C05犬種・猫種別ケア
ミヌエットと暮らすなら知っておきたい、毛玉の話
ミヌエットの毛玉は、長毛タイプの子で脇・耳のうしろ・後ろ脚の裏側などにできやすく、いちばんの手立ては地肌までコームを通す毎日の手入れです。小さなもつれなら、毛玉予防ジェルをなじませてゆるめてから、少しずつほぐせます。一方で、皮膚に張りつくほど固まった毛玉は、引っ張ったりハサミを入れたりせず、トリマーか動物病院に任せるものです。ミヌエットには短毛と長毛があり、脚の長さにも違いがあるので、すべての子が同じだけ絡みやすいわけではありません。この記事では、毛玉の見分け方、被毛のタイプによる違い、長毛の続け方、ジェルでできること、専門家に任せる毛玉の順に書きます。
ミヌエットの毛玉の見分け方|表面ではなく根元にコームが通るか
毛玉が皮膚にぴったり張りついている、地肌が赤い・傷がある、触ると痛がるというときは、家でほどこうとせず、トリマーか動物病院に任せてください。ここから先の手順は、まだ皮膚から浮いている小さなもつれを前提にしています。
ミヌエットの毛玉かどうかは、見た目ではなく根元で決まります。長毛の被毛は表面の流れがそろいやすく、根元が絡み始めていても外からは整って見えることがあります。目の細かいコームを毛の流れに沿って入れ、地肌の近くまで引っかからずに通れば、そこはまだ絡んでいません。途中で止まる、毛が細い束になって寄っている、指でつまむと弾力のある塊になっている、というときがもつれの始まりです。
毛玉の段階は、おおまかに3つに分けて考えると判断しやすくなります。毛先どうしが軽く絡んだ段階、根元の側まで束になった段階、そして毛がフェルトのように固まって皮膚に張りついた段階です。家で手を入れてよいのは前の2つまでで、3つ目は道具や商品で無理にほどくものではありません。
| 触ったときの様子 | 毛玉の段階 | 家でしてよいこと |
|---|---|---|
| コームが地肌近くまで通る | 絡んでいない | 毎日のコーミングを続ける |
| 毛先で引っかかるが、根元は動く | 毛先の軽いもつれ | 毛先側から少しずつほぐす |
| 根元まで束になっているが、皮膚から浮いている | 根元のもつれ | ジェルでゆるめてから、指で少しずつ分ける |
| 固まって皮膚に張りつき、すき間がない | 皮膚に密着した毛玉 | 触らずにトリマーか動物病院へ |
| まとめると | 皮膚から浮いているかどうかが分かれ目 | 浮いていなければ家で進めない |
毛玉ができやすい場所として、VCA Animal Hospitals は長毛の猫について耳のまわり、脇、後ろ脚の裏側を挙げています(VCA:Grooming and Coat Care for Your Cat)。こすれやすく、自分の毛づくろいが届きにくい場所です。ミヌエットでも、まずこの3か所と、首まわりの豊かな毛、胸の下、しっぽの付け根を確かめると見落としが減ります。
- 脇(前脚の付け根の内側):前脚の動きで毛どうしがこすれやすい場所です
- 耳のうしろ:毛が細くやわらかく、表面からは絡みが見えにくい場所です
- 後ろ脚の裏側(ズボンのように長い毛):座るたびに押され、汚れもつきやすい場所です
- 首まわり・胸の下:長毛の子では毛の量が多く、根元まで通しにくい場所です
- しっぽの付け根:体をひねらないと舌が届きにくい場所です
短毛と長毛、脚の長さもさまざま|ミヌエットの被毛は個体で違う
ミヌエットの被毛は1種類ではなく、短毛と長毛の2つのタイプがあります。国際的な猫の登録団体 TICA は、ミヌエット(短毛)とミヌエット ロングヘアを別の品種名で扱っており、品種標準では短毛は密でふっくらした二重被毛、長毛はやわらかく絹のような被毛で、首まわり・後ろ脚・しっぽの毛がより長いと説明しています(TICA:Minuet Breed Group Standard)。
脚の長さも全員が同じではありません。同じ標準の中に、短い脚のミヌエットと、脚が通常の長さの「ミヌエット トール」が並んでいて、脚の長さ以外は同じ品種として扱われています(TICA:Minuet/Minuet Longhair)。「ミヌエットだから短い脚で長毛」とは限らないので、手入れの量はその子の被毛のタイプで決めます。
毛玉のできやすさを分けるのは、主に毛の長さとやわらかさ、そして下毛の量です。長毛のミヌエットは首まわり・後ろ脚・しっぽに下毛を含んだ長い毛があり、そこがこすれて絡みやすくなります。短毛のミヌエットは長毛ほど絡みやすくはありませんが、密な二重被毛なので、抜けた毛が残ると根元にたまることがあります。どちらのタイプも、被毛は季節や住む地域の気候によって変わると標準に書かれています。
| 短毛のミヌエット | 長毛のミヌエット(ロングヘア) | |
|---|---|---|
| 被毛の特徴(TICA標準) | やや長めの短毛。密で、体から立ち上がる二重被毛 | セミロング〜ロング。やわらかく絹のよう。首まわり・後ろ脚・しっぽが長い |
