C01ブランド/開発ストーリー
友人何十人に配って、誰も評価しなかった|学生時代のこと
学生のころ、父がつくった電解水を小さな容器に詰めて、友人へ配っていました。配った人数は何十人になります。返ってきたのは「水道水と何が違うの? 買いたいんだけど100円くらいかな?」という言葉でした。肌の荒れが落ち着いたと言ってくれた人はいましたが、技術として評価されないという結果は動きませんでした。この記事では、友人に配った電解水が評価されないまま終わった理由と、そこから15年かけて何を揃えたのかを書きます。
学生のころ、電解水を友人へ配っていた背景
電解水の研究を始めたのは父です。前身の株式会社レドックスで、1995年に始まっています。目的は医療の現場で使える水をつくることで、そのころの計画に犬や猫は入っていません。私はそのとき学生で、慢性的な敏感肌に悩んでいました。父から技術の話を聞いて、自分の肌に電解水を塗ってみたのが最初です。しばらく続けたあとの手ざわりが以前と違っていて、その実感が、家業に関わろうと決めたきっかけになりました。
実感があると、人に渡したくなります。小さな容器に電解水を詰めて、大学の友人に配りました。配った人数は何十人です。学生のうちに手渡せる相手は同級生とその周りしかいないので、心当たりのある顔には全部渡したことになります。渡すときにこちらが添えられたのは、父の技術の名前と、自分の肌で感じたことだけでした。
ここに書いている変化は、私自身が感じたことです。製品が体に働いたという説明にはなりません。ペット用のケア用品も人向けの化粧品も、体の状態を変えると書ける仕組みの外にあります。体験と効き目は、切り離して読んでください。
試験条件も、検査機関に出した記録も、そのときは何一つ持っていませんでした。手元にあったのは、父の装置から出てくる電解水と、自分の肌で起きたことの記憶だけです。いま振り返ると、友人に渡していたのは水そのものであって、その水について言えることは何も渡していません。
評価されないという結果が返ってきた理由
友人からの反応は、大きく2つに分かれました。ひとつは、肌の荒れが落ち着いたという声です。もうひとつが「水道水と何が違うの? 買いたいんだけど100円くらいかな?」という言葉でした。前者があったので、何の反応もなかったわけではありません。それでも、電解水という技術のほうを評価してくれた人は一人もいませんでした。
| 返ってきた言葉 | こちらが示せたこと |
|---|---|
| 肌の荒れが落ち着いた | その人の感想。条件を揃えて比べたものではなかった |
| 水道水と何が違うの | 違いを測った数字を、一つも持っていなかった |
| 100円くらいかな | 値段の根拠になる材料を渡せていなかった |
| とくに何も変わらない | 変わらなかった理由のほうも説明できなかった |
並べてみると、評価されない原因は水の側にありませんでした。渡した側が、確かめた条件を一つも持っていなかったというだけのことです。手ざわりの記憶は自分の中にしかなく、他人の手に渡った時点で比べようがなくなります。
配れるものがあることと、渡せる説明があることは、別に用意しなければなりません。このとき分かったのは、電解水そのものよりも、電解水について言えることが足りていないという事実でした。友人に評価されないままだったのは、いま振り返っても妥当な反応だったと思います。
しかも、評価されないという結果は、続けていれば変わるものでもありませんでした。配る相手を百人に増やしても、渡せる材料が同じなら返ってくる言葉も同じです。人数を増やして解ける問題ではありませんでした。配るのをやめたのは、断られたからではなく、渡す前に揃えるものがあると分かったからです。
評価されないまま10年を見込むという考え方
そこで父と決めたのが、エビデンスが揃うまで事業にしないという線です。そのとき交わしたのが「少なくとも10年」という約束でした。10年を期限として置いたわけではありません。どんなに早く進んでも、外に出せる材料が揃うまでに10年はかかるという見積もりのほうです。
先に売って、あとから材料を揃える道も、当時はありました。友人の反応が、その道を閉じたと思っています。説明を持たないまま水を並べれば、100円という値付けが返ってくる。それは買う側にとって正しい判断です。評価されない状態のまま商売を始めれば、評価されないことを前提にした値段と説明が、そのままついてまわります。
- 父が受け持ったこと:電解水そのものの研究を続け、外の機関に出す試験を積んでいくこと
- 自分が受け持ったこと:勤め先で経営を覚え、いっしょに始められる人を探すこと
- 二人で決めたこと:材料が揃うまで、製品として世に出さないこと
この10年以上のあいだに、電解水は20を超える大学・研究機関との研究に入っていきます。1997年に始まった東京大学との共同研究、2003年に渡辺一彦小児科医院へ導入された電解水の製造システム。学会では2002年9月の創傷治癒世界会議、2003年3月の世界水フォーラムで発表されています。どれも、友人に配っていたころには存在しなかった材料です。
医療や研究の現場で使われてきたという経緯は事実ですが、mofuwaの製品が病気に働くという意味にはなりません。ペット用のケア用品は雑貨で、効き目を審査する仕組みそのものがありません。経緯は経緯として読んでいただければ十分です。
評価の材料が揃ったあとに起きた変化
株式会社ワンテンスができたのは2019年2月です。友人に配っていたころから数えると、約束した10年の1.5倍以上が過ぎていました。変わったのは水ではありません。同じ電解水について、条件をつけて書けるようになったという変化です。
たとえば、つくり方を番号で示せます。特許5253483の3室ダブルイン型は、電解槽をカソード室・中間室・アノード室の3つに分け、あいだをイオン交換膜で仕切った構造です。電解質が入るのは中間室で、膜を越えられるのはイオンだけです。そのため、取り出した水のなかに電解質そのものは残りません。できあがるのは、カソード側の還元水とアノード側の酸化水です。清涼飲料水の規格基準に照らして確かめられるのは、この部屋の分かれ方があるからです。
- 試験条件:一般細菌は30秒、エンベロープを持つウィルスは60秒という条件で検体を採っています
- 結果の書き方:いずれの条件でも、生菌は検出されませんでした
- 検査機関:江東微生物研究所、日本食品分析センターなど、外の機関に出した記録として残っています
- 浸透:精製水と比べたときの値は35倍。自社の試験値なので、出どころも一緒に書きます
そして、その水がそのまま入っている1本が mofuwa グルーミングスプレーです。犬や猫の体は毎日脂を出します。前の日に拭いても、翌朝には同じ場所が汚れています。散歩に出れば、そこに土やほこりも乗ります。毎日シャンプーをするには手間が要りますし、サロンへ毎日連れていくこともできません。やりたい頻度と、できる頻度がずれているところに、この1本が入ります。
グルーミングスプレーは、その差を吹くだけで埋められる形にしています。吹いた場所はその子がそのまま舐めるので、中身は電解水だけです。だから量を数えながら使う必要がありません。ブラシを入れる前にひと吹きしておくと、静電気の起きにくい状態から梳かしはじめられます。湯につかること自体が負担になる子には、洗う日と洗う日のあいだが長くなっても、手当てが途切れない形が残ります。
友人が電解水を評価しなかったことを、失敗だったとは思っていません。あのとき渡せたのは水だけで、その水の何がどう確かめられているかは、何も渡せていませんでした。いま同じ人に同じ水を渡すなら、試験条件と検査機関の名前を一緒に置けます。評価されないという反応を動かしたのは、水の中身ではなく、添えられる材料の側でした。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見る本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
