C01ブランド/開発ストーリー

安全は結果ではなく出発点|設計は舐めるところから

公開日 2021年8月8日|文=mofuwa編集部

安全を確かめる順番を入れ替えると、何が変わるか 製品を先に作って安全性をあとから確かめる順番と、舐める前提を先に置いてから設計する順番を、4行ずつ並べて対比した図 同じ材料でも、どちらの順番で決めるかで結論が変わります 順番① つくってから確かめる 先に中身と使い心地を決める あとから安全性を確かめる 足りない分は注意書きで補う 使う量に上限がつく 順番② 舐めるを先に置く 先に口に入る前提を置く 原料の水そのものを試験する 注意書きで補う分が減る 量を気にせず使える ②は決められることが減ります。そのぶんが使ったあとの自由さになります。
順番を入れ替えると、先に固まる場所が変わります。

犬と猫は、体についたものを舐めます。毛づくろいの一部なので、やめさせることはできません。mofuwaのペット用品は、この習性を先に置いてから中身を決めました。できあがったものを試験して安全を確かめる、という順番とは逆です。この記事では、舐めるという前提を先に置いた設計が、製品の何を変えたのかを書きます。

舐めるという習性を、ペット用品の設計の背景に置く

犬と猫は、体についたものを口で確かめます。前足で顔をこすって、その前足を舐める。背中を舐めたついでに、横腹まで舐める。塗った場所だけを器用に避けて舐める、ということはしません。

この習性は、ペット用品の設計では「困った条件」として扱われがちです。だから多くの製品には、使ったあとの注意書きがつきます。乾くまで舐めさせないでください。使用後は拭き取ってください。口のまわりには使わないでください。

Note注意書きは、設計で解ききれなかった部分に出ます

注意書きは使う人への案内ですが、同時に設計で解ききれなかった部分の一覧でもあります。乾くまで見ていてください、と書かれているなら、乾くまでのあいだは飼い主が見張る役をやっているということです。

犬と猫の皮膚は、もう一つ条件を足します。角質層の厚みが人の1/3から1/2とされていて、触れたものが人の肌より入りやすい。口からの経路と、皮膚からの経路の二つを同時に考える必要があります。

mofuwaのペット用品は、この二つをあとから処理するのをやめました。舐めることを設計の出発点に置いて、そこから中身を決めています。安全は、確かめて手に入れる結果というより、最初に書いておく一行に近い扱いです。

安全を先に置くと、試験の対象が変化する

順番を入れ替えて最初に変わるのは、試験の対象です。できあがった製品を試験するとき、測っているのはその容器に入った一つの処方です。原料を試験するなら、そこから派生する製品の全部が同じ土台に乗ります。

mofuwaの原料は電解水です。三室ダブルイン型の電気分解(特許5253483)でつくる水で、電解槽が3つの部屋に分かれている構造のため、電解のために入れた物質が、出てくる水のほうへ混ざりません。

混ざらないぶん、当てられる物差しが変わります。人が飲む飲料に当てはめられる規格基準と同じ項目を、原料の電解水で確認しました。ペット用品に飲料の規格基準を当てる義務はありません。舐めるという経路を先に置いたので、厳しいほうの物差しを自分で選んでいます。

原料の電解水に当てた試験と、その条件
測ったこと試験条件と検査機関
規格基準の項目人が飲む飲料に当てはめられる項目を、原料の電解水で確認(江東微生物研究所)
生菌の有無一般細菌や真菌など複数の菌種を対象に、試験時間30秒から60秒。いずれも生菌は検出されていません(江東微生物研究所/日本食品分析センターほか)
水分の浸透精製水と比べた浸透で、35倍という数値(自社の測定)
Cautionこの試験条件が答えているのは、水のことだけです

生菌の試験は、決められた試験条件のもとで水そのものを測ったものです。犬や猫の体に使ったときに何が起きるかを示したものではありません。特許5253483も技術の登録で、効き目を証明するものではありません。試験の話と、体の話は別に置いてください。

対象が変わると、書けることの範囲も変わります。製品ごとに「この処方は確かめました」と言う形ではなく、原料の段階で一度示しておく形になります。あとから増える製品にも、同じ土台が下敷きとして残ります。

