C01ブランド/開発ストーリー
ごま油と水で、洗浄力をどう測ったか
泥を落とす力と、油を落とす力と、色素を落とす力は、まったく別のものです。だから洗浄力を測るには、先に「何を落とすか」を決める必要があります。mofuwaのように洗浄成分を入れていない製品ではとくに、何と比べて何をどれだけ落としたのかを示さなければ、「汚れが落ちます」は伝わりません。この記事では、ごま油を使った洗浄力の検証方法と、そこでわかった「落とすものを選ぶ」という性質について書きます。
洗浄力は「何を落とすか」を決めないと測れない
洗浄力という言葉は、単独では意味を持ちません。泥を落とす力と、油を落とす力と、色素を落とす力はまったく別のものだからです。ひとつに強いものが、別のひとつにも強いとはかぎりません。だから最初に決めなければならないのは、測り方ではなく「何を落とす話をしているのか」のほうです。
ペットのケアで問題になる汚れは、大きく分けて3つあります。散歩で付く砂ぼこりや泥、皮膚から出る皮脂、そして体液や排泄物に由来するものです。このうち水で流せば済むのは1つ目だけで、残りにくいのは2つ目です。しかも皮脂は外から来るものではなく、毎日その子自身の皮膚から出続けます。散歩に行かない日でも溜まっていくのは、この2つ目だけです。
皮脂は油なので、水とはなじみません。だからふつうは界面活性剤を入れて、水と油をつなぎます。mofuwaはそれを入れていないので、「入れていないのに落ちるのか」を示す必要がありました。入れていないことは、成分表を見ればわかります。けれど入れていないことと、それでも落ちることは別の話です。前者は書けば済みますが、後者は測らないと言えません。
この問いがいちばん強く向くのは、mofuwa グルーミングスプレーです。湯で流して終わるものではなく、かけたまま乾かし、翌日また同じ場所にかけていくものだからです。流さないぶん、落ちたかどうかを使ったあとの手ざわりや見た目の印象で判断しにくくなります。だから最初に測る対象にしたのは、この製品の原料になっている水でした。
なぜ、ごま油なのか
試験に使ったのはごま油です。実験室で犬の皮脂をそのまま大量に集めるのは現実的ではないので、性質の近い脂を立てて測ります。
ごま油が選ばれるのは、含まれる脂肪酸の構成が皮脂に近く、常温で液体で、粘度が扱いやすいためです。着色されているので付着量が目で追いやすいという実務上の利点もあります。もうひとつ大きいのは、いつどこで入手しても中身が大きくぶれないことです。試験を別の日にもう一度走らせたときに、同じ条件から始められる。見立てに使う脂に求められるのは、皮脂への近さと同じくらい、この安定性です。
皮脂に近い脂で測った試験は、「実際の皮脂そのものではない」ことを前提に読む必要があります。傾向は見えますが、生きた体の上でまったく同じ結果になるとは限りません。試験の価値は絶対値ではなく、条件をそろえた比較にあります。
この試験は、東洋ビューティーおよびウェーブコーポレーションによる調べとして実施されています。社内だけで完結させないのは、条件の置き方に手心が入らないようにするためです。
比較の組み立て方
検証の方法そのものは、拍子抜けするほど単純です。単純だからこそ、条件をそろえることに意味が出ます。
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同じ量の油を、同じ素材に付ける
被毛に見立てた素材へ、決められた量のごま油を均一に付着させます。ここがばらつくと、あとの比較がすべて無意味になります。付いている量が違えば、落ちた量の差が液の差なのか付け方の差なのか、区別できなくなるためです。
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同じ条件で液をかける
量・温度・時間・こする回数をそろえます。「よく洗えば落ちる」のは当たり前なので、手を加える量を固定するのが要点です。
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同じ方法で残量を測る
残った油の量を測定し、水だけの場合と比べます。目視ではなく数値で比べます。見た目のきれいさは、明るさや角度で簡単に変わってしまうからです。