| 毛玉の出やすさ | 長毛より出にくい。抜け毛が根元にたまることはある | 脇・耳のうしろ・後ろ脚の裏側に出やすい |
| 手入れの中心 | 抜け毛を取るブラッシング | 地肌まで通すコーミングを毎日 |
| 気をつける時期 | 被毛が入れ替わる季節 | 被毛が入れ替わる季節と、空気が乾く時期 |
| まとめると | 抜け毛をためない手入れで足りることが多い | 毎日のコームを前提に考える |
長毛のミヌエットは毎日コームを通す|続けるための手入れの順番
長毛のミヌエットの毛玉を減らす手入れは、毎日のコーミングが中心です。TICA は品種紹介で、絹のような毛に毎日さっとコームを通せば、もつれずに保てると書いています(TICA:Minuet Longhair)。VCA も、長く絹のような被毛の猫には、もつれや毛玉を防ぐために毎日のブラッシングが必要だとしています。長い時間をかけるより、毎日同じ順番で短く続けるほうが、根元のもつれを小さいうちに見つけられます。
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粗めのブラシで、表面の抜け毛を先に取る
いきなり目の細かいコームを入れると、表面の抜け毛がからんで止まりやすくなります。先に大まかに抜け毛を取っておくと、根元へ入れるときの引っかかりが減ります。
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毛を小さく分けて、根元からコームを通す
片手で毛を少しだけ持ち上げ、地肌に近いところからコームを入れて毛先へ抜きます。表面だけをなでても、ミヌエットの長毛では根元のもつれは残ります。
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脇・耳のうしろ・後ろ脚の裏側を最後にもう一度
できやすい場所は、全身を通したあとにもう一度だけ確かめます。脇は前脚を軽く前へ出して、毛の流れが見える状態にしてからコームを入れます。
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引っかかったら、そこで止めて毛先から
引っかかった場所でコームを引き続けると、毛と一緒に皮膚が引っ張られます。VCA も、もつれを強く引っ張らないよう注意を促しています。毛先側から少しずつほぐし、根元に近づくのは最後にします。
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嫌がったら切り上げる
体をよじる、声を出す、前脚を引くといった様子があれば、その日はそこまでにします。短い時間で終えるほうが、翌日も触らせてもらえます。
季節の変わり目は、手入れの量を見直す時期です。被毛が入れ替わる時期は抜けた毛が根元に残りやすく、空気が乾く時期は毛どうしの滑りが悪くなって静電気で毛先が立ちます。毛玉が急に増えたと感じたら、コームを通す回数よりも、根元まで届いているかを先に確かめてください。
年齢を重ねると、猫は自分で毛づくろいをする量が減ることがあります。Cornell Feline Health Center は、高齢の長毛の猫が不快なほど毛玉だらけになることがあるとして、やさしいブラッシングやコーミングで手を貸すことをすすめています。同時に、毛づくろいを急にしなくなったときは、体調の変化のサインのことがあるとも書いています(Cornell:Loving Care for Older Cats)。毛玉の増え方だけでなく、毛づくろいの様子の変化もあわせて見ておきます。
毛玉予防ジェルでできること|ミヌエットの長毛をはさみから遠ざける
mofuwa 毛玉予防ジェルは、からまって毛玉になったときに「はさみで切るしかない」という状態を減らすためにつくったジェルです。役目は2つあります。ふだんから毛に塗って、毛玉ができにくい状態を保つこと。そして、できてしまった小さなもつれにもみこんで、ほぐしやすくすることです。長毛のミヌエットのように、毎日のコームで追いかける被毛にこそ向いています。
ふだんの使い方は、手のひらにとって全身になじませ、ブラッシングで広げる形で、目安は2〜3日に1回です。トリートメント成分が被毛の1本1本をコーティングするので、毛どうしが絡まりにくく、コームも根元まで通りやすい状態が続きます。静電気で毛先が立ちやすい乾いた季節にも、被毛をまとめる役に立ちます。ミヌエットなら、首まわりと脇、後ろ脚の裏側に先に塗っておくと、毎日のコーミングで引っかかる場所が減っていきます。
もつれを見つけたときは、皮膚から浮いていることを確かめてから、ほぐしたい部分に毛玉予防ジェルを直接なじませ、もつれがしっとり濡れるくらいにします。そのうえで毛先側から指で少しずつ分け、ほどけたところからコームを通します。ジェルだけでは束がゆるまないときは、上からmofuwa グルーミングスプレーを重ねてもみこむと、毛どうしの滑りが増して指が入りやすくなります。どちらも舐めても問題のない基準でつくられているので、毛づくろいをするミヌエットにも使いやすい組み合わせです。
