C05犬種・猫種別ケア

チェサピークベイレトリバーのダブルコート|背中のベタつきを毎日のケアで防ぐ

公開日 2025年3月4日|文=mofuwa編集部

明るい部屋の淡い色の床で、茶色の犬が落ち着いて休んでいる
同じ油分でも、水に入る暮らしがあるかどうかで、行き先が変わります。

チェサピークベイレトリバーの背中は、雨に濡れた直後にさわると、水が玉のまま毛の上に乗っています。指で押すと転がり、押し出されるように毛の外へ落ちていく。地肌までは届いていません。この水のはじき方をつくっているのが、背中のベタつきの正体である油分です。油分は余計なものではなく、冷たい水に入るために出ています。ただし、水に入らない暮らしが続くと、その油分には行き先がなくなります。この記事では、働いている油分と、余っている油分を並べて、背中の手ざわりで見分ける方法と、毎日のケアの組み方を書きます。

冷たい水に入るための油分|チェサピークベイレトリバーの背中がベタつく出発点

チェサピークベイレトリバーは、アメリカ東部のチェサピーク湾で、冷たい水に入って鴨を回収する仕事をしていた犬種です。秋から冬にかけて、氷の浮くような水へ何度も飛び込み、そのたびに岸へ戻ってくる。この一日を成り立たせるために体のほうがそなえたのが、短く密で、油分をたっぷり含んだ被毛でした。チェサピークベイレトリバーのベタつきを考えるときの出発点は、この仕事の内容にあります。

被毛はダブルコートです。外側の上毛は短く、硬く、わずかに波打っています。その内側に、細かく密に詰まった下毛があります。下毛のあいだには空気が入っていて、その空気に水が届かないよう、外側から油分がふたをしています。油分がなければ、水は上毛のあいだを通って下毛まで入り、そこから体温が逃げていきます。ベタつきの元になっている油分は、体温を守るための装備でした。

だから、チェサピークベイレトリバーの背中がベタつくこと自体は、異常な出来事ではありません。出ている量が多いのではなく、出た油分に行き先があるかどうかが変わっただけです。水に入れば、油分は水と一緒に毛の外側を流れ、その日のうちに新しいものと入れ替わります。水に入らなければ、油分はその場に留まります。留まった油分が、指に残る手ざわりに変わります。

体格も関係します。この犬種はがっしりして、背中の面が広く、胸が深い。背中は自分の口が届かず、地面にもこすれない場所です。脚やお腹の油分は歩くだけで擦れて散りますが、背中の油分は動かされません。チェサピークベイレトリバーのベタつきが背中に出やすいのは、体の作りとして、そこだけ何も当たらないからです。

Note油分が多い犬種、という言い方をしないでおきます

チェサピークベイレトリバーの被毛は油分を含みます。ただ、ベタつきを決めているのは量ではなく、出た油分がその日のうちに動いたかどうかのほうです。量の話にすると、答えは「もっと洗う」になります。行き先の話にすると、答えは「どこへ動かすか」に変わります。洗う回数を増やす方向は、下毛のうるおいまで一緒に減らすので、先に手をつける場所ではありません。

働いている油分と、余っている油分|チェサピークベイレトリバーのベタつきの違い

ここからは、背中の油分を2つに分けます。片方は、水に入る暮らしの中で働いている油分。もう片方は、水に入らない暮らしで行き先を失った、余っている油分です。出どころは同じで、量もそう変わりません。違うのは、その油分が今日何かの役に立っているかどうかだけです。チェサピークベイレトリバーのベタつきは、この2つで手ざわりが分かれます。

働いている油分は、毛の表面にあります。水に入るたびに外側へ押し出され、水と一緒に流れ、上がったあとの身震いでさらに散ります。薄く広がっているので、手のひらを当てても指には残りません。毛を分けると根元は乾いていて、下毛にはふわりとした弾力があります。においも強く出ません。においの元は油分そのものではなく、油分に留まったものだからです。

