C03使い方・お手入れ手順
換毛期のケア手順|毎日やる範囲を決める
3月の3週目、毎日の3分のブラッシングを終えてから、指を4か所に入れて2回しごいてみました。背中は1本、腰の上は2本、脇の下は5本、尻尾の付け根は6本でした。床に落ちた毛の量を見ていたころは、その日の換毛期のケアが足りたのか足りなかったのかが分かりませんでした。指を入れて数えると、足りていない箇所だけが3つ残りました。換毛期のケア手順で毎日やる範囲を決めるのは、この残った箇所の数です。3か所が残る週は3か所が範囲で、1か所に戻った週は範囲も1か所に戻します。
3分のあとに指で数えると3か所残る|換毛期のケアが始まったサインを手順の前に見る
換毛期のケアが始まったサインを、床に落ちた毛の量で見ていると、毎日やる範囲が決まりません。量は増えたとしか分からず、増えたぶんをどこに手を入れて受け止めるのかが出てこないからです。そこで、毎日の3分のブラッシングを終えたあとに、こちらの指を使って数えます。親指と人さし指で被毛を挟み、毛の流れに沿って2回しごく。指のあいだに残った毛を数えて、紙に書きます。
数える場所は4か所に固定します。背中の真ん中、腰の上、脇の下、尻尾の付け根。2回しごいて0本か1本なら、その箇所はその日のケアで済んでいます。3本以上なら、済んでいない箇所です。2本のときは、翌日もう一度数えてから決めます。この数え方だと、換毛期のサインは「量が増えた」ではなく「済んでいない箇所が2つに増えた」という形で出てきます。
| 数える場所 | 2回しごいて抜けた本数 | その日の扱い | 毎日の3分で手が入っていたか |
|---|---|---|---|
| 背中の真ん中 | 1本 | 済んだ箇所 | 入っていた |
| 腰の上 | 2本 | 翌日もう一度数える | 最後に少しだけ |
| 脇の下 | 5本 | 残った箇所 | 入っていない |
| 尻尾の付け根 | 6本 | 残った箇所 | 入っていない |
この4行が、その週の換毛期のケア手順の範囲になります。背中はもう毎日の3分で足りていて、脇の下と尻尾の付け根は足りていない。腰の上は境目にいます。範囲を決めるのに、犬種も年齢も下毛の量も要りません。要るのは、指で2回しごいた本数だけです。毛の長い子でも短い子でも、同じ数え方で同じ紙に並びます。
指を入れる前に、被毛が乾いて浮いていると本数が読めません。静電気で毛が立っている状態では、指のあいだに毛が入る前にすべって逃げるからです。数える直前に、手のひらへ mofuwa グルーミングスプレーを出してから被毛になじませると、毛が寝た状態で指が入ります。うるおいのある状態で数えるほうが、翌週の同じ箇所と比べたときに数字がそろいます。
紙には、日付と4か所の本数だけを書きます。1日4つの数字です。換毛期のケアで紙が続かなくなるのは、書くことを増やしたときです。ブラシの種類、かけた分数、抜けた毛の色、天気。どれも書けますが、書くほど翌週に比べるものが増えて、比べない紙になります。4つの数字なら、1週間ぶんが手のひらに収まります。
残った3か所を4つの条件で分ける|換毛期のケアのチェックは範囲から始まる
残った箇所が3か所と分かっても、3か所に同じ手を入れるわけにはいきません。残った理由が違うからです。指で数えたときに、指の側で起きていたことを思い出すと、理由は4つに分かれます。毛が浮いて指が入らなかったのか、体勢で床についていたのか、片手で押さえていて手が1本しかなかったのか、毛先で指が止まって根元まで入らなかったのか。
| 条件 | 指の側で起きていたこと | 確かめ方 | この条件のときの手 |
|---|---|---|---|
| 毛が浮いている | 挟む前に毛がすべって逃げる | 手の甲を近づけると毛が寄ってくる | 含ませてから、毛を寝かせて梳かす |
| 体勢で床についている | その箇所に指が回り込めない | 反対を向いた日だけ本数が減る | 体勢を変える枠を別の時間に置く |
| 手が1本しかない | 押さえている手を離すと動く | 同居の人がいる日だけ本数が減る | 片手で届く範囲に、その日は絞る |
| 毛先で止まっている | 指が根元まで入らず途中で止まる | 毛先だけがふわりと動く | 毛先をほどいてから、翌日に根元へ |
4つのうち、どれに当たるかは箇所ごとに違います。同じ日の同じ子でも、脇の下は体勢の条件で、尻尾の付け根は毛先の条件、ということが起きます。換毛期のケアのチェックは、箇所と条件の組み合わせで1行になります。「脇の下・体勢」「尻尾の付け根・毛先」と書いておくと、翌日はその条件に合った手から入れます。
条件は週のなかでも入れ替わります。雨で室内の湿度が上がった日は、毛が浮く条件が消えて、毛先で止まる条件が出てきます。暖房を入れた朝は逆です。静電気で毛が立ち、指が入る前にすべります。だから同じ箇所に同じ手を4週間続ける組み方にはしません。数字を読んで、条件のほうを毎日選び直します。
