C01ブランド/開発ストーリー
塗っても舐めて取れてしまう|家で続けられるものがなかった
病院で出された塗り薬のチューブが、1本使い切らないまま引き出しに残っていることがあります。1日2回と言われて受け取って、2日目の夜にはもう塗っていない。手を離した先で舐めて取れるところを見てしまうと、次に塗るときの手が止まります。ペットの塗り薬をめぐって家でいちばん多く起きているのは、この中断のほうです。この記事では、mofuwaの開発が始まる前に空いていた場所を、家へ渡されるものが飲み薬と塗り薬の2つだけだった時期から書きます。
引き出しに残るチューブ|ペットの塗り薬が家で続かない背景
塗り薬は、たいてい1日2回と言われて渡されます。朝と夜、気になる場所へ薄く伸ばす。それだけのはずが、指を離して立ち上がったころには、その子の顔が同じ場所へ向いています。塗り薬が舐めて取れるところを一度見てしまうと、次の1回の手が止まります。いま毛の上にどれだけ残っているのかは、上から見ても分かりません。
手が止まるのは、根気が足りないからではありません。確かめようがないからです。舐めて取れた分が分からないので、足していいのかどうかも決まりません。口に入った分の心配も、そこに重なります。1日2回の指示が2日目には1回になり、3日目にはチューブが引き出しへ戻る。ペットの塗り薬で家がいちばんつまずくのは、塗り方ではなく続け方のほうです。
犬と猫は、毛づくろいで体の表面を口で確かめる動物です。塗った場所だけを器用に避けて舐める、ということはしません。角質層の厚みは人の1/3から1/2とされていて、触れたものが人の肌より入りやすい。ペットの体には、口からの経路と皮膚からの経路が同時に開いています。
続いているかどうかは、記憶より残量のほうが正直です。2週間たってもチューブがほとんど減っていないなら、途中で回数が落ちています。減りが止まった日を思い出せると、何が引き金だったかも一緒に出てきます。舐めて取れるのを見た日、家族が代わりに塗った日、出かけていて1回抜けた日。
続かないことの損は、塗れなかった日数そのものより、比べる材料が残らないことのほうにあります。2週間続けてはじめて、前と比べてどうかという話ができます。3日で止まると、その子の側にも紙の側にも何も残りません。ペットのケアで家が持てる材料は、続けた日数だけです。
飲むものと塗るものの2列しかない|ペットの塗り薬をめぐる考え方
病院から家へ持ち帰るものは、長いあいだ2種類でした。飲むものと、塗るものです。どちらも家で使いますが、家の側でつまずく場所は違います。
| 渡されるもの | 家でやること | 先に来ること |
|---|---|---|
| 飲むもの | 決まった時間に口へ入れる | 肝臓の負担を心配して飲ませたくない、という声が出ます |
| 塗るもの | 気になる場所へ伸ばす | 舐めて取れることと、口に入ることが同時に起きます |
| 毎日続けるもの | 場所を選ばずに手に取る | この列そのものが、長いあいだ空いていました |
飲むものを渋る飼い主は少なくありません。長く飲ませることへの抵抗は、たいてい肝臓の話として出てきます。ペットの体の大きさに対して量の重みが変わるので、飲ませる側は毎回それを考えます。塗るものが選ばれやすいのは、その心配が皮膚の外側で済むからです。
ところが塗るものの多くは、口に入る前提でつくられていません。だから注意書きが増えます。乾くまで舐めさせないでください。使用後は拭き取ってください。口のまわりには使わないでください。書かれたとおりにやると、塗ったあとの数分を飼い主が見張る係として過ごすことになります。ペットの塗り薬が舐めて取れる話は、この見張りの時間ごと家の手数に乗ってきます。
病院に行っても、家で毎日続けられるものがない。mofuwaの開発が始まる前に空いていたのは、この場所です。診断と処方の側は動かせません。動かせるのは、家で毎日手に取るものの中身のほうでした。ペットの塗り薬の代わりを用意するという考え方ではなく、空いている3列目をつくるという考え方です。
つくり方の側が先に揃っていた|電解水がペットへ向くまでの経験
空白が見つかってから水をつくった、という順番ではありません。逆でした。水のつくり方のほうが、20年以上先にできています。
電解水の開発は父の代です。前身の株式会社レドックスが1995年に立ち上がり、そこで生まれたのが3室ダブルイン型の電気分解技術でした。目的は医療の現場で、人の患者の生存率を上げること。犬や猫のことは、この時点のどこにも入っていません。もともと過酷な環境で使うために研究された技術で、医療の現場や自衛隊でも使われてきました。
