C01ブランド/開発ストーリー
「100円くらいかな」と言われたところから
学生のころ、電解水を詰めた容器を渡した相手から、値段の見立てが返ってきたことがあります。「水道水と何が違うの? 買いたいんだけど100円くらいかな?」。肌の荒れが落ち着いたと言ってくれた人はいたのに、値段のほうは水道水を基準に見積もられました。この記事では、そこから安いほうへ動かさなかった理由と、値段の中身をどこに置いたのかを書きます。
返ってきた値段は100円だった|電解水を渡した学生時代の経験
学生のころ、父が研究していた電解水を小さな容器に詰めて、周りの人へ渡していた時期があります。慢性的な敏感肌に悩んでいた自分が最初の使用者で、腕に塗ってみて手ざわりが変わったところから話が始まりました。渡した相手も同じように試してくれました。
返ってきた言葉のなかでいちばん残ったのが、100円という値段の見立てでした。肌の荒れが落ち着いたと言ってくれた人はいましたが、技術のほうに値段をつけてくれた人は一人もいませんでした。感想と値段は、別の場所から出てくる言葉だと分かった時期です。
渡し方を変えれば伝わるのか、それとも説明の順番のほうが違うのか。しばらくは前者だと考えていました。容器を替え、使う場面を指定し、説明を短くしたり長くしたりしても、返ってくる値段の見立ては動きませんでした。
値段の見立ては、中身ではなく見た目から出てきます。透明で、においがなく、成分の表示は水だけ。同じに見えるものには、すでに知っている値段が当てられます。その基準になったのが水道水でした。
この見立て自体は、理にかなっています。透明な液体に高い値段が付くとしたら、根拠は液体の外側にあるはずです。当時こちらが持っていたのは、水と、使った人の感想だけでした。試験の条件も、検査機関の名前も、特許の番号も、渡すときに一緒に出せるものが何もありません。値段が水道水の側に寄ったのは、見た目の問題というより、材料が足りていなかったからでした。
水道水の値段で見積もられる背景
日本では水道水が飲める水として管理されていて、値段の感覚を誰でも持っています。蛇口をひねれば出てくるものと見分けがつかない液体を差し出されたとき、比べる先がそこになるのは自然なことです。値段は、説明を聞く前に決まってしまいます。
電解水は、蛇口から出てきません。3室に分かれた電解槽を通し、目的に合わせて選んだ電解質を使って取り出します。特許5253483の構造です。中間室をはさんでいるので電解質由来の不純物が残らず、その結果として成分の表示が短くなります。工程が増えるほど、見た目は水道水に近づいていきました。
値段を下げる手は、実際には残っていました。水で薄めれば原価は下がります。ただし薄めた時点で落ちるのは電解効率の側で、油と乳化する力もそこで弱まります。mofuwa の原料には、精製水で薄めていない電解水を使っています。値段の下げ方として使えない手が、先に一つ消えていました。
だから値段の話は、いつも「水の値段」という枠のなかで始まります。こちらが説明を始める前に、枠のほうが先に置かれている状態です。学生時代の100円は、その枠のいちばん素直な答えでした。
値段を安いほうへ動かさなかった理由
道は二つありました。水道水に近い値段まで下げて数を出すか、確かめられる事実を積んでから世に出すか。選んだのは後者です。エビデンスが揃うまで事業化しないと決め、父と少なくとも10年を見込みました。父が確かめる側、片山貴嗣(COO)が経営の側を用意する役に分かれています。
- 3室ダブルイン型の電解槽を通して取り出す工程(特許5253483)
- 目的ごとに電解質を選び分け、水の役目を決める設計
- 電解効率をほぼ100%に保つための、2方向からの水の流し方
- 第三者の検査機関に出す試験(生菌・浸透・規格基準)
- 20を超える大学や研究機関との研究
並べてみると、値段の差は水そのものよりも、取り出し方と確かめ方の側にあります。水道水との違いを見た目で示せないぶん、この5つを書けるようにしておくしかありませんでした。確かめる先を自社の試験だけにしなかったのも同じ理由です。2003年から続いているアレルギー専門の小児科医院での使用記録のように、外に残っている記録のほうが、値段の説明には使えます。
事業を始めたのは、研究が始まってから15年後の2019年です。そのあいだ、片山貴嗣は会社勤めを続けながら毎月の給料の半分を研究に回していました。値段を下げる交渉ではなく、確かめる時間のほうに費用を置いた期間です。
いま手元にあるのは、清涼飲料水の規格基準に照らして調べた成績、精製水と比べて約35倍という浸透の自社試験値、そして菌の種類ごとに30秒・60秒・15秒と時間を分けて調べた試験の記録です。生菌はいずれの条件でも検出されていません。検査機関は江東微生物研究所ほか4か所です。学生時代に一つも渡せなかった材料が、いまは値段の説明の側に立っています。
何と比べるかで、値段の見え方が変わるという考え方
水道水と並べれば、電解水は高いままです。そこは動きません。動くのは、比べる先を毎日のケアの側に移したときです。
脂は犬でも猫でも、毎日体から上がってきます。昨日ととのえても、今日また汚れます。散歩に出れば外の砂やほこりも乗ります。それでも、シャンプーを毎日繰り返すわけにはいきませんし、トリミングサロンへ毎日連れて行くことも難しいはずです。mofuwa グルーミングスプレーは、この間に落ちる毎日のほうに合わせて形が決まっています。
| 手段 | 毎日に入るかどうか |
|---|---|
| サロンでのトリミング | 毎日は通えません。仕上がりは長く持ちます |
| 家でのシャンプー | 手間と乾かす時間がかかり、毎日は続きません |
| 吹くだけのケア | 散歩帰りとブラッシング前に、その日のうちに入ります |
グルーミングスプレーは中身が水だけなので、量の加減を数えずに使えます。足だけ、背中だけ、と部分で切らずに全身へ吹いても構いません。1回ぶんを節約しなくていいことが、そのまま使える回数に変わります。お風呂そのものが負担になってきたシニアや猫では、湯に入れずにととのえる日をつくれます。
100円という見立ては、間違いではありませんでした。透明な水を見て値段を当てるなら、そうなります。あのとき足りなかったのは値段の説明ではなく、確かめた条件のほうでした。いまは、その条件を先に渡せます。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見る本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
