C01ブランド/開発ストーリー

水をつくった人が、いまも社内にいる|技術顧問という立場

公開日 2023年2月19日|文=mofuwa編集部

明るく清潔な部屋で、やわらかいクリーム色の敷物に落ち着いて座っている淡い色の犬
つくり方を考えた人が社内にいるかどうかは、1本の均一さに効いてきます。写真:SophiaMartin/Pixabay

株式会社ワンテンスには技術顧問という役職があり、就いているのは、この電解水を開発した本人です。1995年に前身の株式会社レドックスで研究を始めた人で、片山貴嗣(COO)の父にあたります。つくり方を考えた開発者が、いまも同じ会社の中にいる。ブランドの背景としては地味な事実ですが、製品の均一さにはいちばん直接つながっているところだと考えています。この記事では、その席が何をしているのかを書きます。

電解水の開発者が、ワンテンスの技術顧問になった背景

電解水の開発が始まったのは1995年、株式会社レドックスでのことです。始めたのは片山貴嗣(COO)の父で、当時の目的は人の医療の現場で使うことでした。犬や猫のためのものではありません。この開発者が、いまは株式会社ワンテンスの技術顧問という席に就いています。つくり方を考えた本人が、製品を売っている会社の中にいる。これが、この記事で書きたい1つの事実です。

もともと、開発者と事業は別の会社に置かれていました。技術をつくるレドックスと、製品を出すワンテンス。2019年にワンテンスが設立されたあとも、しばらくはその形が続きます。変わったのは2021年です。レドックスの電解水製造事業を、特許を含めてワンテンスが引き受けました。ここで、技術と開発者と製品が同じ会社の中に並びました。

電解水の開発者の立場が、どこに置かれてきたか
時期開発者がいた場所ワンテンスから見た関係
1995年から株式会社レドックスワンテンスはまだ存在しない
2019年からレドックス別の会社どうしのやりとりになる
2021年からワンテンスの技術顧問同じ会社の中で、技術の側だけを見る立場

技術顧問という肩書は、経営の決裁に入る立場ではありません。技術の側だけを見る置き方です。父が研究、息子が事業という分け方は2019年の設立より前からのもので、2021年に会社を一つにしたあとも、肩書のうえではそこが動いていません。役割は分けたまま、会社だけを一つにした形です。手元の資料に残っているのは役職と時期までなので、その裏側にどんなやりとりがあったのかは書けません。

つくり方を社外に置かない理由|技術顧問という立場の意味

電解水は、つくり方を一度決めたら終わりという技術ではありません。特許5253483の3室ダブルイン型は、電解槽をカソード室、中間室、アノード室の3つに分ける構造です。部屋を分けてあるので、加えた電解質に由来するものが水の側に残りません。残らないので、電解質のほうを目的に合わせて選べます。選べるということは、毎回選ぶ人が要るということでもあります。

ここが、開発者を社外に置いたままにできない理由です。電解質を変えれば水の性質が変わり、変わったぶんを測り直すことになります。どの条件で測ればいいのか、どこまでを同じものとして扱えるのか。この線引きは、つくり方を考えた本人がいちばん速く答えられます。ワンテンスが技術顧問という席を用意しているのは、この往復を社内で閉じるためだと考えています。

つくり方を社外に置いた場合と、開発者が社内にいる場合 つくり方を社外に置くと、条件を変えるたびに会社をまたいだ問い合わせが必要になり、測り直しの範囲を資料から推測することになります。開発者が社内にいると、条件を変えた分をその場で測り直せ、過去の試験条件を記録と本人の両方から確かめられます。 同じ技術を、どこに置くかだけを入れ替えた比較です つくり方を社外に置いた場合 条件を変えるたびに会社をまたいで聞く 測り直しの範囲を資料から推測する 書ける範囲の線引きが後追いになる 開発者が社内にいる場合 変えた条件を、その場で測り直せる 過去の試験条件を本人にも確かめられる 出す前に、書けない数値を止められる 2021年の事業統合で、右側の形になりました
違いは速さより、確かめられないことが早く分かるところに出ます。

はっきりした違いは、答えが返ってくる速さのほうではありません。答えが出ないという結論が、早く出るところです。測っていないことは測っていない、と言える開発者が社内にいる。コラムで数値を出すときに試験条件と検査機関を必ず添えているのも、この確かめ方が社内にあるからです。条件を書けないものは、数値のほうも出しません。

開発者が社内にいると、何が変化するのか

2021年より前と後で、ワンテンスの側で変化したことを1つ挙げるなら、確かめる工程が社内に入ったことです。特許と製造の事業がワンテンスに移り、開発者が技術顧問として同じ会社にいる。つくる、測る、届けるが、同じ会社の中に並びました。この並びは、製品を1つ増やすときの手数に直接出てきます。

いまのmofuwaは、2つの水から派生した製品の集まりです。汚れを動かす側の水と、肌に届ける側の水。そこに形と成分を足していきます。水のところから毎回やり直していないので、製品が1つ増えても、確かめ直す範囲が水まで戻りません。この形を保てているのは、水の側を見ている開発者が固定されているからです。担当が入れ替わるたびに解釈がずれる、という種類のぶれが起きません。

開発者が社内にいることで、会社の中に残るものを並べるとこうなります。

開発のきっかけまでさかのぼると、この水は人の医療の現場のために生まれています。犬と猫に向けたのは、ずっとあとのことです。もとの目的を知っている人が社内にいると、用途が増えても出発点のほうが動きません。ワンテンスの説明が、毎回つくり方のところから始まるのはそのためです。技術顧問という席は、その出発点を預かる席でもあります。

技術顧問がいる会社の経験が、1本のスプレーに残っているところ

いちばん多く使われているのは、グルーミングスプレーです。毎日きれいにしてあげたい、という願いを、実際に毎日やれる形にした1本です。犬でも猫でも体から脂が出るので、昨日ふいたところが今日また汚れます。毎日のシャンプーは現実的ではありませんし、サロンに毎日通うこともできません。スプレーして梳かすだけなら、毎日の手のなかに入ります。

入っているのは水です。犬や猫が舐めることを見込んで設計しているので、かけた場所を舐めても差し支えありません。だから量を気にしないで使えます。ブラッシングの前に吹いておけば、静電気が起きにくい状態で梳かせます。お風呂そのものが負担になっている子には、湯船に入れないという選び方もあります。

この設計は、水の性質をほとんどそのまま使っています。余分な皮脂や油と乳化する側の水なので、強くこすらなくても汚れが浮きます。足しているものが少ないぶん、水の側の条件が動けば、製品のほうもそのまま動きます。だからグルーミングスプレーの均一さは、水のつくり方を見ている人が社内にいるかどうかに、かなり素直につながります。技術顧問という席は、そのために空けていない席だと考えています。

開発者が社内にいます、という話は、店頭では何の役にも立ちません。ただ、毎日体にかけるものが去年と同じ条件でつくられているかどうかは、確かめる人がいるかどうかで決まります。ワンテンスがその席を置いたままにしていることだけ、書いておきたいと思いました。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。