C14トリマー/獣医師視点

シニア犬と猫、それぞれに勧めるケアの違い

公開日 2026年6月28日|文=mofuwa編集部

明るく静かな部屋の淡い色の木の床で、クリーム色の老犬と灰色のシニア猫が休んでいる様子
起きた直後に、犬は床に接していた側、猫は背中の真ん中を見ます。写真:Osman İçli/Pexels

シニアの犬が起き上がったあと、寝ていた側の毛が湿ったまま寝ているかどうかを見ます。猫では、見る場所が背中の真ん中に移ります。同じ年齢の話なのに、犬と猫でケアの違いがここまで出るのは、減ったものが別だからです。犬は人の手が入らない下側が増え、猫は自分の舌が届く範囲が狭くなります。この記事では、シニア期の犬と猫で見る場所の見分け方を分け、触れる回数の目安と、様子見にできる範囲、受診にまわす線までを並べます。

シニア犬と猫のケアの違いは、減ったものの違いから来る

シニアの犬が寝床から起き上がったあと、体の下側だった毛が湿ったまま寝ていることがあります。見るのは、起きた直後の30秒です。時間が経つと乾いてしまい、どちら側で寝ていたのかも分からなくなります。同じ時間帯に猫を見ると、湿っているのは接地面ではなく背中の真ん中です。同じシニア期の話なのに、犬と猫で見る場所が入れ替わります。

この違いは、年齢とともに減ったものが別だからです。犬で減るのは、人の手が入る時間です。寝ている時間が長くなり、抱き上げる回数が減ると、体の下側は誰の手も通らなくなります。猫で減るのは、その子自身の手です。後ろ足で立つ姿勢や体をひねる動きが減ると、舌が届く範囲がそのまま狭くなります。減ったのが人の手なのか、その子の舌なのか。ケアの違いはここから枝分かれします。

だから、シニア犬と猫に同じ順番でケアを渡すと、片方だけがうまくいきません。犬に「背中をよく見てください」と言っても、背中は元から見えている場所です。猫に「抱き上げて下側を」と言っても、猫の問題は上側にあります。それぞれの届かない場所を名指しできるかどうかで、家でのケアの手数が変わります。

届かない場所は、犬と猫で入れ替わる 起きた直後に見る場所から、届かない場所、そこに出る変化までの流れを示し、シニア犬とシニア猫で見る場所が入れ替わることを並べた図です。 起きる 直後 届かない 場所 変化 が出る 毛が寝ている側を探す 乾くのが遅い1か所 シニア犬で見る場所 床に接していた下側 わきの下と内股 シニア猫で見る場所 背中の真ん中 後ろ足のつけねと尾の根
犬は人の手、猫は自分の舌。減ったほうの反対側に、見る場所ができます。

シニアの犬と猫で、手が届いていない場所の見分け方

見分け方は、道具を持たずに始められます。起き上がった直後に、毛の向きだけを見ます。接地していた側は毛が同じ方向に寝て、指を入れると地肌がぬるいことがあります。猫では、舌が通っている場所と通っていない場所で、毛のほぐれ方が変わります。触った感触の違いのほうが、目で見た色の違いより早く出ます。

シニア犬とシニア猫で、見る場所と手ざわりの違い
シニア犬シニア猫
減ったもの人の手が入る時間自分の舌が届く範囲
最初に出る場所床に接していた下側背中の真ん中
次に出る場所わきの下、内股後ろ足のつけね、尾の根
手ざわり毛が寝て、地肌がぬるい毛先が絡んで、指が引っかかる
見るタイミング起きた直後毛づくろいのあと

表の最後の行が、見分け方でいちばん外されやすいところです。犬は起きた直後、猫は毛づくろいのあと。犬を夜に見ても、日中に接地していた側はもう乾いています。猫を寝起きに見ても、これから舌が通る場所まで一緒に数えてしまいます。同じ場所を、同じ時間帯に見る。これだけで、前の週と比べられるようになります。

