C01ブランド/開発ストーリー

電解槽を3つに分けるという発想の出どころ

公開日 2024年7月7日|文=mofuwa編集部

電解質という弱点を、どう外したか 水を電気分解するには電解質が要るが、それが取り出す水に混ざってしまう。部屋を分けて閉じ込めるという解き方を示した図 電解質 が要る 混ざる 不純物に 分ける 3つに 電気を通すために入れる 中間室に閉じ込める 一室・二室で起きること 入れた電解質が、取り出す水に そのまま混ざる 三室ダブルイン型 電解質は中間室にとどまり、 両側には目的のイオンだけが動く
部屋を増やすという解き方は、効率のためではなく、混ざり物をなくすためでした。

水はそのままでは電気を通しにくいので、電気分解するには塩などの電解質を加えるのがふつうです。ここまでは教科書どおりなのですが、加えた電解質に由来する不純物が、そのまま製品に混ざります。電解水そのものは古くからある技術なのに、飲めるほどの基準を満たすものが広く出回っていないのは、この一点のためでした。三室ダブルイン型(特許5253483)は、そこを外すために生まれた構造です。

電解水の弱点は、電解質だった

水はそのままでは電気を通しにくいので、電気分解するには電解質を加えるのがふつうです。塩などを入れて電気を流れやすくする。ここまでは教科書どおりです。

問題は、そのあとに残ります。加えた電解質に由来する成分が、できあがった電解水のなかに残ってしまう。洗浄用途なら問題にならない量でも、口に入ることを前提にすると話が変わります。

医療の現場で使うことを目的にしていた以上、ここは避けて通れませんでした。効率を上げる前に、まず混ぜないこと。これが最初の設計課題でした。

ちなみに、この課題は電解水に限った話ではありません。何かを取り出すために別のものを加えると、加えたもののほうが残る。洗浄剤を落とすためにすすぎが要る、という話とまったく同じ構造です。足したものを、どう回収するか。ものづくりでは繰り返し出てくる問いだと思います。

回収の方法は、大きく2つに分かれます。あとから取り除くか、はじめから混ぜないか。取り除く側は工程が増え、どこまで取れたかを毎回確かめる必要が出てきます。混ぜない側は、装置そのものを作り直さなければなりません。どちらが楽ということはなく、どこに手間を置くかという選択です。

部屋を分ける、という解き方

三室という形は、ここから決まりました。たどり着いたのは、電解槽そのものを分けるという構造でした。1つの槽で電気分解するのではなく、3つの部屋に分ける。

三室ダブルイン型電気分解の構造 カソード室と中間室とアノード室の3つに分かれ、あいだにイオン交換膜があります。電解質は中間室に入れ、両端の部屋には超純水だけを流します。 電解質は中間室に入れ、両端の部屋には超純水だけを流す カソード室 マイナス極側 超純水 高機能性電解還元水 中間室 ここに電解質を入れる 電解質 アノード室 プラス極側 超純水 高機能性電解酸化水 +イオンだけが通る膜 −イオンだけが通る膜 特許5253483「3室ダブルイン型電解システム」の構造にもとづく(図はmofuwa編集部が作成)
電解質を中間室に閉じ込めるので、取り出す水に電解質由来の不純物が混ざりません。

仕掛けは、部屋のあいだにあるイオン交換膜です。片方は+イオンだけを、もう片方は−イオンだけを通します。電解質は中間室に置いたまま、必要なイオンだけが両端の部屋へ移動する。

膜が「通す/通さない」を決めているので、両端の部屋には入れたいものだけが届きます。仕切りを増やすことで、あとから取り除く工程をまるごと省いているという言い方もできます。前の節に書いた2つの解き方のうち、後者を選んだのがこの構造です。

結果として、取り出す水には電解質そのものが入ってきません。両端に流すのは超純水だけです。これが、清涼飲料水の規格基準を満たせる理由になっています。

Note2種類の水ができる

マイナス極側からは高機能性電解還元水、プラス極側からは高機能性電解酸化水が取れます。性質が違うので、用途に応じて使い分けます。mofuwa グルーミングスプレーは電解還元水を、スキンケアミストは電解酸化水を使っています。

