C04悩み解決

耳垢の多さが出たときの家庭ケア|順番を変えるだけで変わる

公開日 2026年6月1日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で、頭を撫でられて落ち着いている犬
耳垢の対処法は、耳を持ち上げる前に、頭を撫でている手をそのまま滑らせるところから始まります。写真:Sam Lion/Pexels

耳垢を見ようとして耳だけを持ち上げた瞬間、首をすくめて後ろに下がられた。次の日はもう、手を伸ばした時点で顔をそむけられる。耳垢の対処法が続かない家では、たいてい最初の1、2日でこうなっています。手順そのものが難しいわけではありません。耳は、頭を触られている流れの中でしか触らせてもらえない場所だからです。この記事で変えるのは、順番の1か所だけです。耳を触る前に、頭を触る。手を新しく持ってくるのではなく、もう触っている手を滑らせる。それだけです。

耳から始めない、という耳垢の対処法の順番

耳垢の対処法として紹介される手順は、たいてい「耳をめくる」から始まります。ところが実際にやってみると、その最初の一手で拒否されます。理由ははっきりしていて、耳だけをいきなり持ち上げる動きは、その子から見るとどこからともなく手が現れて、頭の横をつかむ動きだからです。

犬も猫も、頭の横は視界のいちばん端です。見えていない位置で、いきなり何かが起きる。身構えるのは当たり前の反応で、しつけの問題ではありません。身構えた状態の耳は、つけ根が固くなって開きません。開かない耳を無理に開こうとすれば、耳のつけ根にこすれが出ます。次からはもっと嫌がる。この繰り返しで、耳垢の対処法は3日ももちません。

この4つが出ているあいだは、耳垢を見る作業に入らないでください。手を引くのが正解です。ここで押し切ると、翌日以降のやり方が全部やりにくくなります。1日休んだくらいで、耳垢のケアが崩れることはありません。

Point手を「新しく持ってくる」のと、「もう触っている手が動く」のは別のこと

同じ手でも、その子にとっての意味がまったく違います。いったん離れた手は、次に触れるときに「新しい接触」として扱われます。頭を撫でている手がそのまま耳まで滑るなら、1回の接触が続いているだけです。耳垢の対処法で変えるのは、この一点だけです。

頭のてっぺんから、手を離さずに進める4つの手順

順番はこうです。手を一度も離さないことだけ守ってください。全部で20秒ほどの手順です。慣れると、ブラッシングの途中に自然に混ざります。

  1. 頭のてっぺんから撫でる

    耳ではなく、頭の上から始めます。その子の視界に入る位置から手を出してください。後ろから近づけると、それだけで身構えます。5秒ほど、いつも撫でているのと同じ速さで撫でます。この5秒は準備ではなく、手順の1つです。飛ばすと、あとの3つが成立しません。

  2. 手を止めずに、耳のつけ根まで滑らせる

    てっぺんから、こめかみを通って、耳のつけ根へ。途中で速さを変えないでください。耳に近づいたところで急にゆっくりになると、その変化のほうが伝わります。つけ根まで来たら、そのまま親指と人差し指のあいだにつけ根が入る形にします。まだ持ち上げません。

  3. 持ち上げるのではなく、めくるように開く

    つけ根に置いた指を、外側へ返します。耳の先をつまんで引き上げるのではなく、つけ根を支点にして裏返す動きです。引き上げるとつけ根が引っぱられ、痛みが出ます。めくる動きなら、その子は頭ごと動かされません。垂れ耳の子は、めくった状態で3秒だけ止めてください。ここで初めて、耳の中に空気が入ります。通気は、この3秒でしか作れません。

  4. 入り口の、見えているところだけ見る

    めくって見えている範囲が、家庭で扱ってよい全部です。耳垢が入り口に出てきていれば、乾いたコットンで押さえて移し取ります。拭くのではなく、当てて待つ。こすると、耳の内側の薄い皮膚にこすれの跡が残ります。見えない位置に、指もコットンも差し込まないでください。終わったら、また頭を撫でる動きに戻して、そこで手を離します。

4つ目のあとに頭へ戻る動きを入れておくと、翌日が楽になります。耳で終わると、その子の記憶には「耳をさわられて終わった」と残ります。頭を撫でて終われば、始まりと終わりが同じ動きになります。この対処法が1週間続く家と、3日で止まる家の差は、ほとんどここです。

途中で手が離れたときの、やり方の戻し方

手を一度離すと、そこで最初からやり直しになります。2番目まで進んでいても、3番目から再開はできません。離れた瞬間に、次の接触は新しい接触として扱われるからです。やり方を知っていても崩れるのは、たいていここです。