ここで決めつけないことが1つあります。本数が多いのは、その箇所の皮膚が弱っているからだ、とは読みません。指で数えているのは抜ける途中の毛の本数で、被毛の入れ替わりが進んでいる箇所ほど多く出ます。換毛期のケア手順が見ているのは、手が届いたかどうかの側です。皮膚の側の変化は、本数ではなく地肌の色と熱で見ます。この2つを混ぜると、両方が読めなくなります。
条件ごとに手が変わる|換毛期のケアの手順を、毎日やる範囲で決める
手順は条件の数だけあります。毎日やる範囲は、その日に残った箇所の数と、その箇所についた条件で決まります。4つの条件に対する手を並べておくと、紙を見てからその日の3分の中身が決まります。
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毛が浮いている条件|含ませてから、毛を寝かせて梳かす
先にブラシを入れると、静電気で浮いた毛が歯に絡み、根元の毛を一瞬引っぱります。手のひらに mofuwa グルーミングスプレーを出して両手でなじませ、浮いた箇所を上から押さえるように手を当ててから、毛の流れに沿ってブラッシングへ移ります。毛が寝ているあいだは歯が根元まで入るので、同じ回数でも抜ける毛が先に出ます。
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体勢で床についている条件|その箇所が上に来る枠を別に置く
脇の下や腹側は、伏せている姿勢のままでは手が回り込めません。無理に回り込むと、その子が立ち上がってその日の3分が終わります。反対を向いて横になった時間に、その箇所だけを30秒。毎日の3分とは別の枠にして、時刻もずらします。1日に2回あっても構いません。
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手が1本しかない条件|押さえる手をやめて、範囲を狭くする
動く子を押さえながら梳かすと、押さえている側の手が届く範囲しか進みません。押さえるのをやめて、その日の範囲を1か所に減らします。減らした箇所は翌日に回します。同居の人がいる日は、押さえるのではなく、その人の膝に前半身をのせてもらうと、尻尾の付け根に両手が使えます。
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毛先で止まっている条件|毛先をほどいて、根元は翌日へ送る
毛先が絡んでいる箇所は、根元まで指が入りません。この箇所で根元から梳かそうとすると、絡んだところが締まる向きに力がかかります。毛先の側から少しずつほどいて、その日はそこで終わりにします。根元の本数を数えるのは翌日です。毛先と根元を同じ日に済ませないのが、この条件の手順です。
4つの手に共通しているのは、ブラシより先に手のひらが入ることです。犬も猫も体から脂を出すので、換毛期でなくても毎日汚れます。毎日シャンプーへ連れて行くわけにもいかず、サロンへ毎日通うこともできません。その毎日を埋めるためにある1本なので、換毛期のケアでも特別なことをしません。量を気にせず手のひらへ出せるのは、口に入ることを先に置いて設計された中身だからです。
mofuwa グルーミングスプレーはアルカリ側の電解水で、香りを足していません。被毛に残った余分な皮脂と油が乳化して落ちるので、梳かしたあとの歯に残るものが、脂で固まった毛のかたまりではなく、ばらけた毛になります。換毛期は歯が埋まるのが早いので、ばらけているほうが外す手も速く済みます。うるおいの側から見ると、毛が寝ているあいだは根元まで指が入るので、次の日の本数がそろいます。
猫では、数える前の音が1つ増えます。ノズルを押した音でその子が離れると、その日の4か所が2か所しか数えられません。猫用の mofuwa グルーミングウォーターは、音を嫌がるという声を受けて、容器のほうを霧の出ない形に替えた1本です。押しても音が鳴らないので、数える前に離れられません。
尻尾の付け根に「毛先で止まっている」と「手が1本しかない」が同時についたときは、先に外すのは手の数のほうです。毛先をほどく手は片手では進まないので、手の条件が残っているあいだは毛先の条件が動きません。逆の順番で入ると、ほどきかけた毛先を押さえる手で崩すことになります。条件が2つ重なった箇所は、紙に2行書いて、外した順番も書いておきます。
同じ箇所が2週そろったとき|換毛期のケアで受診の日を先に決めておく
条件を4つ試しても本数が下がらない箇所が、2週続けて同じ場所に出るときがあります。換毛期のケア手順は、そこで手を増やす側へ進みません。紙に並んだ数字のほうを見ます。範囲の話で説明がつく箇所は、条件を変えた翌日に本数が動きます。動かない箇所は、手が届いていないのではなく、その箇所の側で別のことが起きています。
- 同じ箇所が2週そろって5本以上:4つの条件を全部試して、どの条件の日も本数が変わらない。範囲を狭くしても、時刻を変えても動かない
- 抜ける毛の形が変わっている:根元の側が細くなっている毛、途中で切れている毛、まとまって抜ける毛が混ざる
