C02技術・エビデンス
東洋ビューティーとウェーブコーポレーションの試験
洗浄力の試験の結果が載っている資料には、グラフの下に「東洋ビューティー/ウェーブコーポレーション調べ」という一行が小さく入っています。文字が小さいので、たいてい読み飛ばされます。けれど、ここを読み飛ばすと、その数値がどこまでの話なのかが分からなくなります。ワンテンスの電解水について公表されている数値は、ひとつの試験からまとめて出たものではありません。洗浄力を調べた会社と、生菌を数えた機関と、浸透を測った試験は、それぞれ別です。この記事では、社名が2つ並んでいることの意味と、数値ごとに出どころが違うという読み方を、家の工作にたとえて書きます。犬でも猫でも、資料の読み方は同じです。
犬のシャンプーを選ぶときに通り過ぎている4文字|洗浄力の試験を見たときの経験
商品の資料で洗浄力のグラフを見たとき、目が行くのは棒の長さです。その下に添えられている「◯◯調べ」の4文字は、ほとんど読まれません。犬のシャンプーやスプレーを選んでいる場面で、読み手が知りたいのは落ちるかどうかなので、無理のないことだと思います。ただ、この4文字は飾りではなく、その数値の住所にあたるものです。
ワンテンスの電解水の洗浄力については、東洋ビューティーとウェーブコーポレーションという2つの社名が、同じ検証に並んで書かれています。皮脂に近い脂としてごま油を相手に選び、水道水・飲料用のアルカリイオン水・高機能性電解還元水という3つの条件で、乳化とけん化の起こり方を比べた検証です。社名が入っているのは、条件と結果を社外の手が書き残しているという意味になります。
「◯◯調べ」と書かれているとき、そこにあるのは誰がその条件を書き残したかという情報です。数値そのものの大きさとは別の話で、大きい数値でも出どころが書かれていなければ、読み手はたどれません。逆に、数値が控えめでも出どころが書かれていれば、同じ条件でもう一度調べられます。試験の強さは、この、もう一度たどれるかどうかに出ます。
もうひとつ、正直に書いておきたいことがあります。2社のうちどちらが何を担ったのかまでは公開されていません。資料には2つの名前が並んでいるだけです。分かるのは、この検証が1社の手のなかで完結していないというところまでで、分担の中身はここから読み取れません。書かれていないことを推測で埋めないのが、試験の資料を読むときの作法です。
社名が外の会社になっている背景|洗浄力の試験を自社の中だけで終わらせない理由
洗浄力の試験は、自社の設備でもできます。それでも外に出すのは、条件を決める人と結果を使う人を分けるためです。自社だけで測ると、油の量や置き時間、洗う水の温度といった試験条件を、結果が出やすいほうへ少しずつ寄せられます。寄せた覚えがなくても、手順を決めた側と結果を使う側が同じだと、読み手には確かめる手がかりが残りません。
外に出すと決めた時点で、条件のほうを先に書き切ることになります。油の量、塗ってから洗うまでの時間、洗う水の温度、すすぎ方。これを紙に書いてから渡すので、あとから都合のいいほうへ動かせません。試験条件というのは、結果を出すための設定というより、結果を読む人のために残しておく記録です。
この分かれ方は、家で棚をひとつ作るときの道具の使い方と同じです。板が水平かどうかは水平器、重さははかり、木が乾いているかは手ざわりで確かめます。どれかひとつの道具で全部を測ることはできません。棚が使えるかどうかは全部そろってから分かるのに、道具はそれぞれ1つのことしか答えてくれない。試験の名前と検査機関の名前が分かれているのも、これと同じ形です。
- 水平器にあたるのが洗浄力の試験。油という相手に対して、水ごとの落ち方の差を見る
- はかりにあたるのが生菌の試験。決めた時間のあとに、菌が数えられるかどうかを見る
- 手ざわりにあたるのが浸透の試験。同じ量の水が、どこまで入っていくかを見る
- 棚が使えるかは、どの道具にも答えられない。使う場面で決まる部分が残る
4行目が、この記事でいちばん書きたいところです。試験は、それぞれが測れる範囲の外へは出られません。洗浄力の試験は、油が落ちたかどうかまでを答えます。その水を使ったら毛がどうなるか、という問いには答えていません。答えていないところを補って読んでしまうと、数値が実際よりも広い意味を持ってしまいます。
数値ごとに、調べた相手が違います|洗浄力の試験と、生菌や浸透の試験を分けて読む考え方
公表されている数値を、出どころで並べ直すと次のようになります。同じ「当社の電解水」について書かれていても、数値ごとに調べた相手と条件が違います。この表を1回作っておくと、資料のどこを見ても迷わなくなります。