手が離れる場面と、戻し方
よくある場面そのとき起きていること戻し方
コットンを取りに、手を離した接触が切れて、警戒が戻るコットンは始める前に、片手に持っておく
よく見えなくて、両手を使った支える手と見る手が入れ替わる片手で完結する範囲に留める。見えないなら見ない
嫌がったので、いったん離したこの判断は正しいその日はやめる。翌日は、頭を撫でるところまでで終える
反対の耳に移ろうとした移動のあいだに手が浮く1日1耳にする。左右を同じ日にやらない

4行目は、意外に思われるところです。左右をまとめてやろうとすると、必ずどこかで手が浮きます。今日は右、明日は左。1日1耳にすると1回が20秒で終わるので、その子も待てます。垂れ耳の子で耳の中の通気を気にしている場合も同じで、1日1耳のほうが、めくって開いている時間の合計は結果的に長くなります。

Cautionうまくいかない日を、道具で埋めない

嫌がる日が続くと、押さえつける、おやつで気を引く、二人がかりで固定する、といった手が出てきます。どれも、その子の中では「耳をさわられるときは自由がきかない」という記憶として残ります。翌週にはもっと難しくなります。うまくいかない日は、頭を撫でるところまでで終わりにしてください。

毎日のコツと、家で扱ってよい範囲の線引き

続けるコツは3つです。時間を決める、1日1耳にする、20秒で切り上げる。耳垢の対処法として特別なことは、ここにひとつも入っていません。

ここまでが家庭の範囲です。耳垢そのものを、家で減らそうとしないでください。耳垢は、耳の中で毎日少しずつ作られて、外へ運び出されているものです。入り口まで出てきた分を取るのは掃除ですが、奥に残っている分を取りにいくのは処置です。綿棒、洗浄液、指に巻いたティッシュ。どれも、見えない位置にあるものを奥へ動かす結果になります。湿気がこもりやすい垂れ耳の子ほど、この線引きは丁寧さの話ではなく、手が届く範囲の話だと考えてください。

Caution動物病院に相談する目安

耳垢の量が2週間で明らかに増えた、色が黒や濃い茶色に変わった、湿って糸を引く、においが出てきた、耳を触ると痛がる、頭を振る回数が増えた、片側だけ量が違う。いずれかに当てはまるときは、自己判断で掃除の回数を増やさず、動物病院にご相談ください。掃除を増やしたあとに量が増えることもあります。診察の前に耳をきれいにすると、耳垢そのものを見てもらえなくなるので、そのまま連れて行ってください。

毎日のケアで手が届くのは、耳の外側と、耳のまわりの毛までです。めくって3秒開いているあいだ、そこがどうなっているかを見ているのは人のほうだけで、その子は自分の耳の裏側を一度も見たことがありません。ここで使っているのが mofuwa スキンケアミストです。耳のまわりのように、目や口とひと続きになっている場所に置けるかどうかは、中身が電解水100%であることで決まっています。使える場所が広いのは、余計なものを入れていないことの裏返しです。コットンに数滴とって、めくった耳の外側と、つけ根のこすれやすいところに当てます。耳の中には入れないでください。当てたあとは乾いた面で水気を移して、そのまま頭を撫でる動きへ戻ります。1日1耳なので、片側につき数滴で足ります。

耳垢の量は日によって違います。1日1耳で1か月通すと、片側だけ多い週があることや、量が増えるのが決まって湿度の高い日のあとだということが、記録を取らなくても手の側に残ります。20秒を先に済ませておくと、本当に見なければいけない日が来たときに、その20秒がもう習慣として置いてあります。耳垢の対処法で長く効くのは、量を減らす手ではなく、量が変わったことに気づける手のほうです。

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よくある質問

頭を撫でるところから始めても、耳に手が来た時点で嫌がります。
その日は耳まで進めないでください。1週間ほど、頭からつけ根まで滑らせて、そこで手を止めて終わる、を繰り返します。耳を開かずに終わる日を先に作ると、つけ根まで手が来ること自体が普通になります。順番を守っているのに進めないのではなく、まだ2番目で終わっている段階だと考えてください。
片手だとめくりにくい犬がいます。
垂れ耳で毛が長い子は、めくった耳が自分の重さで戻ります。そのときは、めくった耳をこめかみのほうへ倒して、手のひらの付け根で軽く押さえたままにしてください。反対の手を出すより、同じ手の別の部分を使うほうが、接触が切れません。それでも見えないなら、その日は見えなかったこととして終わって構いません。
見えているところに耳垢がない日は、何もしなくていいですか。
そのまま終えて構いません。耳垢は毎日出るものではなく、見えない日があるのが普通です。何もない日でも、頭からつけ根まで滑らせてめくる、という一連の流れだけは通しておいてください。この流れが途切れないことが、本当にケアが必要になった日の20秒を成立させます。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。