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犬の毛艶が戻らないときの家庭ケア|艶のもとは毛の根元にしかない

公開日 2026年7月27日|文=mofuwa編集部

明るい窓辺で、背中の毛に光が返っている犬
艶のもとになる皮脂は、毛の根元にしかありません。毛先まで運ぶのは、ブラシではなく手のひらの仕事です。写真:Alexas Fotos/Pexels

犬の毛艶をつくっているのは、毛の根元から出る皮脂です。皮脂は毛の表面をうすく覆って光を返すもので、毛先で作られることはありません。だから家でやることは、根元にあるものを毛先まで運ぶことだけになります。運ぶのはブラシではなく手のひらで、体を6つに分けて1か所につき5回。ブラシを何本も試したのに変わらなかった、という話をよく聞きますが、道具は増やさなくて構いません。毛艶の対処法として、この記事では順番だけを組み替えます。いま持っている手を、どこでどう使うかの話です。

艶のもとは根元にしかない|毛艶の対処法を組み立てる順番

犬の毛艶をつくっているのは、毛の根元にある皮膚から出る皮脂です。皮脂は毛包と皮膚の表面に分泌される油性の物質で、被毛に光沢を与えるとされています。毛艶とは、その皮脂が毛の表面をうすく覆って、光がそろって返ってくる状態のことです。毛先で皮脂が作られることはありません。つまり艶のもとは最初から根元にしかなく、毛先には、そこまで運ばれてきたぶんだけが乗っているということになります。

ここが分かると、犬の毛艶の対処法は一本道になります。やることは、根元にあるものを毛先まで運ぶことだけです。被毛が長い子ほど運ぶ距離が長く、途中で止まります。換毛期のように毛が入れ替わる時期は、伸びてきたばかりの毛にまだ何も乗っていないので、根元から先が急に鈍って見えます。うるおいが足りないように見える状態の多くは、足りないのではなく、届いていないだけです。

では、何で運ぶのか。ここでブラシを手に取る人が多いのですが、ブラシは運ぶための道具ではありません。ブラシの歯は、毛と毛のあいだを縦に通ります。通ったあとは毛が分かれて、根元まで空気が入ります。絡まりがほどけ、寝ていた毛が起きる。それがブラッシングの仕事です。歯と毛が触れているのは点なので、毛の表面をならして皮脂を引き伸ばすことはできません。面で触れられるのは、手のひらだけです。

毛艶のケアで、道具ごとにできること・できないこと
使うものできることできないこと
ブラシ毛を分ける。根元まで空気を通す。絡まりをほどく根元の皮脂を毛先まで運ぶ
手のひら面で触れて、根元から毛先へ皮脂を引き伸ばす絡まった毛をほどく
指先1か所の手ざわりを確かめる広い面を一度にならす
mofuwa グルーミングスプレー乾いた被毛の表面をととのえて、手のひらを滑りやすくする根元の皮脂を毛先まで運ぶ
Note猫も、順番は同じです

猫は自分で毛づくろいをするぶん、皮脂が毛先まで運ばれた状態が保たれやすい動物です。その毛づくろいが減ったときに、同じ順番が要ります。ブラシで分けてから、手のひらで運ぶ。ブラシを嫌がる子は、手のひらだけでも構いません。運ぶ役はもともと手のひらなので、順番の後半だけでも成り立ちます。

ブラシで分けて、手のひらで運ぶ|毎日の毛艶の手順

毎日の犬の毛艶の手順は4つです。この4つは、並びを入れ替えると意味がなくなります。分けてから運ぶ、この向きが逆になると、どれだけ回数を重ねても毛先まで届きません。毛艶の対処法として時間をかけるのは、2番目だけで足ります。

  1. ブラシで毛を分ける(1か所につき3回)

    毛の流れに沿って、根元まで歯を入れます。力はいりません。目的は絡まりを取ることと、根元に空気を入れることの2つだけで、この段階では艶は出ません。もつれがある子は無理に引かず、指でほぐしてから通してください。ここで引っぱると、次の手順で手のひらを当てたときに嫌がるようになります。

  2. 手のひらを、毛を握らずに根元から毛先へ滑らせる

    指を開いて、手のひら全体を毛に当てます。握らないことがいちばん大事です。握ると力が毛の1点に集中して、毛が引かれるだけで表面はならされません。手のひらの面が毛に触れたまま、根元から毛先の方向へ、ゆっくり抜けていくように滑らせます。人の髪を手ぐしでなでるときの、あの当て方です。

  3. 1か所につき5回、体を6つに分けて回す

    首から肩、背中、左のわき腹、右のわき腹、おしり、しっぽ。この6つを、それぞれ5回ずつです。全部で30回、時間にして2分ほど。数を決めるのは、気が向いた場所だけ厚くならないようにするためです。毎日同じ数で回すと、届いていない場所が手ざわりの差として出てきます。

  4. 最後に、毛の向きをそろえて終える

    仕上げに、もう一度だけ全身を毛の流れに沿って手のひらでなでます。ここは運ぶためではなく、ばらばらを向いた毛先をそろえるためです。向きがそろうと、返ってくる光もそろいます。ブラシで終わらず、手で終わってください。

所要時間は、ブラッシングを含めて5分ほどです。毎日やることに意味があるのは、皮脂が毎日出ているからです。3日おきに15分かけても、そのあいだに毛先は乾いていきます。毎日2分のほうが、毛艶の手順としては確実です。長毛の子は6つのうち2つだけ、と決めて日替わりにしても構いませんが、しっぽとおしりは飛ばさないでください。手が届きにくく、いちばん先に鈍る場所です。

