C01ブランド/開発ストーリー
電解質を選べば、水の役目が変わる|一つの技術で何種類も
電解水は、装置が同じでも、電解質に何を選ぶかで出てくる水の役目が変わります。塩を入れるのか、別のものを入れるのか。その選択でイオン種が変わり、除菌に寄った水になるのか、洗浄に寄った水になるのかが分かれます。一つの技術から何種類もの電解水が出てくる理由はここにありますが、選べるようになったのは構造を作り直したあとでした。この記事では、選べるようになった順番と、選ぶたびに増える手間のほうを書きます。
電解質を入れないと、水は電気を通さない
電解水の話をするとき、最初に出てくるのが電解質です。純度の高い水は、ほとんど電気を通しません。だから電解水をつくるために電流を流すには、電気を運んでくれるものを溶かし込む必要があります。理科の実験で食塩を入れるのと同じで、ここまでは特別な話ではありません。
問題はそのあとです。溶かした電解質は、電気を通す役目を終えたあとも水のなかに居残ります。目的の水を取り出すために入れたもののほうが、最後まで残ってしまう。床を掃除するために洗剤を使うと、こんどは洗剤を流す工程が要るのと同じ構造です。
居残った成分は、用途によっては見過ごせます。機械を洗うだけなら気にしなくてよい量です。ただ、口に入ることを前提にすると話が変わります。犬や猫は、体に置かれたものをそのまま舐めます。電解水として電解質に何を選ぶかという問いの前に、選んだものが残ってしまう構造を先に片づける必要がありました。
順番を整理すると、電解水づくりには3つの決めごとがあります。どの電解質を入れるか、どうやって電気を流すか、そして入れたものをどうやって水から切り離すか。最初の2つだけを詰めた装置は、3つ目でつまずきます。実験室で性質のよい水がつくれても、毎日のケア用品として容器に入れられるところまでは届きません。
同じ装置から役目の違う電解水が出てくる理由
特許5253483に登録されているのは、3室ダブルイン型と呼ぶ電解槽の形です。マイナス側のカソード室、プラス側のアノード室、そのあいだの中間室という3つに分かれています。中間室と両側のあいだには、プラスのイオンだけを通す膜と、マイナスのイオンだけを通す膜が入っています。
この形だと、電解質は中間室に置くことになります。そこから通っていくのは、膜が通すと決めたイオンだけです。電解質そのものは、取り出す電解水の側に出てきません。だから飲みものに使う水と同じ規格基準に照らして確かめられるところまで届きます。
ここで副産物が生まれました。混ざらない構造ができたことで、中間室に入れるものを入れ替えられるようになった。電解質に何を選ぶかで、通っていくイオン種が変わります。イオン種が変われば、出てくる電解水の性質も変わります。取り出す場所でも二手に分かれていて、カソード側からは高機能性電解還元水、アノード側からは高機能性電解酸化水が出てきます。
| 決める項目 | 変わるもの |
|---|---|
| 中間室に入れる電解質 | 膜を通っていくイオン種。ここで水の性質の方向が決まる |
| 水を取り出す側 | カソード側なら電解還元水、アノード側なら電解酸化水 |
| 水を入れる向き(ダブルイン) | 2方向から入れることで電解の効率が上がり、性質が長く保たれる |
| 何に向けるか | 除菌、洗浄、消臭、肌や髪にふれる用途。向け先ごとに選択が変わる |
効率の話も、選べるかどうかに関わっています。飲料用のアルカリイオン水は電解の効率が20%ほどで、8割は電気分解されないまま残ります。この装置はほぼ100%まで電解します。半端に電解された水では、イオン種を選んだつもりでも、選んだとおりの性質になりません。ごま油と混ぜる試験で、水道水や飲料用のアルカリイオン水がほとんど乳化しなかったのは、この差のほうが効いています。
この構造には、もう一つ名前の由来になっている部分があります。ダブルインというのは、水を2方向から入れるという意味です。1方向だけで流すより電解の効率が上がり、できあがった電解水の性質が長く保たれます。選んだイオン種が、使うときまで残っているかどうかは別の問題です。目的の水をつくれても、届くまでに戻ってしまえば選んだ意味がなくなります。効率と保持は、選択を無駄にしないための部分でした。