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比較対象を並べる
水道水だけ、電解水、その他の条件を同じ手順で走らせ、差を見ます。単独で「落ちました」と言わないための工程です。
この形にしておくと、「落ちた/落ちない」ではなく「水道水と比べてどれだけ落ちたか」という言い方ができるようになります。過剰な表現をしないためにも、比較の形にしておくことが効きます。書ける範囲が比較の中に収まるので、言葉を強めようがなくなる。試験の設計は、そのまま説明の設計でもあります。
わかったのは「選んで落ちている」こと
試験からわかったのは、落ちる量だけではありませんでした。落ちるものと、落ちないものが分かれていたのです。
| 成分 | 役割 | 電解水に対する挙動 |
|---|---|---|
| オレイン酸 | 皮脂に多く含まれる脂肪酸。酸化するとにおいや刺激の元になる | 選択的に乳化され、落ちる |
| セラミド | 角質層のすきまを埋め、水分を保つ | 落とさずに残る |
| スクワラン | 皮脂に近い性質を持ち、表面を守る | 落とさずに残る |
この性質を選択的乳化と呼んでいます。強い洗浄剤は、落としたいものと一緒に、残しておきたい脂質まで持っていってしまう。洗ったあとに突っ張ったり、かえってかゆくなったりするのはそのためです。皮脂は「汚れ」とひとくくりにされがちですが、中身は落としたいものと残したいものの混ざりものです。区別せずに全部を持ち去れば、そのぶん元に戻るまでの時間が要ります。
洗いすぎないほうがいい、とよく言われます。その理屈は、この表の右2行にあります。
そして右2行は、毎日かけていいかどうかの線でもあります。毎日きれいにしてあげたいと思っても、残しておきたいものまで持っていくものを毎日使うことはできません。グルーミングスプレーを量を気にせず使える道具として出せているのは、酸化するとにおいや刺激の元になるほうが乳化し、角質層の側に要るものは残る、という測り方の結果が先にあったからです。検証の順番は、製品の使い方の順番と同じでした。
試験結果を読むときの3か所
最後に、自分たちのデータも含めて、こうした検証の結果を読むときに確かめてほしい場所を書いておきます。
- 何と比べたか:比較対象が書かれていない数字は、良くも悪くも判断できません。「99%」も、何に対しての99%かで意味が変わります
- どんな条件か:量・時間・温度・こする回数。ここが書かれていれば再現を確かめられます。逆に書かれていなければ、同じ結果が出るかどうかを誰も確かめられません
- 誰が測ったか:社内なのか、外部機関なのか。機関名が出ているかどうかで意味が変わります。名前が出ていれば、あとから問い合わせる先も残ります
この3つが揃っていない数字は、参考程度に見ておくのが安全です。自社の製品についても、同じ目で見てもらってかまいません。
ちなみに、洗浄力の試験と安全性の試験はまったく別の話です。「よく落ちる」ことと「体にやさしい」ことは、同じデータからは出てきません。mofuwaでは安全性について、江東微生物研究所・日本食品分析センター・ユニオンバイテック・日本繊維製品品質技術センターといった外部機関で別に試験しています。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- なぜごま油で洗浄力を測るのですか?
- 含まれる脂肪酸の構成が犬や猫の皮脂に近く、常温で液体、粘度が扱いやすいためです。実際の皮脂を大量に集めるのが難しいため、性質の近い脂を見立てとして使います。
- 選択的乳化とは何ですか?
- 落としたい成分と、残したい成分を分けて扱う性質のことです。mofuwaに使われている電解水では、皮脂に多いオレイン酸は乳化して落ちる一方、セラミドやスクワランは残ることが確認されています。
- 洗浄力の試験は誰が行っているのですか?
- ごま油を使った洗浄力の比較は、東洋ビューティーおよびウェーブコーポレーションによる調べとして実施されています。安全性については別途、複数の外部検査機関で試験しています。
本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
