C14トリマー/獣医師視点
部分洗いという選択肢
犬のお尻まわりだけを洗って乾かしたあと、洗った範囲の外側に沿って、細い線が1本出ることがあります。毛の向きが変わって、光の返り方だけが違う線です。部分洗いの出来は、この境目に出ます。現場が見ているのは、洗った面の中心よりも、その外側2センチのほうです。線が残るか消えるかで、次の回に変えるところが決まります。
乾かしたあとに、洗った面の外側へ線が1本出る|部分洗いの経験が最初に残るところ
犬のお尻まわりだけを洗った日の話です。汚れていたのはその場所だけで、洗っているあいだは何の問題もありませんでした。乾かし終えて全体を見たとき、洗った範囲のふちに沿って、細い線が出ていました。汚れではありません。毛の向きがそこだけ変わって、光の返り方が違うだけの線です。触ると、内側はふわりと軽く、線の外側は前のままです。部分洗いをして最初に手元に残るのは、きれいになった中心ではなく、この1本の線でした。
現場で部分洗いの出来を見るとき、先に目が行くのも同じ場所です。洗った面の中心は、誰が洗っても変わります。泡がいちばん長く乗り、すすぎの湯が最初に当たり、乾かす風も先に届く場所だからです。難しいのは、そこから外へ向かう2センチです。泡が薄く伸びて止まり、湯が最後に通り、風が斜めに抜けていく帯が、乾いてから線になって出ます。
線には3つの出方があります。白く粉が浮いたように見える線、毛が硬く立ち上がる線、内側だけがぺたりと寝る線。どれも乾かしたあとに出るので、洗っている最中には分かりません。だから部分洗いをした日は、乾いてから1分だけ全体を見る時間をとります。その1分が、次の回に変える場所を決めます。犬は毛の流れが体の線に沿ってはっきり出るので、線が見えやすい側です。
全身を1回で洗う日が取れなくなっていく数か月|犬の部分洗いが現場で増えた背景
部分洗いが選ばれるようになった背景は、はじめから部分だけを洗いたかったわけではないところにあります。全身を1回で洗うのに90分かかる子が、その90分を立っていられなくなる。月に1回だった全身が、2か月に1回になり、3か月に1回になる。トリミングの予約は取れても、当日の体調で全身を見送る日が出てきます。そのあいだも汚れは進みますが、体のどこにでも均等につくわけではありません。
- 足先:地面にいちばん近く、散歩のたびに汚れが入ります。乾くのも遅い場所です
- お尻まわり:排泄の姿勢が変わると、汚れがつく位置も動きます
- 口のまわり:食べたものと水が毎日つきます。犬は自分でなめて広げます
- 内股:こすれて、風が通りません。見ようとしないと見えない場所です
汚れが4か所に偏るなら、洗う範囲も4か所に寄せられます。部分洗いは、全身洗いを小さくした縮小版というより、この偏りに対していちばん素直な形です。現場で増えたのは、手を抜く方向へ寄ったからではありません。90分を1回置くより、10分を週に2回置くほうが、汚れの偏った場所に手が入るからです。トリミングの前後にこの10分が入っていると、当日の全身洗いも短く終わります。
飼い主への説明でつまずくのは、ここから先です。部分洗いという言葉は、簡略版だと受け取られやすいところがあります。だから説明の順番を変えます。先に汚れが偏っている4か所を一緒に見て、そのあとで洗う範囲を決める。範囲を決める話として並べると、犬の部分洗いは省略ではなく、場所を選ぶ判断になります。飼い主への説明が短く済むと、家でも同じ範囲で続きます。
境目に線が残るのは、落としすぎか、すすぎの終わりが遅いか|犬の部分洗いで線が出る理由
線が出る理由は2つに分かれます。1つは落としすぎです。洗浄成分が多いものを部分に使うと、狭い範囲に濃く乗ります。汚れだけでなく必要なものまで落ちた場所は、乾いたときに毛が硬く立ち上がります。もう1つは、すすぎの終わりが遅いことです。境目は湯が最後に通る帯なので、洗浄成分がそこへ寄せ集められます。すすぎを中心から始めて外へ流していると、外側に集めたまま終わります。
| 線の見え方 | 前の工程で起きたこと | 次の回で変えること |
|---|---|---|
| 毛が硬く立ち上がる線 | 狭い範囲に洗浄成分が濃く乗った | 泡を境目の内側で止めて、外へ伸ばさない |
| 白く粉が浮いたような線 | すすぎが境目で終わっていない | すすぎを境目の外側から始める |
| 内側だけがぺたりと寝る線 | 乾かす風が境目で折り返している | 乾かす順番を境目から中心へ変える |
| 3回洗っても同じ位置に出る線 | 洗う範囲の切り方がその子に合っていない | 範囲を2センチ広げて、境目の位置を動かす |
つまり部分洗いで差が出るのは、落とす力の強さよりも、少ない洗浄成分で足りるかどうかと、すすぎが早く終わるかどうかです。範囲が狭いほど、この2つがそのまま線として表に出ます。全身を洗うときは全体が同じ条件になるので、境目という帯そのものができません。部分洗いだけが持っている条件だと考えると、道具の選び方も変わります。
