るまでが、その日の通路の状態を映します。同じ量を置いて、先週より乾くのが遅くなっていれば、変わったのは液の側ではなく、耳の中の湿り方の側です。数字にする必要はありません。「昼に置いて夕方にはもう乾いていた」で足ります。

曲がりの先を洗うのは、家の仕事の外にあります。頭を振る回数が1日に何度も続く、片方だけ触らせない、においが3日たっても同じまま——こうした残り方をしているときは、そこは動物病院で中を見てもらう場所です。耳の奥をのぞく道具と、そこへ届かせる技術は、家の側にありません。L字が引いている線は、そのまま役割の線でもあります。

今日できるのは、耳の入り口を拭いたときに、綿が止まった場所を指で覚えておくことです。そこが曲がりの手前で、そこまでが家の範囲です。犬の耳道がL字である意味は、奥が触れないという不便ではなく、触らなくていい範囲が決まっているということのほうにあります。

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よくある質問

家で、耳の奥まで液を流し込んで洗ってはいけないのですか。
家でやるのは、目で見える範囲に置くところまでです。縦の通路の先へ液を流し込む洗浄は、中の様子を見る道具を使いながら、入れた液を回収するところまで含めて成り立つ手順です。見えないまま入れると、入れた量と残った量が分からなくなります。L字の形は、外から見て奥の状態が確認できないことと同じ意味なので、確認できない場所へは入れない、という線の引き方になります。見える範囲に置いて、乾くまでを見る。これだけで、家でできることは足ります。
猫の耳道もL字ですか。犬と同じ考え方で見ていいのでしょうか。
猫の耳道も、縦の通路と横の通路が続く形です。角度や通路の細さ、耳の立ち方が犬とは違うので、同じ図が重なるわけではありません。ただし、この記事で分けた2つの手——形のあるものは曲がりの手前で止まり、液体は置いた面から広がる——という分かれ方は、猫でも変わりません。猫のほうが耳を触られる時間を短く切り上げたがるので、拭く時間を削って、置いて待つ側に寄せるほうが続きやすくなります。
浸透力が精製水の35倍なら、曲がりの先まで届くという意味ですか。
別の話です。35倍という数字は、角質へ水分が入っていく入り方を精製水と比べたもので(※自社調べ)、通路をどこまで進むかを測ったものではありません。通路を進む距離を決めているのは、置いた場所と、すきまの形と、重力です。浸透の話は「触れた面で、表面に残るか中へ入るか」、通路の話は「そもそもどこまで行けるか」。この2つを重ねて読むと、数字が本来言っていないことまで言ってしまいます。曲がりの先は、どちらの数字でも届きません。

本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。