「ダブルイン」——2方向から水を入れる

三室ダブルイン型の、後半のほうです。名前の後半、ダブルインのほうも説明しておきます。これは水を2方向から供給するという意味です。

1方向から流すと、水は槽のなかを通り抜けるだけで、電解されないまま出ていく分が多くなります。これが効率の低さの正体です。一般的な飲料用アルカリイオン水の電解効率が20%程度にとどまるのは、このためです。

電解効率の比較 一般的な飲料用アルカリイオン水の電解効率は約20%、この製法ではほぼ100%です。 電解効率=投入した水のうち、実際に性質が変わる割合 一般的な飲料用アルカリイオン水 約 20% 三室ダブルイン型(特許5253483) ほぼ 100% 出典:ワンテンス社内資料/特許5253483
効率の差は、そのまま「必要な濃度」の差になります。

2方向から入れることで、通り抜けてしまう水を減らします。効率が上がるだけでなく、できた水の機能が長く保たれるという性質も、この構造からきています。

効率の話は、数字の見栄えより実用のほうに効きます。通り抜ける分が多いということは、目的の性質を持たない水が混ざったまま出てくるということだからです。同じ量を作っても、中身の揃い方が変わります。安定して同じものが出せるかどうかは、製品にするときにはとくに大きい条件でした。

思わぬ副産物——機能を選べるようになった

三室に分けたことの副産物です。この構造には、設計時に狙っていなかった利点がありました。中間室に入れる電解質を変えると、できあがる水の性質が変わる。

1つの装置で、目的に応じた水をつくり分けられるということです。除菌に寄せるのか、洗浄に寄せるのか、保湿に寄せるのか。イオン種の選び方でコントロールできます。

同じ装置から生まれた製品の例
向き先製品
犬と猫のケアmofuwa(グルーミングスプレー、スキンケアミストほか)
除菌IELU(電解除菌イオンミスト)
人のスキンケア化粧品のOEM製造

ペット用品を新しくゼロから開発したのではなく、すでにある装置の設定を、犬と猫に向けたという言い方のほうが実態に近いかもしれません。

1995年に研究が始まってから、この装置は再生医療、歯の再生、農作物の洗浄、空気の浄化と、ずいぶん違う分野に持ち出されてきました。使い道が広がったのは、装置そのものが用途を決めていないからです。薬剤なら、目的が先にあって成分が決まります。この装置は逆で、性質を変えた水を先に作り、それを持ち込む先を後から探してきました。

制約から生まれた構造が、ペットに効いた

振り返ると、この構造は「性能を上げたい」から生まれたものではありません。不純物を混ぜられない、という制約から生まれています。

そして、その制約がそのままペットケアの条件と重なりました。犬も猫も体に付いたものを舐めるので、混ぜられないものが多い。すすげないので、残るものも困る。しかも、いやがられたら次から使えません。条件がいくつも重なっている場所です。

Point厳しい条件で作ったものは、次の場所でも通用する

人が触れる医療の現場のために引いた線が、そのまま「舐めても平気」という条件に効きました。基準を後から下げるのは簡単ですが、後から上げるのは難しい。最初にどこに線を引くかで、その技術が行ける場所が決まります。

部屋を3つに分けるという地味な決断が、20年以上あとに犬と猫の背中に届いている。技術の話としては、これがいちばん面白いところだと思っています。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

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300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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よくある質問

なぜ電解槽を3つの部屋に分けるのですか?
電解質を中間室に閉じ込め、両端の部屋には超純水だけを流すためです。こうすると取り出す水に電解質由来の不純物が混ざらず、清涼飲料水の規格基準を満たせる電解水を作れます。
「ダブルイン」とは何ですか?
水を2方向から供給する構造のことです。1方向だと電解されないまま通り抜ける水が多くなりますが、2方向にすることで電解効率が上がり、できた水の機能も長く保たれます。
電解還元水と電解酸化水はどう違うのですか?
マイナス極側から取れるのが電解還元水、プラス極側から取れるのが電解酸化水です。性質が異なるため用途で使い分けます。mofuwa グルーミングスプレーには電解還元水、スキンケアミストには電解酸化水を使っています。

本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。