mofuwa モイストシャンプーは、アミノ酸系の洗浄成分だけを、しかも少ない量で使う設計になっています。量を減らしても泡が立つ理由は、原料の水の側にあります。精製水で薄めていない電解水そのものに洗浄する力があるので、泡立ちを水に支えてもらえます。洗浄成分が少ないぶん落としすぎにならず、洗い上がりがごわつかないので、トリートメントで戻す工程が要りません。部分洗いでは、この工程が1つ減ることが大きく働きます。浴室にいる時間が短くなり、泡切れも早いので、境目に洗浄成分が残りにくくなります。香りをつけていないのは、ペットが自分のにおいを好むからです。
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洗う範囲を、先に指で決める
境目をどこに置くかを決めてから濡らします。決めずに始めると、範囲が広がって境目が2本になります。
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泡は境目の内側で止める
外へ伸ばさずに、内側だけで動かします。伸ばした先が、乾いたあとの線になります。
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すすぎは境目の外側から始める
外から内へ流すと、洗浄成分が境目に残りません。中心から始めると外へ集まります。
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タオルは押さえるだけにする
境目を擦ると毛の向きが乱れて、線が出やすくなります。
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乾かすのは境目から、中心へ
境目が最後に残ると、そこだけ半乾きになります。順番を逆にするだけで線が減ります。
実際にお使いいただいている獣医師の近藤先生から、モイストシャンプーについてこうご感想をいただいています。
「ご自宅での定期的なシャンプーは、動物たちの皮膚や被毛の状態を健康に保つためにはとても良いことだと思います。ただ、使用するシャンプーややり方を間違えると逆に皮膚トラブルの原因になることもあります。その点このmofuwaモイストシャンプーは、アミノ酸系の洗浄成分で皮膚に優しく保湿成分もしっかり含まれていて泡立ち泡切れも良いため皮膚の弱い子にも安心して使用できる商品です。」
線ではなく面で赤みが出ている/洗っていない範囲にも同じものが出ている/同じ場所をなめる回数が前の週より増えている/毛が抜けて地肌が見えている。この4つのどれかが出ているときは、洗い方を組み替える前に、動物病院で地肌を見てもらってください。線が出た位置と、洗った範囲をどう切ったかを書いて持っていくと、その場で決まることが増えます。トリミングのサロンでも、この状態では洗う前に確認が入ります。
3回目に線が消えて、範囲の切り方が決まる|犬の部分洗いで変化が出る場所
1回目に分かるのは所要時間だけです。10分で終わったか、15分かかったか。2回目に分かるのは、線の長さです。前の回より短くなっていれば、すすぎの順番が合っています。3回目に線が消えたら、その範囲の切り方はその子に合っています。犬の部分洗いの変化は、毛の見た目より先に、この線の長さのほうに出ます。だから記録するのは、洗った範囲と、線が出た位置の2つで足ります。
3回続けても同じ位置に線が出るときは、範囲の切り方を動かします。境目を2センチ外へ広げると、線が出る帯が毛の流れの向きと重なって、目立たなくなることがあります。体の線に沿って毛が流れている犬では、境目を毛の流れと直角に置くと線が残ります。切り方を変えるだけで消える線を、洗い方の問題として追いかけても、同じところに戻ります。
猫の場合は、線という形では出ません。洗ったあとに自分で毛づくろいをして、境目をならしてしまうからです。そのかわり、同じ場所をなめる回数が増える形で表に出ます。1日に何回なめたかを2日ぶん数えると、範囲の切り方が合っていたかどうかが分かります。猫では洗う範囲を1回に1か所だけに決めておくと、押さえている時間が2分か3分で終わります。
部分洗いという選択肢は、洗う量を減らす話ではなく、どこを洗うかを決める話でした。範囲と線の位置を2行だけ書いて、毎日の並びに置いたまま続けます。
近藤 竜太 先生/白金高輪動物病院 院長・獣医師(麻布大学卒/比較眼科学会所属)
東京都港区白金1-2-2 白金ザ・スカイ西棟1階
※実際にお使いいただいている獣医師のご感想で、本記事の監修を受けたものではありません。
Product
mofuwa モイストシャンプー
300ml / 3,410円(税込)
アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。
商品ページを見る掲載しているご感想は個人の感想であり、効果を保証するものではありません。本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。気になる変化が続く場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
