C01ブランド/開発ストーリー

父の会社と一つになった|特許ごと電解水の事業を引き継ぐ

公開日 2022年8月7日|文=mofuwa編集部

明るい日ざしの入る淡い色の床で、眠る灰色の猫のそばに伏せている淡い色の犬
会社の形が変わっても、ボトルの中身のつくり方は変わっていません。写真:Tuấn Nguyễn/Pexels

2021年、ワンテンスは父の会社だったレドックスと経営を一つにし、特許5253483を含む電解水の製造事業を引き受けました。社内で事業統合と呼んでいるのは、この出来事です。研究が始まったのは1995年で、ワンテンスを設立したのは2019年ですから、技術と会社の名前が同じになるまでに26年かかっています。この記事では、レドックスとワンテンスをなぜ二社に分けたままにしていたのか、そして事業統合で実際に何が動いたのかを書きます。

二社に分けておいた時期|レドックスとワンテンスを別の会社にしていた理由

電解水の研究が始まったのは1995年です。父が前身のレドックスを作り、水の電気分解をひとつのテーマとして続けてきました。目的は医療の現場で使うことで、犬や猫は入っていません。1997年に東京大学との共同研究が始まり、そこから細胞の再生医療や創傷治癒のほうへ枝が伸びていきます。この時期のレドックスは、製品を売る会社ではなく、確かめる仕事だけをしている会社でした。

そのあいだに父と交わしていた約束が、エビデンスが揃うまで事業にしないというものでした。ワンテンスを設立したのは2019年2月で、mofuwa の事業はそこから始まります。ただし、このときレドックスは残したままにしました。売る会社と、確かめる会社を、意図して別の名前にしておいたということです。

分けておいた理由は単純です。同じ会社の中に置くと、研究の予定が販売の予定に引っぱられます。来月の出荷を埋めるために試験の条件を緩める、という判断が、悪気なく通ってしまう構造になります。レドックスとワンテンスを二社にしていたあいだは、その通り道がありませんでした。研究の側が「まだ足りない」と言えば、ワンテンス側は待つしかありません。

Note二社に分けていたことの、書く側から見た不便

特許5253483は、事業統合の前はレドックスの資産でした。ワンテンスは技術を使わせてもらう立場で、番号を製品の裏に書くことはできても、その番号を自分のものとして説明する立場ではありません。試験条件を細かく聞かれたときに、答えるために一度父に確認していたのがこの時期です。

2021年に特許ごと引き受けた|レドックスからワンテンスへの事業統合で動いたもの

2021年、レドックスとワンテンスの経営を統合しました。形としては、特許を含む電解水の製造事業をワンテンスが買い取るという事業買収です。社内で事業統合と呼んでいるのは、この2つを合わせた手続きのことです。買ったのは技術の使用許可ではなく、事業そのものでした。

事業統合の前と後で、どこが動いたか
事業統合の前事業統合の後
特許5253483はレドックスの資産ワンテンスが権利ごと引き受けた
試験条件と検査機関の記録は父の側にある同じ会社の中で保ち続ける
電解水の製造は借りている形川崎の工場を含めて自社の責任になる
研究の予定はレドックスが決める製品の予定と同じ表の上で並べる

引き受けた中身のうち、いちばん重いのは特許5253483です。守られているのは水ではなく、水を作る装置の形のほうです。電解槽をカソード室、中間室、アノード室の3つに分け、中間室との境にイオンだけを通す膜を置きます。電解質を中間室に置けるので、電解質からくる不純物が出てくる水に混ざりません。飲みものに使う水と同じ規格基準を当てて確かめられるのは、この部屋の分け方があるからです。

この構造では、できる水が1種類になりません。カソード側には高機能性電解還元水、アノード側には高機能性電解酸化水ができます。どちらを何に使うかは製品ごとの設計の話で、ここでは触れません。特許があるというのは、この装置の形が新しいと認められた登録があるという意味で、効きめが確かめられたという意味ではありません。事業統合で引き受けたのは、この線の引き方も含めてです。

試験条件と検査機関が社内に入った|事業統合のあとに起きた変化

事業統合で手元に来たものの中で、外から見えにくいのに実務がいちばん変わったのは、試験の記録でした。1995年からの26年ぶんの紙です。どの水を、どの濃度で、何秒当てて、どこの検査機関で測ったか。それが条件ごとに分かれて残っています。

たとえば菌を相手にした試験では、30秒や60秒という試験条件ごとに、生菌が検出されなかったという結果が残っています。測ったのは江東微生物研究所、日本食品分析センターといった外部の検査機関です。この種の結果は、条件と測った先の名前を外すと意味が変わります。何秒なのか、何を相手にしたのか、誰が測ったのか。3つのうちどれが欠けても、書いた側にしか分からない数字になります。

同時に、そこから言えないことも記録の中にはっきり書かれていました。これらは水そのものを対象にした試験です。生菌が出なかったという結果は、犬や猫の体に何が起きるかを示すものではありません。浸透のほうも同じで、精製水と比べて35倍という数字は自社で測った検証値で、外部の検査機関が出したものと分けて扱う必要があります。記録を引き受けるというのは、書けることと書けないことの境目まで引き受けることでした。

だから事業統合で増えたのは、権利よりも責任のほうだったと思います。特許5253483の番号を自分の会社の名前で説明できるようになった一方で、試験条件を更新し続ける仕事も、規格基準を毎ロットで確かめ続ける仕事も、ワンテンスの側に移りました。レドックスが26年かけて積んだものを、途切れさせない側に回ったということです。

1本のボトルに残った事業統合|ワンテンスがレドックスから継いだ考え方

レドックスから継いだ考え方を一言にすると、確かめてから出す、という順番です。売れそうだから出す、ではなく、条件を書けるようになったから出す。この順番を守るために二社に分けていたので、事業統合のあとも順番だけは動かさないことにしました。ワンテンスの中に研究の予定と製品の予定が並んだいまのほうが、順番を崩しやすいことは分かっています。

グルーミングスプレーの原料水も、この特許の電解水です。犬も猫も体に付いたものを自分で舐めますし、被毛の根元では毎日皮脂が上がってきます。だから中身をほかの成分で足さず、水だけで組んで、規格基準は清涼飲料水のものを当てて確かめています。毎日吹く前提の1本にできるのは、レドックスの側で先に確かめる仕事が終わっていたからです。

事業統合という言葉は、外から見ると会社の都合の話に見えると思います。実際、飼い主にとってボトルの中身は何も変わっていません。変わったのは、その中身について聞かれたときに、誰が答える立場にいるかというところだけです。グルーミングスプレーの裏に書いてある番号を、いまはワンテンスが自分の名前で説明します。

父の会社と一つになってから、研究の相手先も増え続けています。26年前に医療のために始まった水が、犬と猫の毎日に回ってきた経路は、この事業統合でようやく1本につながりました。

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本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。