C01ブランド/開発ストーリー
mofuwaは、ひとりの獣医師の提案から始まった
mofuwaのもとになった水の技術は、人の医療の現場のために生まれました。それが犬や猫に向かうことになったのは、助言をもらっていた医師のなかにいた、ひとりの獣医師の提案がきっかけです。「この水を、犬や猫のために使えないか」。mofuwaの誕生は、その一言から動き出しました。この記事では、そこに至るまでの経緯を書きます。
はじまりは、人の医療の現場だった
mofuwaの誕生をたどると、ここに行き着きます。ワンテンスの前身は、株式会社レドックスという会社です。1995年、そこで水の電気分解の研究が始まりました。のちにワンテンスを立ち上げることになる人物の、父にあたる研究者の手によるものです。
目的ははっきりしていました。医療の現場で使うことです。洗剤や薬剤を足すのではなく、水そのものの性質を変えて衛生を保つ。過酷な環境下での使用を想定して設計されたこの水は、医療の現場や自衛隊でも使われてきました。
研究は社内だけで完結しませんでした。1997年には東京大学との共同研究が始まります。テーマは細菌・ウィルスへの感染症対策と、細胞の再生医療。そこから20年以上にわたって、20を超える大学・研究機関との共同研究が続くことになります。
この技術が「三室ダブルイン型電気分解」です。電解槽を3つの部屋に分け、原水を2方向から供給する。のちに特許5253483として登録されました。
この時点で構想にあったのは人の医療現場だけです。犬や猫のことは、開発の目的にまったく入っていませんでした。ここが、あとの展開の意味を変えます。
「エビデンスが揃うまで、売らない」
技術を最初に自分の体で確かめたのは、息子のほうでした。慢性的な敏感肌に悩んでいて、父から話を聞き、電解水を自分の肌に塗ってみた。そこで感じた変化が、家業を継ぐ決意につながります。
ただ、まわりの反応は違いました。学生時代、友人何十人に試してもらったところ、肌の調子が変わったという声はあったものの、返ってきた言葉はこうでした。
「買いたいんだけど、100円くらいかな?」——技術を素直に評価してくれる人は、ひとりもいませんでした。見た目はただの水です。何が違うのかを示すものが、そのときは何もありませんでした。
ここで下した判断が、その後の15年を決めます。エビデンスが揃うまでは事業化しない。父はエビデンスづくりに専念し、息子は経営を学んで仲間をつくる。「少なくとも10年はかける」という約束を、父と交わしました。
実際には、それより長くかかりました。父は20を超える大学・研究機関と研究を重ね、息子は事業会社で働きながら、毎月給料の半分を父の研究費として渡し続けました。そして2019年2月、株式会社ワンテンスを設立します。レドックスでの研究開始から数えて、24年が経っていました。
事業を始めて、すぐに壁にぶつかる
15年分のエビデンスを手に事業を始めたところ、次の壁が現れました。そのエビデンスを、思うように公開できない。
化粧品や雑貨として販売するものには、書ける内容に厳しい制限があります。医薬品としての承認を受けていないものが、効き目を示す試験結果を根拠として掲げることはできません。15年かけて集めたものを、そのままの形では使えなかったのです。
たとえば、父が積み上げたエビデンスのなかには、アトピー患者を年間1万人以上診ているアレルギー小児科医院で15年にわたって実際に使ってもらった記録があります。それでも、そこから言えることには線が引かれます。
この制約は、いまも変わりません。だからmofuwaの説明では、体がどうなるかではなく、製品が何をしているか、試験をどんな条件で行ったかを書くようにしています。
「この水を、犬や猫のために使えないか」
mofuwaの誕生が決まったのは、この一言からでした。転機は、思わぬところから来ました。人の皮膚の悩みについて助言をもらっていた医師のなかに、獣医師の方がいたのです。事情を話したところ、こう言われました。
「この電解水を、犬や猫たちのために役立てることはできないか」