Point触る時間帯を、先に決めてしまう

毎日続く手順にするコツは、やる気ではなく場面に結びつけることです。夕方の食事の前、寝る前のひととき。すでに毎日起きている場面のうしろにつなげると、思い出す必要がなくなります。続けられる形にしてから、中身を足してください。

手が滑らない、続かない|犬の毛艶のやり方でつまずく3つ

同じ手順でやっているのに変わらない、という相談で多いのは次の3つです。どれも、道具ではなく手の使い方でつまずいています。犬の毛艶のやり方として順番は合っているのに、当て方が違うと運べません。

もう1つ、季節によって出てくる条件があります。冬の乾いた部屋では、手を滑らせた瞬間に毛が広がってしまうことがあります。静電気は、毛を1本ずつ離れさせる方向に働きます。向きをそろえたいときに、いちばん逆らう条件です。室内の湿度を上げる、化繊の敷物やウェアの上で作業しない、手を洗って水気を軽く残したまま触る。この3つで、毛の広がり方はかなり変わります。道具を替える前に、部屋の乾き方を疑ってください。毛艶の対処法でつまずくときは、手より先に部屋の側が理由になっていることがあります。

Caution回数を増やしても、運べる量は増えません

1か所5回を10回にしても、根元から出ている皮脂の量が2倍になるわけではありません。こすりすぎると毛の表面が毛羽立って、かえって光が散ります。手ざわりが変わらないときに増やすのは回数ではなく、根元に手が入っているかどうかの確認です。爪を立てる、力を込めて往復する、といったやり方も避けてください。皮膚に負担がかかるだけで、毛先には何も届きません。

毎日の6か所のうち、同じ1か所だけ残るとき

6つに分けて回すと、手ざわりが戻らない場所が毎回同じかどうかが分かるようになります。ここが、毛艶の対処法を家で続けてよいかどうかの分かれ目です。全体がゆっくり変わっているなら、続けてください。同じ1か所だけが2週間たっても変わらない、あるいはその場所だけ毛が薄い、フケが出る、触ると嫌がる。このときは、運ぶ手順の話ではありません。

手で変えられるのは、いま生えている毛の表面だけです。根元から出るものが変わったときは、家庭のやり方では追いつきません。皮膚の側で起きていることは、毛の見た目として表に出るまでに時間がかかります。だから、変化が出てから数えるのではなく、毎日同じ数だけ触っておいて、差が出た日に気づく形にしておきます。

6か所を回していると、手が引っかかる場所が決まってきます。長毛の子ならわき腹、多いのはしっぽの付け根です。mofuwa グルーミングスプレーは、その手を滑らせるためのものです。ブラシで分けたあと、引っかかる場所にだけひと吹きして、表面がととのったところで手のひらを当てます。握らずに抜けていくので、同じ5回で毛先まで届きます。舐めても差し支えない基準でつくられているので、口の近くにある首まわりでも量を気にせず使えます。ただしスプレーをかければ艶が出るという順番ではありません。運ぶのは手のひらで、グルーミングスプレーが受け持つのは、その手が途中で止まらないようにすることだけです。

Caution当てはまるときは、動物病院にご相談ください

上のいずれかに当てはまるときは、家庭のケアを続けるより先に動物病院にご相談ください。毛の変化は、皮膚や体の中で起きていることが遅れて表に出たものであることがあります。受診のときは、いつから、体のどこか、毎日どんな手順で触っているかをメモしていくと、そのまま経過の記録になります。6か所に分けて毎日触っていると、この記録がとりやすくなります。

散歩から帰った日にひと吹きしておくと、汚れが積み上がらないぶん、翌日の30回でふわふわの手ざわりに戻ります。毎日同じ数だけ触って、同じ場所だけ残るかどうかを見ておく。家でやることは、この2つで足ります。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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よくある質問

シャンプーのあとも、同じ順番でやっていいですか?
濡れているあいだは、手のひらを滑らせても皮脂は運べません。タオルで水分を取り、完全に乾かしてから始めてください。乾かしきる前に手を入れると、毛が寝る向きがそのまま固定されてしまい、毛先の向きがそろいません。ドライヤーが終わって毛が冷めたころが、この毛艶の対処法をいちばんやりやすいタイミングです。
短毛の子でも、6か所に分ける必要はありますか?
短毛の子は根元から毛先までの距離が短いので、運ぶ手間は少なくて済みます。ただし分ける意味は距離ではなく、届いていない場所を見つけることにあります。1か所3回に減らしても構いませんが、6か所を毎日ひと通り触ることは変えないでください。おしりとしっぽが、いちばん抜けやすい場所です。
食事の内容で、毛艶は変わりますか?
毛そのものは食べたものから作られるので、長い目で見れば関係します。ただしこの記事で扱っているのは、いま生えている毛の表面に何が乗っているかという話で、時間の単位が違います。食事を変えるかどうかは自己判断せず、かかりつけの動物病院にご相談ください。
換毛期は毛艶が落ちて見えます。犬のやり方を変えたほうがいいですか?
手順は変えなくて構いません。伸びてきたばかりの毛にはまだ皮脂が乗っていないので、根元から先が急に鈍って見えるだけです。変えるとすれば1つめで、ブラシで分ける回数を増やして抜けた毛を先に外します。手のひらを滑らせる5回は、そのままで足ります。
毛艶が戻ってきたかどうかは、どこで分かりますか?
手ざわりです。6か所を毎日同じ数だけ触っていると、指が引っかかる場所が減っていくのが先に分かります。光の返り方は部屋の明るさで変わるので、見た目より手のほうが当てになります。写真を残すなら、同じ窓際で同じ時間に撮ってください。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。