Pointシニアの体でいちばん変わるのは姿勢です

毛や皮膚の話より前に、姿勢の変化を見ておくと場所が絞れます。犬は伏せている時間が長くなり、体の下側の面積が増えます。猫は丸くなる形が浅くなり、背中の同じ場所が上を向いたままになります。どちらも、届かない場所が姿勢で決まっています。寝床の写真を1枚撮っておくと、半年後に姿勢の変化が比べられます。ケアの違いを覚えるより、その子の寝方を覚えるほうが実用的です。

シニア期の犬と猫で、触れる回数と時間の目安

回数の目安は、届かない場所の広さで決めます。シニア犬は2日に1回、下側のどこか1か所。シニア猫は週2〜3回、舌の届かない場所だけ。どちらも1回3分で終わる範囲にします。全身を毎日という形にすると、3日目でどちらも止まります。犬と猫で回数に違いが出るのは、体の負担ではなく、場所の数が違うからです。

  1. 犬は抱き上げる前に寝床を見る

    毛が押しつけられている形が残っています。その形に合う側が、今日ケアする場所です。抱き上げてから探すと、毛が動いて分からなくなります。

  2. 犬は下側を1か所だけ、3分で終える

    わきの下、内股、尾の付け根の下側から1つ選びます。全部やろうとすると姿勢を保つ時間が長くなり、次の日に嫌がられます。

  3. 猫は毛づくろいのあとに背中を触る

    指を毛の流れに逆らわせて、引っかかる場所を数えます。数が増えているかどうかだけを見て、その日はほぐさずに終えてもかまいません。

  4. 猫は押さえる時間を5秒で区切る

    5秒で離して、また戻る。この形だと週2〜3回が続きます。1回で終わらせようとすると、次の回に逃げる時間が早まります。

手を動かすときに使いやすいのは、場所を選ばない1本です。mofuwa スキンケアミストは、成分表に水以外が並ばない高機能性電解酸化水100%のミストです。飲料に用いられる規格に照らして確かめられた水なので、舐めてしまう場所にも使えます。犬なら内股や尾の付け根の下側、猫なら背中の真ん中から後ろ足のつけね。拭き取り直しをはさまないので、姿勢を保たせる時間が短く済みます。水分の浸透力が精製水の35倍という自社の検証もあり、毛の上でとどまらずに地肌まで入ります。無香料なので、においに敏感な猫でも1回目を嫌がりにくい形です。

シャンプーの間隔が開いているシニア犬では、洗う日と洗う日のあいだをどう埋めるかが課題になります。スキンケアミストのように1本で場所を選ばないものは、その日にいちばん気になる1か所だけに使えます。全身をやり直すのではなく、下側の1か所を今日ぶんだけ。このほうが、体力の都合で入浴の回数が減っている子には続きます。

Voiceシニア犬と猫のケアについて、近藤竜太先生からいただいたご感想

実際に使ってくださっている獣医師の近藤竜太先生から、グルーミングスプレーについて次のようなご感想をいただいています。

「mofuwaグルーミングスプレーを日常のケアとして使用してもらうことにより、毛玉予防や被毛を清潔に保つことができます。スプレーしてブラッシングするだけなので、体力低下によりなかなかシャンプーができないシニア犬やシャンプーが苦手な猫ちゃんなどにもおすすめです。清涼飲料水の基準をクリアしているという安全性も高く評価できるポイントです。」

シニア犬と猫が同じ一文に並んでいますが、理由は別です。犬は体力、猫は濡れることそのもの。同じものを渡しても、家で助かる場面が違います。

シニアで受診にまわす線は、犬と猫で待てる時間が違う

家で待てるかどうかの線も、犬と猫で分けて持っておくほうが迷いません。犬は範囲が広がるかどうか、猫はやめたことが戻るかどうかで見ます。犬の場合、赤みが同じ大きさのままなら2週間は家で数えられます。猫の場合、毛づくろいをまったくしない状態が半日続くなら、その時点で家の話ではなくなります。

家で数えていてよい形と、受診にまわす形(犬と猫で分ける)
家で数えていてよい形受診にまわす形
シニア犬赤みが同じ大きさで2週間1週間で手のひらほどに広がった
シニア犬寝る側が日によって変わる同じ側ばかりで寝て、立ち上がり方が変わった
シニア猫毛づくろいの回数が少し減った半日以上まったく毛づくろいをしない
シニア猫引っかかる場所が3か所のまま3か所が1週間で倍に増えた
犬と猫の共通食事量と水の量が変わらない食事量が落ちた、片側だけに出ている

