C01ブランド/開発ストーリー
水の硬度が変わると、製品はどう変わるか
「水」とひとことで言っても、中身は場所によって違います。違いを表すのが硬度で、カルシウムとマグネシウムがどれだけ溶けているかを示す数値です。この差は、犬のシャンプーの泡立ちにも、乾いたあとの手触りにも出てきます。この記事では、硬度が製品と仕上がりに与える影響を書きます。
硬度は、溶けているミネラルの量
硬度は、水に溶けているカルシウムとマグネシウムの量を数値にしたものです。単位はmg/L。多いほど硬水、少ないほど軟水と呼ばれます。見た目ではまったく区別がつきません。透明で、においもなく、飲んでも大きな違いは感じない。それでも、洗ったときの振る舞いははっきり変わります。
| 区分 | 硬度の目安 |
|---|---|
| 軟水 | 0〜60 mg/L 未満 |
| 中程度の軟水 | 60〜120 mg/L 未満 |
| 硬水 | 120〜180 mg/L 未満 |
| 非常な硬水 | 180 mg/L 以上 |
日本の水道水は、おおむね軟水にあたります。ただし全国一律ではなく、地層と水源によって差があります。沖縄や関東の一部は比較的高く、関西や北海道の一部は低い、という傾向が知られています。水が地中を通るあいだに、まわりの地層からミネラルが溶け込むためです。石灰質の地層を長く通った水はミネラルを多く含み、そうでない地層を短く通った水は少ないまま蛇口に届きます。同じ都道府県の中でも、水源が違えば数値が違うことがあります。
「同じシャンプーなのに、引っ越してから泡立ちが変わった」という話は、実際によくあります。製品が変わったのではなく、水が変わっている可能性があります。製品を疑って買い替えても、水のほうが原因であれば同じことがくり返されます。引っ越しのあとに使い心地が変わったときは、まず洗い方とすすぎ方を先に調整してみてください。
硬水だと、泡立ちが悪くなる
硬度が高い水で洗うと、洗浄成分の一部がカルシウムやマグネシウムと結びついてしまいます。この結びついたものは泡にならず、洗浄にも働きません。
起きることを順に並べると、こうなります。
-
泡が立ちにくい
洗浄成分の一部が使われずに失われるため、同じ量では泡が足りなくなります。
-
つい量を増やす
泡立たないと足したくなります。結果として使用量が増えます。
-
すすぎに時間がかかる
増やした分だけ、流し切るのに水と時間が必要になります。犬にとっては拘束時間が延びます。洗う工程より、この流す工程のほうが長くなることも珍しくありません。
-
すすぎ残しが起きやすい
毛の密集した体では、もともとすすぎ残しが起きやすい構造です。量が増えるほど残ります。とくに内股、脇の下、しっぽの付け根のように、毛が重なって水が届きにくい場所に残ります。
犬のシャンプーでいちばん皮膚に影響しやすいのは、洗浄成分そのものより「すすぎ残し」だとよく言われます。硬度は、そこに間接的に関わってきます。硬度そのものが何かをするというより、泡立たない→足す→流しきれない、という連鎖の入口になっているという関係です。だから対処も、水を変えることではなく、この連鎖のどこかを切ることになります。
乾いたあとの、ごわつき
もうひとつ、乾かしたあとの手触りにも関係します。
硬水のミネラルは、被毛の表面に残ることがあります。人の髪でも「硬水の地域だと髪がきしむ」と言われるのと同じ現象です。犬の被毛は人の髪より細く、本数が桁違いに多いので、影響が出やすい面があります。
- 手触りがざらつく:一本一本の表面がなめらかでなくなります
- とかしにくくなる:摩擦が増え、ブラシが通りにくくなります
- 絡まりやすくなる:とかしにくい状態が続くと、毛玉に近づきます
- ドライヤーの時間が延びる:ブラシが通りにくいぶん、風を入れながらほぐす手間が増えます
ここは、毎日の手入れの側で先に手を打てます。硬度の高い水で洗った日ほど、乾いたあとのブラッシングが重くなります。mofuwa グルーミングスプレーは、梳かす前に吹いてから使う形のものです。アルカリ性の電解水は油と乳化するので、余分な皮脂と外からついた汚れが浮きます。力を入れてブラシを引かなくても毛が分かれていくので、ざらついた表面を無理にこすらずに済みます。静電気も起きにくい状態で梳かせるため、空気の乾いた冬の室内で毛が逆立つ日にも、ブラシの通り道を作れます。