- 地肌の側に変化がある:被毛をかき分けると赤く見える、さわると熱い、指のあとがしばらく残る、地肌が見える面積が広がっている
- その箇所だけをなめ続けている:数えた30分後に、同じ箇所をなめている。翌朝その箇所の毛が濡れている
- 手が近づく前に体が動く:数える前から、その箇所をかばう向きに体をひねる
こうした並び方をしているときは、動物病院で地肌のほうを見てもらう日をつくってください。持っていくのは紙1枚です。4か所の本数が日付順に並んでいれば、どの箇所が、いつから、何本で止まっているのかが、そのまま伝わります。受診の日を先に決めておくと、そこまでの毎日の範囲を狭くしておけます。範囲を広げたまま待つと、数字が動いた理由が手のほうか体のほうか分からなくなります。
受診の日までのあいだも、毎日の3分は止めません。止めると紙が空きます。範囲は背中の真ん中だけに絞って、残った箇所は数えるだけにしておきます。数えるのは手を入れることとは別なので、範囲を狭めても紙は続きます。獣医師に見てもらったあとに、どの箇所から範囲を戻すかを決めればよいので、待っているあいだに手を増やす必要はありません。
地肌に傷が見える箇所、じくじくしている箇所、さわると声が出る箇所では、本数を数えません。指で2回しごくのは毛を引くことなので、その箇所ではやりません。紙にはその箇所の行だけ横線を引いて、いつから線になったのかを残します。線が引かれた日付が、換毛期のケアの話から外れた日です。炎症や出血がある場合は使用せず、獣医師にご相談ください。
抜ける本数が下がった週に範囲を戻す|換毛期のケアが続く日数を紙で数える
換毛期のケアで見落とされるのは、範囲を広げたあとに戻すほうです。3か所で回していた範囲は、本数が下がっても3か所のまま続きます。手が足りなくなり、時間が足りなくなり、やがて毎日が飛びます。範囲を戻す合図も、広げたときと同じ本数で決めます。2回しごいて1本以下が3日続いた箇所は、その週の範囲から外します。
| 紙に出ている数字 | 範囲の扱い | 翌日やること |
|---|---|---|
| 3本以上が2日続いた | その箇所を範囲に足す | 条件を1つ選んで手を入れる |
| 2本が続いている | 範囲は変えない | 数えるだけにして、条件は動かさない |
| 1本以下が3日続いた | その箇所を範囲から外す | 数えるのは続け、手は入れない |
| 4か所とも1本以下 | 毎日の3分を背中だけに戻す | 週に1回だけ4か所を数える |
この表のとおりに回すと、換毛期のケア手順が続く日数が紙の上に出てきます。3か所以上が並んでいた日を数えれば、その子の換毛期がどれだけ続いたかが分かります。翌年の同じ時期に、同じ紙を出せば、始まりの週がずれているかどうかも見えます。年2回と言われる時期の話ではなく、その子の紙に何日並んだかの話になります。
範囲を戻したあとも、4か所を数えるのはやめません。週に1回でかまいません。数える習慣だけ残っていれば、次の換毛期が始まった週に、本数のほうが先に教えてくれます。ブラッシングの回数を先に増やす必要はありません。増やすのは、3本以上が2日続いた箇所が出てからです。
今日は、3分のあとに4か所を1回だけ数えて、紙に4つの数字を書いて終わりにしてかまいません。範囲はその数字が決めます。来週のその子に効いてくるのは、梳かした回数よりも、数字が並んだ日数のほうです。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 2回しごいて抜ける本数は、毎日同じ時刻に数えたほうがいいですか。
- 同じ時刻のほうが数字がそろいます。ブラッシングの直後と、その3時間後では本数が変わるからです。毎日の3分を終えた直後に、その場で数えるのがいちばん続きます。時刻を変えるなら、変えた日に紙の余白へ印をつけてください。印のない日だけを並べれば、比べられる数字が残ります。数え忘れた日は空欄のままにして、前日の数字を書き写さないでください。
- 指で数えると、かえって毛が抜けてしまう気がします。
- 2回で止めるなら、抜けるのは抜ける途中の毛です。3回、4回と増やすと、まだ抜けない毛まで引くことになり、数字も翌日と比べられなくなります。回数を固定するのは、その子のためでもあり、紙のためでもあります。毛を挟む強さは、指のあいだをすべらせて抜けるくらいにします。引っぱって抜く強さでは、本数が手の力の記録になってしまいます。
- 換毛期に、ブラシの種類を換えたほうがいいですか。
- 紙の数字が動かない週に、道具を換える前に条件を見てください。4つの条件のうち、毛が浮いている条件と毛先で止まっている条件は、道具ではなく順番の問題です。含ませてから梳かす、毛先からほどく。この2つを試して本数が動かなければ、道具を換える意味が出てきます。換えた日は紙にその行を書いて、換える前の3日と比べてください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