猫のほうが待てる時間が短いのは、変化が体の外に出にくいからです。毛づくろいという行動が、猫では最初の合図になります。犬では、歩き方や寝る姿勢が先に変わるので、家でも気づく手がかりが多い。この違いを知らないまま同じ日数で待つと、猫のほうだけ遅れます。受診にまわすときは、使っているものと、日付と場所を書いた2行のメモを持っていくと話が早くなります。

Caution年齢のせいにすると、比べる相手がいなくなる

シニア期の変化は、年齢で説明がついてしまうぶん記録が止まりがちです。「歳だから」で終わらせると、半年後に何と比べればよいかが残りません。比べる相手は、日付と場所だけの2行で足ります。6月28日、右のわきの下、起きた直後に湿っていた。これが2回ぶんあれば、進んでいるのか止まっているのかを家でも読めます。ケアの違いより先に、この2行を犬にも猫にも同じ形で残してください。

様子見のあいだに、届かない場所を1か所ずつ減らす

様子見という言葉を、場所の数に置き換えると手が動きます。今週は3か所、来週は2か所。減ったか増えたかだけを数えます。シニア犬なら下側の何か所に手が入ったか、シニア猫なら指が引っかかる場所がいくつ残っているか。数が減っていれば、今の回数で足りています。増えているなら、回数ではなく場所の選び方を変えます。

1か所ずつという形にしておくと、その日の体調に合わせて休めます。今日は起き上がるのがつらそうだから下側はやめて、耳の入り口だけにする。この判断ができるのは、全身をやる形にしていない場合だけです。スキンケアミストのように場所を選ばない1本なら、その日にやる場所を変えても手順が変わりません。犬と猫で見る場所の違いはあっても、この組み方は同じです。

シニアのケアで最後まで残るのは、道具でも回数でもなく、どこが届かなくなったかを知っているかどうかです。犬は床に接していた側、猫は背中の真ん中。今晩、起き上がった直後の毛の向きを1回だけ見てください。1か所見つかったら、そこだけを3分、毎日続けてみてください。

近藤 竜太 先生/白金高輪動物病院 院長・獣医師(麻布大学卒/比較眼科学会所属)
東京都港区白金1-2-2 白金ザ・スカイ西棟1階
※実際にお使いいただいている獣医師のご感想で、本記事の監修を受けたものではありません。

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よくある質問

シニア犬とシニア猫が一緒に暮らしています。ケアは分けるべきですか。
使うものは同じで足りますが、見る場所と回数は分けてください。犬は2日に1回、床に接していた下側から1か所。猫は週2〜3回、背中の真ん中から後ろ足のつけねまでのうち、指が引っかかった場所だけです。同じ日にまとめてやろうとすると、あとにした子のほうが短く終わります。犬を朝、猫を夜のように時間で分けると、どちらも同じ長さになります。
猫が毛づくろいをしなくなったのは、年齢のせいですか。
年齢だけで決めないでください。回数が少し減っただけなら、届かない場所が増えたぶんを家で埋める形で数えられます。区切りになるのは時間です。半日以上まったく毛づくろいをしない、あるいは食事量が同時に落ちているときは、家で数える段階を越えています。犬では歩き方や寝る姿勢が先に変わりますが、猫は毛づくろいが最初の合図になります。この違いを覚えておくと、待つ時間を間違えません。
シニア犬のシャンプーの間隔が開きました。洗う日と洗う日のあいだは何をすればよいですか。
全身をやり直そうとせず、その日の1か所だけにしてください。寝床の毛の押しつけられた形を見て、接していた側から1つ選びます。わきの下、内股、尾の付け根の下側のどこかです。3分で終える範囲にしておくと、姿勢を保たせる時間が短く、次の日も嫌がられません。場所を選ばずに使える1本があれば、その日の体調で場所を変えても手順は変わりません。

掲載しているご感想は個人の感想であり、効果を保証するものではありません。本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。気になる変化が続く場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。