C01ブランド/開発ストーリー
創傷治癒の研究は、現場の気づきから始まった
電解水の研究テーマに、傷のことは最初から入っていませんでした。1995年に始まった研究の目的は、医療の現場で人の患者のために使うことでした。創傷治癒という分野が加わったのは、別のテーマを確かめている途中で、現場の医師から見立てが出たからです。この記事では、その気づきが研究の形になるまでの手順と、そこで得たことを犬と猫の記事にどう書くかを整理します。
創傷治癒より前にあった、電解水研究の背景
電解水の研究が始まったのは1995年です。前身の株式会社レドックスで、いまワンテンスの技術顧問を務める片山晶彦が、3室ダブルイン型の電気分解技術(特許5253483)の開発に取りかかりました。目的は医療の現場で使うことで、犬や猫のケア用品は視野に入っていません。
1997年からは東京大学との共同研究が動きます。テーマは2つで、細菌やウィルスへの感染症対策と、細胞の再生医療でした。創傷治癒という言葉は、このどちらにも入っていません。研究計画の上では、傷の治りを見ることになっていなかったのです。
3室ダブルイン型という構造のほうも、傷のために考えられたものではありません。電解槽をカソード室・中間室・アノード室の3つに分け、あいだをイオン交換膜で仕切ると、電解質から出る不純物が電解水の側に残りません。カソード側からは還元水、アノード側からは酸化水が取れます。狙いは混ぜものの入らない水を取り出すことで、何に使うかはそのあとの話でした。
1995年からの研究は、人の患者に向けたものです。犬や猫の傷について何かを示したものではありません。mofuwaの製品は雑貨にあたるため、効き目を審査する仕組みがありません。研究の経緯と、製品に書けることの範囲は別々に読んでください。
現場の気づきが研究のテーマになるまでの経験
きっかけは、決めた項目を測っている最中に出てきました。電解水で洗った箇所の傷口の補修が、ふだんより早いのではないか、という見立てが現場の医師から出たのです。測るつもりのなかった項目でした。ここから、創傷治癒という分野の研究が派生していきます。
ただ、気づきはそのままでは研究になりません。見立てを研究の形にするには、決め直す作業が入ります。何を対象にするのか、どれだけの時間で見るのか、どこが測るのか。この3つを置き直したところから、やっと比べられる数字になります。
- 対象を決める:見立ては「ふだんより早い」という比較です。何と比べたのかを決めないと、早いかどうかの判定ができません
- 時間を決める:除菌の試験なら一般細菌は30秒、エンベロープのあるウィルスは60秒と区切って、そのあとに生菌が検出されるかを見ます。傷の話は、これより長い時間をとる必要がありました
- 測る相手を決める:自社で測った数字と、外部の検査機関が測った数字は別に扱います。江東微生物研究所や日本食品分析センターに出しているのは後者です
- 水の側を固定する:電解質の選び方で働きが変わる水なので、どの条件で作った水なのかを先に固定しないと、結果がぶれます
この経験からいちばん強く残ったのは、研究のテーマは計画表の外から来ることがあるという点です。狙って見つけたのではなく、現場で人が気づいて、それを条件に落とし直したから研究になりました。20を超える大学・研究機関との研究が続いているのも、こうやってテーマが増えていった結果です。
創傷治癒の研究を製品の言葉に持ち込まない考え方
ここからが線引きの話です。創傷治癒の研究があるからといって、犬や猫のケア用品の説明にそれを使うことはできません。研究の対象は人で、場所は医療の現場です。家庭で犬と猫に使う雑貨とは、前提がまるごと違います。
| 書ける | 書けない |
|---|---|
| 創傷治癒の研究が、別の検証の途中から派生したという流れ | 傷の治りが早くなるという言い方 |
| 1997年から東京大学との共同研究が動いていたという事実 | 手術や治療の場面を具体的に描くこと |
| 研究の結果が出るまでに、条件を決め直した手順 | 人の医療で得た数字を、犬猫の製品の根拠に置くこと |
| 治りにくいと言われる状態がある、という状態の説明 | 電解水で治る、という製品を主語にした言い方 |
だから、こう書くことはできません。電解水で傷が治ります。一方で、「治りにくいと言われている」という状態の説明は書けます。主語が製品ではなく状態のほうにあるからです。治療は獣医療の領域で、記事が扱えるのは家でできることまで、という線になります。
研究が積み上がると、書けることが増えるように思えます。実際は逆で、研究が進むほど、どの条件でしか言えないかがはっきりします。だから記事のほうは、試験条件と検査機関を添えた形だけに絞られていきます。書ける範囲が狭く見えるのは、確かめた範囲を正確に写しているからです。
研究の置き場所が増えたことで起きた変化
創傷治癒が加わったことで、電解水の研究は「感染症対策の水」という枠から外に出ました。以降は歯の再生医療、農作物の洗浄、家畜の感染症対策と、扱う場所が増えていきます。水を1つの用途に結びつけない、という進め方になったのはこのあたりからです。電解質の選び方で働きが変わる水だと分かっていたから、置き場所を変えて試せました。
置き場所が増えると、同じ電解水でも見る項目が変わります。農作物なら洗ったあとの見た目や落ち方、家畜の現場なら試験条件を決めた除菌の数字、人の肌なら長く使い続けたときの記録。見る項目が変わるたびに、また条件を決め直すところから始めることになりました。手間ではありますが、この繰り返しが20を超える研究の中身にあたります。
犬と猫に向けた製品でも、引き継いだのは結果ではなく条件のほうです。肌に触れる水として、どこまで詰めてあるか。浸透については精製水の35倍という自社の試験値があり、成分は水だけなので、飲料の水に求められる規格基準に照らして確かめられています。傷の話は持ち込まず、水の条件だけを引き継ぎました。
その条件が、いまの使い方の形を決めています。グルーミングスプレーは、毎日きれいにしてあげたいという気持ちを毎日やれる形にしたものです。ペットは体から脂を出すので、昨日ふいた場所が今日また汚れます。かけた場所を犬と猫は舐めますが、舐めることを先に前提として置いた設計なので、量を気にせず使えます。ブラッシングの前にグルーミングスプレーを使えば、静電気の起きにくい状態で梳かせます。
研究の入り口が現場の一言だったという話は、製品の作り方にも残っています。計画表に書いてあることだけを追っていたら、創傷治癒の研究は始まりませんでした。使っている人が気づいたことを拾って、条件に置き直して確かめる。その順番を変えないまま、いまは犬と猫のケアの場所でそれをやっています。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見る本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