すすぎの最後に、ためた水ではなく流水でしっかり流すだけでも違いが出ます。乾かす前にミストで湿らせてからとかす方法も、摩擦を減らすのに役立ちます。
製品を作る側では、原料水を管理する
ここまでは洗うときの話でした。作る側の話も書いておきます。
電解水は、原料になる水の中身が変わるとできあがるものも変わります。溶けているミネラルの量が違えば、電気の通りやすさが変わり、電気分解の進み方も変わるからです。同じ装置に同じ時間だけ電気を流しても、入っていく水が違えば、出てくる水も同じにはなりません。原料の水は、材料であると同時に、工程そのものの条件でもあるということです。
そのためワンテンスでは、電解水の製造を自社の国内工場(神奈川県川崎市)で行っています。水を外から買ってきて詰めているのではなく、原料の水から工程の中で管理しているという構造です。
この工程の先にあるのが、ボトルに入った状態の製品です。mofuwa グルーミングスプレーの中身はこの電解水そのもので、家の蛇口の水と違って、季節や地域で硬度が動きません。毎日使うものほど、ここが動かないことの意味は大きくなります。昨日と同じように吹いて、昨日と同じように梳かせる。「毎日きれいにしてあげたい」を実際に毎日続けられるかどうかは、こういう退屈な一定さに支えられています。
「季節や日によって中身が違う」ということが起きないようにするための、地味ですが必要な工程です。使う側から見れば、前に買ったボトルと今回のボトルが同じように使えることが当たり前であってほしい。その当たり前を支えているのが、いちばん手前にある水の工程です。
家庭の水は、変えられない前提として扱う
最後に、飼い主の側でできることを整理します。
水道水の硬度は、住んでいる場所で決まります。変えられない条件だと考えたほうが現実的です。浄水器で硬度が下がるとはかぎりません(多くは塩素や濁りを対象にしています)。
- 泡立ちが悪いときは、量ではなく回数で調整する:一度に足すより、二度洗いのほうがすすぎやすくなります
- すすぎに時間を配分する:洗う時間より、流す時間を長く取ります
- 洗う頻度そのものを見直す:洗う日と洗う日のあいだを毎日のケアで埋められれば、硬度の影響を受ける回数そのものが減ります
- すすぎの最後だけ順番を決めておく:内股・脇の下・しっぽの付け根の順で最後にもう一度流すと、残りやすい場所を通り過ぎずに済みます
3つ目がいちばん大きく動きます。水の性質は変えられませんが、水を使う回数は飼い主の側で決められるからです。散歩から帰るたびに外の汚れは足されますし、体から出る脂は洗った翌日にはもう戻っています。それでも浴室に入れられる日は、週に何回かしかありません。グルーミングスプレーを毎日の手入れに入れておくと、そのあいだの日を蛇口の水を通さずに埋められます。舐めることを前提にした基準で作られているので、使う量を先に決めておかなくても構いません。
もうひとつ、意外と知られていない点があります。硬度は季節でも動きます。水源が河川か地下水かによって、雨の多い時期と少ない時期で数値が変わることがあります。年間を通じて完全に一定というわけではありません。
つまり「うちの水は軟水だから大丈夫」と一度決めてしまうより、泡立ちや手触りの変化を、そのつど観察するほうが実用的です。犬の被毛は、水の変化がいちばん先に出る場所のひとつでもあります。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見るよくある質問
- 水の硬度が高いと、犬のシャンプーにどう影響しますか?
- 洗浄成分の一部がカルシウムやマグネシウムと結びついて泡立ちにくくなります。量を増やしがちになり、すすぎに時間がかかってすすぎ残しが起きやすくなります。乾いたあとの手触りがざらつくこともあります。
- 日本の水道水は硬水ですか、軟水ですか?
- おおむね軟水にあたりますが、地層と水源によって地域差があります。引っ越したあとに泡立ちが変わったと感じる場合、製品ではなく水が変わっている可能性があります。
- 硬度の影響を減らすにはどうすればよいですか?
- 洗浄成分を足すより二度洗いにする、洗う時間より流す時間を長く取る、といった調整ができます。そのうえで、洗う日と洗う日のあいだを毎日のケアで埋めて、洗う間隔そのものを延ばすのがいちばん現実的です。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