余っている油分は、根元側にあります。押し出す機会がないので、毛の付け根に集まり、そこに空気中のほこりと、抜けた下毛を抱え込みます。抱え込んだものが増えると、油分は面になります。手のひらを滑らせると引っかかりがあり、指の腹には薄く残る。毛を分けると根元がしっとりして、下毛が束になって寝ています。チェサピークベイレトリバーのベタつきで気になるのは、ほとんどがこちら側です。

背中の油分が、働いているか余っているかで何が変わるか
働いている油分余っている油分
ある場所毛の表面。上毛の外側毛の根元。下毛のあいだ
手のひらの感触すっと滑る途中で引っかかる
指に残るか残らない薄く残る
下毛の様子立っていて弾力がある束になって寝ている
水のはじき方玉のまま転がる毛に染みて広がる
においの出方強く出ない時間がたつと出てくる
手の入れ方そのままでよい外へ動かすか、拭き取る
働いている油分と、余っている油分 チェサピークベイレトリバーの油分は、冷たい水に入るために出ています。水に入る暮らしがあれば毛の表面で入れ替わり、なければ根元に留まって、ほこりと抜け毛を抱えます。 同じ油分でも、行き先があるかどうかで分かれます 働いている油分 毛の表面に薄く広がる 水と一緒に外へ流れる 手のひらは滑る 下毛は立っている 余っている油分 毛の根元に留まる ほこりと抜け毛を抱える 手のひらが引っかかる 下毛が束になって寝る 水に入らない暮らしでは、右側が積み上がります
ベタつきの差をつくるのは油分の量ではなく、その日にどこへ動いたかです。

この2つには、良し悪しの差はありません。働いている油分を減らそうとすると、水をはじく力まで一緒に落ちます。雨の日に地肌まで濡れるようになり、乾くまでの時間が延び、そのあいだ下毛が湿ったままになります。チェサピークベイレトリバーで洗う回数を増やしすぎたときに起きるのは、たいていこの順番です。ベタつきを追いかけて、はじく力のほうを削ってしまう。

手を入れる相手は、余っている側だけです。根元に留まって面になったぶんを外へ動かせば、はじく力は残ったまま、手ざわりだけが変わります。チェサピークベイレトリバーのベタつきに対して、洗うより先にやることがあるとすれば、この見分けです。

手のひらに残るか、毛に残るか|チェサピークベイレトリバーの背中で油分の行き先を見分ける

2つに分かれると決まったら、次は今日どちらが起きているかです。見分けの中心は目ではなく手のひらと指です。立たせたまま、片手で体を支えて、もう片方の手だけで確かめます。時間は30秒で足ります。次の順で回してください。

  1. 手のひらを背中に当てて、首から腰まで一度滑らせる

    力を入れず、毛の流れに沿って。途中で引っかかりなく滑れば、油分は表面で働いています。肩甲骨のあいだや腰の手前で手が止まるようなら、そこに余っている油分が集まっています。止まった場所を覚えておいてください。

  2. 止まった場所で、指を毛の流れと直角に沈める

    毛を左右に開くのではなく、差し込むように入れます。根元が乾いているか、しっとりしているか。下毛が立っているか、束になって寝ているか。ここが余っている油分と働いている油分の、いちばんはっきりした分かれ目です。

  3. 指の腹を見る

    沈めた指を抜いて、指の腹を光に当ててください。薄く油が残る、指紋のあいだが少し光るようなら、余っている側です。何も残らなければ、その場所は今日は手を入れなくて構いません。チェサピークベイレトリバーは背中の面が広いので、場所ごとに結果が変わります。

  4. 同じことを、肩・背中の中央・腰の3か所でやる

    背中を1枚の面として見ないほうが正確です。首輪の当たる肩まわり、いちばん手が届かない中央、寝るときに床につく腰。3か所で結果が違うのがふつうで、全部同じになることのほうが少ない。その日に触るのは、指に残った場所だけです。

確かめた結果と、その日にやること
確かめたことその日の手の入れ方
手のひらが滑り、指に何も残らないその場所は何もしなくて構いません
手が止まるが、根元は乾いている毛の流れに沿ってブラッシングだけ
指に薄く残り、下毛が寝ている根元から外へ動かす。拭き取りを足す
根元が湿っていて、においが出ている乾かす時間を先に確保する
Pointチェサピークベイレトリバーは、見た目でベタつきが分かりません