株式会社ワンテンスができたのは2019年です。事業を始めてすぐ、助言をもらっていた医師のなかにいた獣医師から、この電解水を犬や猫のために役立てられないかという提案を受けます。mofuwaのきっかけは、ペット用品をつくろうという計画ではなく、この一言でした。ここから、舐める場所へ届かせるものとして mofuwa スキンケアミストが、毎日の全身に使うものとして mofuwa グルーミングスプレーが出てきます。
3室ダブルイン型の電解槽(特許5253483)は、槽を3つの部屋に分けて、電解のために入れた物質が取り出す水の側へ混ざらないようにした構造です。2方向から水を入れて効率を上げています。ワンテンスという社名も、この細かさから来ています。ナノレベルのさらに1/10という単位で水を扱えることを、そのまま名前にしたものです。
舐めて取れても困らない中身へ|ペットの塗り薬から借りた変化
ペット用に向けるとき、足したものはありません。減らしたほうです。中身を水だけにすると、香りもとろみも色も置けなくなります。使った瞬間の手ざわりや、いかにも効きそうな感じは、この3つでつくられている部分が大きい。舐めて取れることを弱点にしないなら、取れても困らない中身にしておくしかありません。
- 見張る時間が消える:乾くまで舐めさせないでください、という一行を書かずに済みます。塗ったあとに飼い主がその場を離れられます
- 量の上限を書かなくてよくなる:適量という言葉を使わずに済みます。足りないと思ったら重ねてかけられます
- 使えない場所の指定が減る:口のまわりや耳のふちのような、その子がいちばん舐める場所が、そのまま使える場所になります
確かめ方の側も、製品ごとではなく原料の水で持っています。人が飲む飲料に当てはめられる規格基準の項目を、原料の電解水で確認しました。菌については、16の菌種とウイルスを対象に、試験時間30秒から60秒で生菌が検出されなかったという結果があります(江東微生物研究所/日本食品分析センター/ユニオンバイテック/日本繊維製品品質技術センター)。水分の浸透は、精製水と比べて35倍という自社の測定値です。
生菌の試験は、決められた試験条件のもとで水そのものを測ったものです。犬や猫の体に使ったときに何が起きるかを示した数字ではありません。特許5253483も技術の登録で、効き目を示すものではありません。診断と処方は動物病院の領域で、そこは家のケアで置き換えられません。その上に毎日を重ねるための話として読んでください。
ペットの塗り薬から借りたのは、成分ではなく順番のほうです。舐めるという条件を先に置き、そのあとで中身を決める。この順番で組むと、決められることは目に見えて減ります。減ったぶんが、使ったあとの時間になって戻ってきます。
面を毎日、点はそのつど|2本の分け方に残ったもの
mofuwa グルーミングスプレーは、毎日きれいにしてあげたいという側から生まれた1本です。犬も猫も体から脂が出ます。前の晩にきれいにしても、朝には同じ場所が戻っています。散歩に行けば、そこに土やほこりも乗ります。それでもシャンプーを毎日やるのは手間がかかり、サロンへ毎日通うこともできません。足りていないのは気持ちではなく、毎日やれる手段の側です。
吹いて梳かすだけなので、手数が増えません。舐める前提でつくっているので、かけた量を数える必要もありません。ブラッシングの前に全身へ吹いておけば、毛が跳ねにくい状態から梳かしはじめられます。湯につかること自体が負担になる子は、洗う日と洗う日のあいだが長くなっても、手当てが途切れません。
スキンケアミストのほうは、面ではなく点へ向けた1本です。耳のふち、口のまわり、目のまわり、肉球。ほかのものを置きにくい場所にこそ届きます。ペットの塗り薬が舐めて取れる場所と、この1本が届く場所は、ほとんど同じところです。取れることを前提にして中身を決めたので、同じ場所が弱点ではなくなりました。
| 家でやること | 入っているもの |
|---|---|
| 全身を毎日、量を数えずに | グルーミングスプレー(還元水の側) |
| 気になる1か所へ、そのつど | スキンケアミスト(酸化水の側) |
| 診断と処方 | ここは動物病院の側に残ります |
開発のきっかけは、技術の自慢ではありませんでした。塗っても舐めて取れて、家で続けられるものがない、という空白のほうです。つくり方は父の代からありました。その水を向ける先が見つかるまでに、1995年から24年かかっています。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見る本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