イオン種を選ぶたび、試験条件をやり直すという考え方
一つの技術で何種類もつくれる、と書くと身軽に聞こえますが、実際は逆です。種類を増やすたびに、確かめ直す作業が増えます。イオン種が違えば別の電解水で、前の電解水で出た結果をそのまま引き継げません。
しかも、役目が違うと確かめ方の形そのものが変わります。菌を相手にするなら、どの菌に、何秒あてたかを決めなければ結果が意味を持ちません。浸透のほうを見るなら、何と比べて何倍かという形になります。試験条件は、電解水の性質ごとに別で立てるものです。
- 菌を相手にした試験条件:一般細菌と真菌は30秒、エンベロープを持つウィルスは60秒、ノンエンベロープは15秒と30秒と10分。いずれも生菌が検出されなかったという結果が、時間ごとに残っています
- 測る側を外に置く:江東微生物研究所、日本食品分析センター、ユニオンバイテック、日本繊維製品品質技術センターといった検査機関に出しています。同じ水でも、見る項目が違えば出す先が変わります
- 浸透のほうは別の形:この電解水の浸透力は精製水と比べて35倍という自社検証の数字で、秒数ではなく比較対象のほうを書くことになります
測る先を1か所にまとめなかった理由も、選べる装置であることと関係しています。菌を数える試験と、繊維に残ったものを見る試験は、扱う設備も手順も違います。一つの機関に全部を頼むと、その機関が得意でない項目まで同じ精度で出てきたことになってしまいます。イオン種を選び分けたのと同じように、確かめる先も項目ごとに選び分けるほうが筋が通ります。手間は増えますが、あとから引かれたときに答えられるのはこちらです。
秒数が菌の種類でばらばらなのは、都合のよい数字を選んだからではありません。菌の側の作りが違うので、同じ時間で並べると比べたことになりません。条件を揃えるより、条件を書き分けるほうが正確になる場面があります。
イオン種を選べるということは、目的に合わないイオン種をあえて外せるという意味でもあります。強く振りたい用途の水を、犬や猫の体に置く1本に流用しないという判断が、選択肢を持っているからこそできます。何種類もつくれる技術の値打ちは、種類の多さより、使わないほうを決められるところにあります。
選び取ったあとに残る変化は、成分表の短さに出る
犬と猫に向けた1本で、この選択はどこに現れているか。いちばん分かりやすいのは成分表です。mofuwa グルーミングスプレーの成分表には、水しか書かれていません。性質は後から成分を足したものではなく、電解質の選び方と取り出す側の選び方で電解水そのものに入っています。
ペットは体から脂を出します。一日たてば、同じところがまた汚れます。散歩に行けば外の汚れもつきます。それでも毎日シャンプーをするのは手間ですし、サロンに毎日通うこともできません。毎日きれいにしておきたいという願いと、実際に毎日できることのあいだに、空白が残ります。グルーミングスプレーは、その空白を埋めるために置いた1本です。
体に置いた場所は、そのあとその子の口が届きます。飲みものに使う水と同じ規格基準に照らして確かめてあるので、一日に何回までと数えながら使う必要がありません。ブラッシングに入る前に吹いておけば、静電気が起きにくい状態で梳かせます。湯船そのものが負担になる子なら、風呂に入れないという選び方のままでも続けられます。
電解水は電解質を選べる、という話は、技術の自慢話として書くと薄くなります。選べるということは、選んだ理由を説明する責任が残るということです。どのイオン種を選んだか、どんな試験条件で何を確かめたか、測ったのはどこか。ここまで書けるようにしておくために、混ざらない構造のほうが先に必要でした。順番としては、構造、イオン種、試験条件、そして1本です。
一つの技術で何種類もつくれると聞くと、器用な装置を思い浮かべるかもしれません。実際にやっているのは、その反対に近いことです。選べる幅のなかから、犬と猫の体に置く1本ぶんだけを切り出して固定する。残りの選択肢は、使わないまま持っています。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見る本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
