C01ブランド/開発ストーリー
研究は父、経営は息子|役割を分けて待つと決めた日
父が電解水の開発を始めたのは1995年で、息子がそれを事業にしたのは2019年です。あいだの年月を、二人は別々の仕事に使いました。父は証拠を集め、息子は会社の外で経営を覚える。父と息子でこう役割分担を決めて、「少なくとも10年」と約束したところから、株式会社ワンテンスは始まっています。この記事では、その分け方の中身を書きます。
電解水の開発は父、事業は息子という分け方
1995年、父は株式会社レドックスを設立して、電解技術の研究を始めました。目的は犬や猫ではありません。医療の現場で、人のために使うことでした。
研究の対象は、電解水のつくり方そのものです。水に電気を流すこと自体は珍しくありませんが、電解のために入れた物質が、出てきた水のほうに残ってしまう。それを構造で解こうとしていました。のちに三室ダブルイン型の電気分解(特許5253483)として登録された技術です。
息子がこの開発を自分の問題として受け取ったのは、学生のころです。家の中の話として聞いていた技術を、自分の肌で試したのがきっかけでした。それまでは、父の仕事は父の仕事でした。
事業にするなら、誰が何をやるかを決めなければなりません。父と息子という関係は、役割分担をあいまいにしやすい。同じ家の中にいるので、どちらも「必要なら両方やれる」気になってしまうからです。だから先に分けました。
| 父が持ったもの | 息子が持ったもの |
|---|---|
| 電解水のつくり方と、その証拠 | 経営の経験と、一緒にやる人 |
| 大学や研究機関との共同研究 | 会社の外で身につける実務 |
| 技術の側から線を引く役 | 事業の側から時期を決める役 |
父と息子で役割分担を先に決めた理由
分けた理由は、仲が悪くならないためではありません。研究と販売を同じ人が持つと、締切が研究のほうへ降りてくるからです。
売る日が決まっている人が証拠も作っていると、「その日までに出せる結果」を探しはじめます。探す場所が変われば、出てくる結果も変わります。誰かが嘘をつくという話ではなく、そういう力が自然にかかるという話です。
証拠は、売ると決めた人から独立していないと意味を持ちません。父と息子で役割分担をしたのは、この独立を、家族の都合より先に置いたということです。家族だから任せられる、の反対をやっています。
もう一つの理由は、時間の長さです。証拠が揃うまで待つとなると、年単位ではなく十年単位になります。片方が研究と経営の両方を抱えたまま十年待つのは、体力の問題ではなく収入の問題として無理がありました。
「少なくとも10年」という言い方には意味があります。10年経ったら売る、という期限ではありません。10年は売らない、という下限のほうです。期限として置くと、10年目に出せる結果を探す側に戻ってしまいます。
待つ時間に値段をつける、という考え方
役割分担には、値段の話がついてきます。父が研究に専念するなら、そのあいだの生活が要ります。売るものがないので、事業の中からは出てきません。
息子はアクセンチュアに入社しました。コンサルティングの仕事で経営の実務を覚えながら、毎月、給料の半分を父に渡しています。研究に専念してもらうための送金です。
この形にすると、待つことが「何もしていない期間」ではなくなります。毎月の半分が、証拠を作る時間そのものの値段でした。金額が決まっていると、待っている側も、待たせている側も、期間を数え間違えません。
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研究の側に締切を置かない
いつまでに結果を出す、という期限を父の側に渡さない。出るまで待つと決めておく
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生活費を事業の外から入れる
息子が勤め先で稼いだ給料の半分を毎月渡す。売上に頼らない形にしておく
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売る判断は、証拠が揃ってから
証拠が揃うまで事業化しない。この一行を、役割分担と同じ日に書いておく
家族だから無償でやってもらう、という形にはしませんでした。無償にすると、頼んでいる側の立場が強くなります。頼む側が強くなれば、結局そこに締切が生まれます。値段をつけたほうが、役割分担は長持ちします。
15年のあいだに変化したのは、証拠の量でした
15年のあいだに、父の側では20を超える大学や研究機関との共同研究が積み上がりました。一つの研究が終わるたびに、次に確かめたいことが増えていく進み方です。
内容は電解水のつくり方の周辺に広がっていきました。感染症への対策、細胞の再生、歯の再生、農作物の洗浄。目的の違う場所で同じ水を試すと、どの条件で向いていて、どの条件では向かないのかが分かれてきます。
研究が増えると、書けることが増えます。同時に、ここからは言えないという線もはっきりしてきます。試験の条件のもとで水を測った結果は、犬や猫の体に使ったときの結果とは別のものです。この区別がつくまでに時間がかかりました。
息子の側で変化したのは、説明のしかたです。技術を知らない人に技術の話を渡す仕事を、会社の外で覚えました。父の研究を、父の言葉のまま売ることはできません。
そして株式会社ワンテンスを設立します。2019年2月です。父が電解水の開発を始めた1995年から数えると、ずいぶん先の話になりました。役割分担を決めた日からは、約束の10年を5年超えていました。
いまのワンテンスに残っている、分けたままの経験
役割分担は、いまも解いていません。父は技術の側に残り、息子は事業の側にいます。同じ会社の中で、担当が違うままです。
ワンテンスが犬と猫のほうへ向いたきっかけは、助言をもらっていた医師のなかにいた獣医師の提案でした。この電解水を犬猫たちのために役立てることはできないか、という一言です。人のために作られた水のつくり方を、そのまま引き継いでいます。
mofuwa グルーミングスプレーの中身は、その電解水です。毎日きれいにしてあげたいという願いを、毎日やれる形にした製品で、スプレーするだけで終わります。犬も猫も皮脂を出しながら暮らしているので、汚れは一度落として終わるものではありません。それでもシャンプーは毎日できず、サロンにも毎日は通えません。
グルーミングスプレーは、そこに残る空白のほうを埋めています。口に入る前提で中身を決めているので、量を気にせずかけられます。ブラッシング用のスプレーも兼ねているので、梳かしはじめる前に全身にかけておく使い方もできます。父が研究したのは水のつくり方だけで、この使い方までは決めていません。形を決めたのは事業の側です。役割分担は、製品の形にも残っています。
分けたことで、事業になるまでの時間は長くなりました。それでも順番は変えられません。証拠を作る人と、売ると決める人を同じにしない。父と息子でその役割分担を選んだ日に戻ると、ワンテンスのつくり方の理由はだいたい説明がつきます。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- なぜ電解水の開発と事業を、父と息子で分けたのですか?
- 証拠を作る人と、売ると決める人を同じにしないためです。同じ人が両方を持つと、発売日に合わせて出せる結果を探しはじめます。役割分担を先に決めておくことで、研究の側に締切を渡さない形にしました。
- 「少なくとも10年」という約束は、期限だったのですか?
- 下限のほうです。10年経ったら売る、という意味ではなく、10年は売らないという意味でした。実際には約束から15年後、2019年2月に株式会社ワンテンスを設立しています。
- 研究しているあいだ、生活費はどうしていたのですか?
- 息子が勤め先で稼いだ給料の半分を、毎月父に渡していました。売上のない期間の生活費を、事業の外から入れる形です。役割分担を長く続けるために、待つ時間のほうに値段をつけたということでもあります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
