C01ブランド/開発ストーリー

仲間が揃うまで、会社にしなかった|2019年2月の設立

公開日 2022年12月25日|文=mofuwa編集部

明るい光の入る部屋で、淡い色の木の床に伏せている金色の毛の犬
ワンテンスの設立が2019年になったのは、待っていたというより、そろえていた時間でした。写真:PicsbyFran/Pixabay

株式会社ワンテンスの設立は、2019年2月です。電解水をつくる研究そのものは、それよりずっと前、1995年に前身の株式会社レドックスで始まっています。技術のほうが先にあって、会社はいちばん最後に立ちました。順番を逆にできた時期は何度もあったはずで、それでも設立を2019年まで置いたのは、証拠と、一緒にやる人の両方が揃うのを待っていたからです。この記事では、2019年2月という時期に何が揃っていたのかを書きます。

技術は先にできていた|ワンテンス設立が2019年になった理由

電解水をつくる研究は、1995年に株式会社レドックスで始まりました。始めたのは片山貴嗣(COO)の父で、当時の目的は人の医療の現場で使うことでした。犬と猫のためのものではありませんでした。水のつくり方は、会社の登記よりもずっと先に手元にありました。それでも株式会社ワンテンスの設立は2019年2月で、あいだが大きく空いています。

会社にするのを止めていたのは、父と息子で交わした約束です。片山貴嗣(COO)は大学生のころに父の電解水を自分の肌で使い、そこから家業を継ぐと決めています。ただ同時に、エビデンスが揃うまで事業化しないと決め、父と「少なくとも10年」という期限の取り方をしました。父はエビデンスを積む側、息子は経営の経験を積み、一緒にやる人を集める側。役割を先に分けてしまったので、どちらか一方が先に終わっても、設立には届きません。

2019年2月の設立までに、二人が分けて持っていたもの
担った人15年で積んだもの設立の条件としての意味
父(研究の側)20を超える大学・研究機関との共同研究と、検査機関での試験技術を社外の基準で測った記録が残る
片山貴嗣(COO)事業会社での経営の経験と、一緒にやる人測った記録を、製品と会社の形にする手が揃う

この分け方をすると、設立の判断はどちらか一方では下せません。記録だけが揃っても、それを製品にして届ける人がいなければ会社は動きません。人が揃っても、根拠のほうが空いていれば何も言えません。2019年は、この二つがはじめて同じ時期に揃った年でした。約束から数えて15年、研究の開始から数えると20年以上が経っていました。

一人で始めない、というワンテンス設立の考え方

電解水100%の製品は、棚に置いただけでは伝わりません。見た目は水で、色もにおいもつけていません。実際に販売を始めてしばらくは、水を売っているという説明のところで話が止まりました。中身が電解水100%であることが、そのままでは理解されなかった。これは設立のあとに本当に起きたことで、事前に想像していたよりも重い足止めになりました。

設立の時点ではっきりしていたのは、この説明を一人で担いきれないということでした。研究の相手先は20を超える大学・研究機関にまたがっていて、分野もばらばらです。歯の再生医療、農作物の洗浄、植物成分の抽出。相手が増えるほど、社内で受け止める人の数が要ります。ワンテンス設立を2019年まで置いた理由の半分は、この人数のところにあります。

Note手元の資料に残っているのは、ここまでです

設立のときの人数や、それぞれがどんな役職だったかを書いた記録は残っていません。あるのは「信頼する仲間とともに設立した」という一行だけです。この記事でも、その一行より内側には踏み込みません。顔ぶれの話ではなく、一人で始めなかったという判断のほうを書いています。

一人で始めるなら、設立はもっと早くできました。つくり方は手元にあり、製品の形にすることもできます。それをしなかったのは、始めた時点の人数が、そのあと何年も事業の上限になると考えたからです。研究の結果を読んで返せる人がいなければ、共同研究は1本で止まります。つくる工程を見られる人がいなければ、注文が増えた分だけ品質がぶれます。ワンテンスの設立が2019年になったのは、待っていたというより、そろえていた時間でした。

2019年の設立の直後に起きた変化|出せない証拠という壁

2019年2月にワンテンスを設立して事業を始めたあと、すぐに別の壁が出てきました。積んできたエビデンスの多くを、そのままの形では外に出せないという壁です。薬機法などの規制があるので、雑貨として売るものに医療の言葉を持ち込めません。揃うまで待った証拠が、揃ったあとで出せない。設立の直前まで想定していた順番は、ここで一度崩れました。

この壁で変わったのは、確かめ方ではなく書き方でした。数値を出すときは、何をどんな条件で測ったのか、どこの検査機関が測ったのかを必ず一緒に置く。条件を書けないものは、数値のほうも書かない。設立の前に積んだ記録は、いまも全部は出していません。出せる形になっているものだけを、条件つきで並べています。

研究の開始からワンテンス設立までの並び 1995年に株式会社レドックスで電解水の研究が始まり、1997年に東京大学との共同研究、2017年に北海道大学農学部での農作物の洗浄と続きます。2019年2月に株式会社ワンテンスが設立され、2021年にはレドックスの電解水製造事業が特許を含めてワンテンスに統合されました。 技術が先、会社があと、という順番になっています 1995年 株式会社レドックスで研究が始まる 目的は人の医療の現場で使うこと 1997年 東京大学との共同研究 外の基準で測る工程がここから続く 2017年 北海道大学 農学部 農作物の洗浄。相手先は20を超える 2019年2月 株式会社ワンテンスの設立 記録と人が同じ時期に揃った 2021年 レドックスの電解水製造事業を統合 特許を含めてワンテンスが引き受ける 記事の日付より後のできごとは載せていません
会社の登記は、この並びのいちばん後ろにあります。

順番として、設立が遅れたことがここで効いています。技術ができた時点で会社にしていたら、出せない証拠を抱えたまま、書き方を一から探すことになっていました。15年のあいだに、外の基準で測ってから出すという習慣が先に身についていた。だから壁にぶつかったときも、測り直すのではなく、書き方の側を直すだけで済みました。2019年の設立が最短ではなかったことが、この一点では働いています。

設立を急がなかった経験が、グルーミングスプレーに残っているところ

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この1本は、量を気にしないで使えるようにつくってあります。犬や猫が舐めることを見込んで設計しているので、かけた場所を舐めても差し支えありません。入っているのは水です。ブラッシングの前に吹いておけば、静電気が起きにくい状態で梳かせます。お風呂そのものが負担になっている子には、湯船に入れないという選び方もあります。

毎日使うものは、切れると困ります。ここに、設立を急がなかった経験が残っています。毎日かけてくださいと書く製品は、つくる側が毎日つくり続けられないと成り立ちません。2019年2月の設立まで、確かめる側とつくる側と届ける側を先にそろえたのは、あとから足すと途中で止まるからです。グルーミングスプレーを長く同じ条件で出せているのは、会社の形をこの順番で組んだ結果だと考えています。品数を増やす速さより、切らさないほうを選んできました。

ワンテンスの設立が2019年だったことは、製品を選ぶときの手がかりにはならないと思います。ただ、毎日体にかけるものの後ろに何年ぶんの準備があったのかは、書いておきたいところでした。会社の形より先に、外の基準で測った記録のほうが積まれていた。いま手に取れる1本は、その順番のまま出ています。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。