上毛が短く、色も濃いので、根元に油分が溜まっていても外からは整って見えます。毛が寝ていてつやがあることは、根元が乾いている証明にはなりません。撫でるついでに手のひらを首から腰まで一度滑らせる、と決めてしまうと、思い出さなくても確かめられます。手ざわりの差は、数日も続ければ覚えられます。

使い道のない油分を、どこへ動かすか|チェサピークベイレトリバーの毎日のケアの使い分け

ここからが毎日のケアの話です。やることは2つしかありません。根元に留まった油分を毛の外側へ動かすか、外側まで出てきたぶんを拭き取るかです。この2つの使い分けは、その日の指の結果で決まります。どちらを毎日やるか、ではなく、今日はどちらか、という決め方をしてください。チェサピークベイレトリバーのベタつきは、決め方を固定すると手数が減ります。

動かす側から書きます。獣毛やピンの入ったブラシで、根元に入れてから毛先まで長く通します。短いストロークを何度も往復させるのではなく、一方向に長く。油分は毛に沿って引き伸ばされて、上毛の表面へ移ります。表面へ出れば、それはもう働ける場所にあります。上毛が短いので、1か所につき5〜6往復あれば足ります。背中を3つに区切って、その日は1区画だけでも構いません。

拭き取る側です。動かしただけでは、抱え込んでいたほこりと抜けた下毛は毛の上に残ります。ブラッシングのあと、乾いた布か、固く絞った布で毛の流れに沿って一度なでる。これで表面に出たぶんが布へ移ります。順番が逆になると、根元の油分は手つかずのまま、表面だけがきれいになります。ブラッシングが先で、拭き取りが後です。

指の結果で選ぶ、その日の使い分け
指の結果動かす拭き取る
何も残らない毛の流れに沿って軽くしなくてよい
薄く残る根元から毛先へ長く通すそのあと一度なでる
面のように固まっている区画を狭くして、回数を分ける毎回、布を替えながら
換毛期で下毛が出ている上毛を通してから下毛を出す抜けた毛を拾う目的で

洗う回数について、もう一度書いておきます。ベタつきが気になるからといって、洗う回数を増やす方向へ寄せないでください。この犬種の油分は、冷たい水に入るための装備です。洗って落とせば、しばらくは軽くなりますが、そのあいだ雨に濡れると地肌まで届きます。チェサピークベイレトリバーは下毛が密なので、地肌まで濡れると乾くまでに時間がかかります。乾ききらない下毛は、においの出やすい状態です。

Caution固まった面に、力で道具を入れないでください

指が止まる場所へ、細かい歯の道具を上から強く入れると、抱え込まれた抜け毛ではなく、生えている上毛と皮膚を一緒に引っぱることになります。面は1回でほどききらなくて構いません。区画を狭くして、その日に動かせたぶんだけ外へ運ぶ。嫌がる、身をよじるというときは、その日はそこで止めてください。翌日にもう1区画進めるほうが、結果として早く終わります。

それでも、洗う日そのものは何度かやってきます。この犬種で洗う日に決まってしまうのは、落とした量よりも、下毛の奥に何が残ったまま乾くかのほうです。上毛が短くて密なので、泡は表面で止まりやすく、いったん奥まで入ったぶんは、流れて出てくるのに時間がかかります。下毛が乾くのに時間のかかる犬種で、奥に残ったまま乾けば、そこがにおいの出やすい状態になります。

mofuwa モイストシャンプーは、原料に使う水を精製水で薄めていません。特許電解水(特許第5253483号)をそのまま水として入れているので、泡立ちは洗浄成分の側ではなく水の側から立ち上がります。洗浄成分そのものを増やさずに泡が立つので、下毛の奥から流しきるものも、そのぶん少なくて済みます。洗い方は、背中を3つに区切って、こするのではなく指の腹で泡を下毛の側へ押し込みます。指が止まった区画から先に泡を置き、すすぎもその区画から始めてください。ブラッシングで動かす区画と、洗う日にすすぎを始める区画をそろえておくと、翌日の手ざわりを前の週と並べられます。