その方が挙げた理由は具体的でした。動物の皮膚の角質層は、人の1/3〜1/2しかありません。乾燥や刺激に弱く、トラブルが起きやすい。しかも全身が毛に覆われているので、変化に気づくのが遅れます。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 皮膚が薄い | 角質層が人の1/3〜1/2。乾燥や刺激の影響を受けやすい |
| 気づきにくい | 被毛に覆われているため、皮膚の変化が見えにくい |
| 舐めてしまう | アルコールなど、口に入ると困る成分を使いにくい |
| 洗浄力が強すぎる | 汚れを落とすために強い成分が使われがちで、必要な脂質まで落ちる |
この4つを同時に満たすものは、当時ほとんどありませんでした。ところが、成分が水だけで、口に入っても問題のない基準を満たしていて、それでも汚れが落ちる水なら——すべてに当てはまります。
そのうえで、その方はもうひとつ条件を足しました。毎日やれる形にしてほしい、ということです。犬や猫は体から脂を出します。だから昨日きれいにしても、今日また汚れる。それでも散歩には行かせたい。毎日シャンプーはできませんし、サロンに毎日連れていくこともできません。皮膚が薄いという条件より、この「毎日」のほうが行き詰まっていました。
だからmofuwaの最初の1本は、mofuwa グルーミングスプレーという形になりました。吹きかけるだけなら、手順が一日のなかに収まります。中身は還元水100%で、口に入っても困らない基準を満たしているので、一度にどれだけ吹いても構いません。ブラッシングの前に吹いておけば、静電気で毛が立たないぶん、ブラシが根元まで入ります。「毎日きれいにしてあげたい」を、実際に毎日やれるところまで運ぶ。それが、あの提案に返した最初の答えでした。
お風呂そのものが負担になってきた子にも、同じ理由で渡せます。年齢が上がって湯船を嫌がるようになった子は、きれいにできない子ではなく、そうしないほうがいい子です。湯を張らずに済む道具が1本あれば、その線引きを飼い主が選べるようになります。
人間だけでなく、動物も助けられるかもしれない。これが mofuwa が生まれるきっかけになりました。
そして、まだ始まったばかりです
正直に書くと、誕生から数年たったいまも売れ行きは芳しくありません。「成分は水だけです」という説明が、なかなか伝わらない。学生時代に友人から返ってきた「水道水と何が違うの?」という言葉が、そのまま繰り返されている感覚があります。
ただ、あのときと違うのは、答える材料が手元にあることです。電解効率の比較、洗浄力の試験条件、原水が満たしている基準、外部の検査機関の名前。15年かけたのは、この材料を持つためでした。
いちばんよく返ってくるのは、mofuwa グルーミングスプレーを手に取った方からの「これ、ほんとうに水だけなんですか」という問いです。見た目で違いを示せない製品ほど、答えを書き置いておく場所が要ります。しかも毎日使うものなので、知りたいのは水の由来より、ひと吹きで何が起きているかのほうです。棚の前の数秒では、そこまで届きません。
このコラムを始めたのも同じ理由です。棚の前で数秒で伝えられることには限りがあります。時間をかけて読める場所で、何をどう確かめたのかを書いていく。それが、あの15年に見合う伝え方だと思っています。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- mofuwaはもともとペット用に開発されたのですか?
- いいえ。もとになった水の技術は、医療の現場で使うことを目的に開発されたものです。助言をもらっていた獣医師から「犬や猫のために使えないか」という提案を受けたことが、ペット向け製品を作るきっかけになりました。
- 動物の皮膚は人と比べてどれくらい薄いのですか?
- 角質層が人のおよそ1/3〜1/2とされています。乾燥や刺激の影響を受けやすい一方、被毛に覆われているため変化に気づきにくいという事情もあります。
- 株式会社ワンテンスはいつ設立されたのですか?
- 2019年2月です。1995年に設立された前身の株式会社レドックスで始まった水の電気分解技術の研究を引き継ぎ、エビデンスを積み上げたうえで事業を開始しました。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