注意書きが減るという、設計上の理由

舐めることを出発点にすると、設計で消えるものと、最初から使えないものがはっきり分かれます。消えたのは、注意書きのほうでした。

一方で、最初から使えなかったものもあります。香りをつける成分、とろみをつける成分、色をつける成分。口に入る前提で選ぶと、この3つはどれも扱いにくくなります。使った瞬間の「効きそうな感じ」は、かなりの部分がこの3つで作られているものです。

設計としては、これで釣り合っていると考えています。使った瞬間の満足感を作る材料を手放して、使ったあとの時間の自由さを取った。どちらを取るかを決めているのは、舐めるという一行です。

浸透しやすい水を扱った経験から決めたこと

舐めることを先に置いた理由は、習性だけではありません。この水が浸透しやすいことも理由の一つです。

精製水と比べた水分の浸透では、35倍という数値が自社の測定で出ています。毛をかき分けた先の地肌まで入りやすいという話ですが、同じことは口に入ったときにも起きます。浸透のしやすさは、都合のいい向きだけを選んで働いてはくれません。

電解水の構造の話を一つだけ書きます。電解槽では、カソード側(マイナス極)に還元水ができ、アノード側(プラス極)に酸化水ができます。三室ダブルイン型は、この二つを、電解質に由来する不純物を混ぜずに取り出すための構造です。

Point浸透しやすいことは、設計の制約にもなります

浸透しやすい水を使うなら、入っても問題にならない中身にしておくしかありません。浸透のしやすさと、足せる成分の自由度は、片方を広げるともう片方が狭くなります。ペット用品としてどちらを広げるかを、先に決めた話でもあります。

この水は、もともと人の医療の現場で使うために研究されてきたものです。人に使う前提の水は、口に入る経路を織り込んだ確かめ方をしてきました。ペット用品に持ってきたときに、その確かめ方をそのまま引き継げたのは大きかったと思っています。

出発点は、いまのグルーミングスプレーに残っている

この設計がいちばん分かりやすく出ているのは、mofuwa グルーミングスプレーです。毎日きれいにしてあげたい、という願いのほうから作られた製品です。

ペットは体から脂を出します。だから昨日きれいにしても、今日また汚れます。散歩にも行かせたい。それでもシャンプーは毎日できませんし、サロンにも毎日は通えません。「毎日きれいに」と「シャンプーは毎日できない」のあいだに、空白が残ります。

グルーミングスプレーは、その空白を埋めるために作られました。スプレーするだけなので手間が増えません。口に入る前提で中身を決めているので、量を気にせずかけられます。ブラッシング用のスプレーも兼ねているので、梳かしはじめる前に全身にかけておくと、毛が跳ねにくい状態から始められます。お風呂そのものが負担になる子には、湯船に入れないという選び方もできます。

舐めるという一行を先に置くと、決められることは減ります。そのぶん、使ったあとの時間を飼い主に返せます。ペット用品の設計として、この取り引きは悪くないと思っています。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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よくある質問

ペット用品の安全性は、どこを見れば分かりますか?
注意書きの量が手がかりになります。乾くまで舐めさせない、使用後は拭き取る、特定の部位には使わない。こうした一行が多いほど、使ったあとに飼い主が管理する部分が残っている製品です。あわせて、試験の名前と検査機関が書かれているかも見てください。
原料を試験するのと、製品を試験するのは何が違うのですか?
答えている範囲が違います。製品の試験はその処方1つについての結果で、原料の試験は、そこから作る製品に共通する土台についての結果です。mofuwaは原料の電解水に、人が飲む飲料と同じ規格基準の項目を当てています(江東微生物研究所)。
浸透しやすい水だと、かけすぎが心配になります。
量の上限を決めなくて済むように、中身のほうを選んでいます。浸透については、精製水と比べて35倍という数値が自社の測定で出ていて、入りやすいことは確かです。だからこそ足せる成分を、口に入っても問題にならない範囲に絞りました。飲ませるための製品ではないので、飲用はしないでください。

本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。