水に入らない週が続いたあとに|チェサピークベイレトリバーのベタつきで見直す条件と、道具の選び方

ここまでは、油分の行き先で説明のつくベタつきの話でした。動かして拭き取っているのに、同じ場所が数日で戻ってくるときは、別の見方をしてください。次のような変わり方は、毎日のケアの話として片づけないほうが安全です。

道具の選び方も、ここで整理しておきます。選ぶ軸は、根元に届くかと、上毛を傷めないかの2つだけです。チェサピークベイレトリバーの上毛は短くて硬いので、歯が長すぎる道具は毛をまたいで空振りします。逆に、歯が細かすぎる道具は上毛につかまり、油分に届く前に力だけが皮膚へ伝わります。短い毛に沿って、根元まで入って、そのまま毛先へ抜けられるもの。手のひらに近い形のほうが、面の広い背中では扱いやすくなります。

背中の条件で変わる、道具の選び方
背中の状態選ぶ道具避けたい道具
表面が滑る手のひらか、柔らかい獣毛歯の細かいもの
指に薄く残る根元まで入るピンのもの歯先が鋭いもの
面のように固まっている区画を狭くして同じ道具で力の入る大きな道具
換毛期で下毛が動く上毛用のあとに下毛用を下毛用だけを単独で
Caution早めの受診をおすすめするサイン

地肌が赤い、じくじくしている、においの質が変わった、触ると痛がる、同じ場所をかみ続けている、毛が根元から抜けて地肌が広く見えている、フケが目立つ、元気や食欲が落ちている。いずれかに当てはまるときは、ブラッシングや拭き取りの回数を増やす前に、動物病院にご相談ください。チェサピークベイレトリバーは上毛が短くて色も濃いぶん、根元の変化が外から見えません。迷ったら早いほうを選んでください。

相談の前には、指が止まる場所、いつからか、直近1か月で水に入った回数と洗った回数の3つをメモしてください。この犬種では、水に入る機会が減った時期とベタつきが変わった時期が重なることがあります。回数が並んでいると、被毛の条件で説明のつく変化かどうかを、その場で切り分けてもらえます。

チェサピークベイレトリバーと暮らすうえで、背中の油分が出ること自体はなくなりません。冷たい水の中で仕事をするために、この犬種の体がそなえた作りだからです。減らせるのは油分の量ではなく、出た油分が根元に留まっている時間のほうです。手のひらで滑らせて、指を沈めて、残った場所だけを動かして拭く。洗う回数ではなく、この30秒の順番のほうを固定してください。チェサピークベイレトリバーのベタつきで動かせるのは、そこです。

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300ml / 3,410円(税込)

アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。

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よくある質問

チェサピークベイレトリバーのベタつきは、シャンプーの回数を増やせば減りますか?
一時的には軽くなりますが、水をはじく力まで一緒に落ちます。この犬種の油分は冷たい水に入るための装備で、落としたあとに雨に濡れると地肌まで水が届きます。下毛が密なので乾くまでに時間がかかり、そのあいだ湿った状態が続きます。洗う回数より先に、根元に留まった油分を外へ動かすほうを試してください。
背中だけがベタつくのはなぜですか?
自分の口が届かず、地面にもこすれない場所だからです。脚やお腹の油分は歩くだけで擦れて散りますが、背中の油分は何にも当たりません。体格があってがっしりした犬種ほど、背中の面が広く、動かされない範囲も広くなります。手を入れるなら、肩・中央・腰の3か所に分けて確かめてください。
水に入る機会がない暮らしでも、油分は減っていきますか?
出る量がすぐに変わるわけではありません。仕事の内容に合わせてそなわった作りなので、暮らしが変わっても被毛の性質は残ります。だからこそ、水の代わりに人の手で動かす必要が出てきます。ブラッシングで根元から毛先へ油分を伸ばし、表面に出たぶんを布で拭き取る。この2つで足ります。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。