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もつれが皮膚から浮いているかを確かめる
指先で根元を探り、皮膚との間にすき間があるときだけ進めます。張りついているときは、ジェルは使わずに次の節へ進んでください。
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もつれに毛玉予防ジェルをなじませる
しっとり濡れるくらいまでもみこみ、毛の束の中までジェルを行き渡らせます。
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毛先側から指で少しずつ分ける
1回で全部ほどこうとせず、ゆるんだ外側から分けていきます。
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ゆるまなければグルーミングスプレーを足す
スプレーを足してもう一度もみこみ、滑りを足してから分けます。
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ほどけた部分からコームを通して終える
嫌がったら途中でも切り上げ、残りは翌日に回します。
毛玉予防ジェルは、もつれた毛の滑りをよくして、指やコームでほぐしやすくするものです。フェルトのように固まって皮膚に張りついた毛玉を、ジェルだけでほどけるとは考えないでください。そこまで進んだ毛玉は、皮膚を傷つけずに取り除く技術と道具が要るので、次の節のとおりプロに任せます。
トリマーや動物病院に任せたい、ミヌエットの毛玉
皮膚に密着した毛玉は、家でほどかずにトリマーか動物病院に任せるものです。VCA は、もつれがひどい・広い場合はグルーマーか獣医師の手を借りることを強くすすめ、毛玉を取り除くならはさみではなくバリカンを使うこと、毛玉は皮膚にとても近いので、見えないまま皮膚を切ってしまうことがあると注意しています。家庭ではさみを入れるのは避けてください。
- 毛玉が皮膚に張りつき、指やコームが根元に入らない
- 毛玉の下の地肌が赤い、じくじくしている、傷やにおいがある
- 触ると痛がる、声を出す、その場所をなめ続けている
- 毛玉が広い範囲にある、いくつもつながっている
- 毛づくろいを急にしなくなった、元気や食欲が落ちている
VCA は、毛玉が皮膚の炎症を起こしているときは動物病院で診てもらうよう書いています。地肌の状態は家庭の見た目だけでは判断できないので、赤みや傷がある日は、ジェルやスプレーを塗る前に獣医師に見てもらってください。伝えるときは、毛玉のある場所、気づいた時期、痛がる様子の有無をメモしておくと話が早く進みます。前の晩に無理にほどこうとすると、もとの状態が分からなくなるので、そのまま連れて行くのが安全です。
毛玉予防ジェルと毎日のコームで、ミヌエットの長毛を守る
長毛のミヌエットの被毛は、毎日のコームと、2〜3日に1回の毛玉予防ジェルで、絡まりにくい状態を保てます。脇・耳のうしろ・後ろ脚の裏側まで根元から通す習慣がつくと、もつれは小さいうちに見つかり、はさみを持つ場面そのものが減っていきます。続けた先にあるのは、どこを触ってもコームがすっと抜ける、やわらかい長毛です。
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よくある質問
- ミヌエットは毛玉ができやすい猫ですか?
- 長毛タイプのミヌエットは、脇・耳のうしろ・後ろ脚の裏側などに毛玉ができやすく、毎日のコーミングが前提になります。短毛のミヌエットは長毛ほど絡みやすくはありませんが、密な二重被毛なので、抜けた毛をためない手入れは必要です。
- 毛玉ははさみで切ってもいいですか?
- 家庭では避けてください。毛玉は皮膚にとても近く、見えないまま皮膚を切ってしまうことがあります。VCA も、取り除くならはさみではなくバリカンを使うとしており、固まった毛玉はトリマーや動物病院で扱ってもらうものです。
- 皮膚に張りついた毛玉は、家でどうすればいいですか?
- 引っ張らず、そのままにしてトリマーか動物病院へ連れて行ってください。地肌が赤い、傷がある、痛がるというときは、先に獣医師に見てもらう必要があります。家でできるのは、皮膚から浮いている小さなもつれまでです。
- 毛玉予防ジェルで、固まった毛玉はほどけますか?
- 固まって皮膚に張りついた毛玉を、ジェルだけでほどけるとは限りません。毛玉予防ジェルは、皮膚から浮いている小さなもつれにもみこんでほぐしやすくすることと、ふだんから塗って毛玉ができにくい状態を保つことに使います。
- 脚の長いミヌエットもいるのですか?
- います。TICA の品種標準には、短い脚のミヌエットと、脚が通常の長さのミヌエット トールがあり、それぞれに短毛と長毛があります。毛玉の手入れは脚の長さではなく、その子の被毛のタイプで考えてください。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