| 公表されている内容 | どの試験から出たか | 調べた相手 | 条件 |
|---|---|---|---|
| 水ごとに油の落ち方が違う | 洗浄力の試験 | 東洋ビューティー/ウェーブコーポレーション | ごま油を相手に、3つの水を比べた |
| 生菌が検出されなかった | 菌を対象にした試験 | 江東微生物研究所ほか4機関 | 一般細菌で検査時間30秒 |
| 精製水と比べて35倍の浸透 | 浸透を見た試験 | ワンテンス(※自社調べ) | 精製水を基準にした比較 |
| 飲みものの基準に照らして検査 | 成分の規格の確認 | 江東微生物研究所 | 清涼飲料水に使われる規格基準 |
表の3行目には「自社調べ」と入れています。外の機関が確かめたものと、自分たちで測ったものを、同じ重さで扱わないためです。自社で測った数値が間違っているという話ではありません。確かめた人が中にいるか外にいるかで、読み手に残る手がかりが変わる、というだけのことです。だから浸透の数値を引くときは、35倍という数字より先に、※自社調べの4文字を一緒に持っていきます。
表の2行目について、書き方を1つ決めています。この試験が対象にしたのは当社の電解水そのもので、製品を使ったときの試験ではありません。一般細菌を対象にした条件では、検査時間30秒のあとに生菌が検出されなかったという結果が出ています。これを「製品が菌をなくします」と書き換えることはできません。水についての試験結果として置いておくのが、事実の形です。
この水をつくる仕組みには特許5253483があります。特許は装置の構造が新しいことを国が登録したもので、できた水の働きを証明した書類ではありません。洗浄力の試験の結果と特許番号を並べて書くと、特許が試験の裏づけのように見えてしまいます。特許を取っているので効果が証明されていますという書き方が、そのいちばん分かりやすい例です。
資料を読む側で確かめられること|洗浄力の試験の名前をたどってみる
読む側でできることは、意外と少なくありません。数値を見たら、相手の名前・条件・調べた会社の3つがそろっているかを見るだけです。そろっていれば、その数値はたどれる数値です。どれかが欠けていれば、そこは書かれていない部分として置いておきます。洗浄力の試験でいえば、相手がごま油、条件が3つの水、調べた会社が東洋ビューティーとウェーブコーポレーション、という形になります。
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数値の近くにある小さな文字を先に読む
グラフや表の下、注記の行です。ここに社名か「自社調べ」が書かれています。
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その数値が、何を相手にした試験か確かめる
油なのか、菌なのか、水そのものなのか。相手が分かると、話が届く範囲が決まります。
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別の試験の数値と混ぜない
洗浄力の話をしているときに浸透の数値を足すと、どちらの条件で出た話なのか分からなくなります。
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書かれていないことは、そのままにしておく
2社の分担のように、公開されていない部分があります。埋めずに残しておくほうが、あとで読み返せます。
スキンケアミストは、この水そのものを容器に詰めたものです。成分が水だけなので、水についての試験が、そのまま中身の説明になります。清涼飲料水に使われる規格基準に照らした検査を受けているので、口の届く場所へ置いても、その子が舐めることを前提にできます。ここで気をつけるのは、洗浄力の試験がアルカリ側の水の話だという点です。スキンケアミストの水は酸性側なので、この試験の数値をスキンケアミストの説明に持ち込むことはできません。
試験の名前をたどる読み方は、一度覚えると別の商品でも使えます。数値の大きさより、その数値の住所を先に見る。東洋ビューティーとウェーブコーポレーションという2つの社名は、その住所が書かれている場所として置かれています。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見る本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
