C01ブランド/開発ストーリー
電解効率20%の壁を、どう越えたか
「電解水」と書かれた製品は、たくさんあります。ただ、中身は製品ごとに大きく違います。差が出るのは電解効率という数字で、一般的な飲料用アルカリイオン水は20%程度、mofuwaの原料水はほぼ100%です。この記事では、電解効率の向上を止めていた20%という壁が何だったのか、どう越えたのかを書きます。
電解効率とは、何の割合か
まず言葉の意味から。電解効率は、装置を通した水のうち、どれだけが実際に電気分解されたかの割合です。たとえば100の水を装置に流して、そのうち20だけが電気分解されていれば、電解効率は20%ということになります。残りの80は、装置に入る前と出たあとで何も変わっていません。
電気分解は、水が電極のそばを通っているあいだにしか進みません。通り過ぎてしまった水は、入る前と同じただの水のまま出てきます。電解効率20%というのは、8割がそのまま素通りしているということです。同じ「電解水」という言葉が書かれていても、素通りした水がどれだけ混ざっているかによって、手元に届く液体の中身は変わります。ラベルの言葉ではなく、この割合のほうを比べる必要があるのは、そのためです。
電解された水と、されなかった水が混ざって出てきます。だから「弱い電解水」ではなく、「電解水とただの水の混合物」と考えたほうが実態に近いです。
20%で止まっていた理由
一般的な整水器が20%程度で止まるのは、装置を大きくできないからです。家庭の流し台に置ける大きさで、蛇口をひねったらすぐ出る速さが求められます。この2つの条件は、電気分解を進めるうえでは、どちらも不利に働きます。
- 電極に触れる時間が短い:水を速く流すほど、電気分解が進む前に出ていってしまう。コップ1杯を待たずに注げる速さは、水にとっては装置の中を数秒で駆け抜けるということでもある
- 流れが1方向しかない:まっすぐ通り抜けるので、電極から遠い場所を通った水は反応しにくい。同じ装置を通っていても、通った位置によって出てくる水の中身が違う
- 電解質を増やせない:飲む水なので、電気を通しやすくするための物質をたくさん入れられない。入れれば効率は上がるが、入れた分がそのまま口に入る
3つ目が特にやっかいでした。効率を上げるいちばん簡単な方法は電解質を増やすことですが、それをすると電解質そのものが水に残ってしまうからです。飲む水では、これができません。効率を取れば水がきれいでなくなり、水のきれいさを取れば効率が上がらない。20%という数字は、装置の性能というより、この二択のあいだで折り合いをつけた結果として出てきた数字だと考えると、わかりやすいと思います。
越え方は、電解質を閉じ込めることだった
特許5253483の3室ダブルイン型は、この矛盾を構造で解いています。
電解槽を3つの部屋に分け、電解質は真ん中の部屋にだけ置きます。両側との境目にはイオン交換膜があり、+イオンと−イオンだけが通ります。電解質は中間室から出ていきません。仕切りが、通すものと通さないものを分ける役目をしているわけです。
こうすると、電解質を十分な量入れながら、できあがった水には残さないことができます。効率を上げる手段と、水をきれいに保つ要求が、両立します。さきほどの二択が二択でなくなる、というのがこの構造のいちばんの意味です。電解質を減らす工夫で解いたのではなく、電解質の居場所を分けることで解いています。
そのうえで水を2方向から入れ(ダブルイン)、電極に触れる機会を増やしています。1方向で通り抜けるだけなら、電極から遠い位置を通った水はほとんど反応しないまま出ていきますが、入り口を分ければ、その取りこぼしを減らせます。結果が、ほぼ100%という数字です。
差は、ごま油ではっきり出た
数字だけでは実感が湧かないので、洗浄力の試験を紹介します。皮脂に近い性質を持つごま油を使い、3つの水で比べたものです。水道水、飲料用アルカリイオン水、そして高機能性電解還元水。同じ油に対して、水の側だけを入れ替えて並べています。
| 条件 | 結果 |
|---|---|
| 水道水とごま油 | 混ざらず、油が分離したまま |
| 飲料用アルカリイオン水とごま油 | ほとんど乳化しない |
| 高機能性電解還元水とごま油 | 乳化・けん化が進む |
乳化というのは、油が細かい粒になって水と混ざる状態のことです。これが起きると、こすらなくても油汚れが動くようになります。逆にいえば、水と油が分離したままだと、汚れを動かす仕事は物理的な力に頼るしかありません。洗うときに強くこすってしまいがちなのは、水の側が何もしてくれていないから、という見方もできます。
ここで注目したいのは、真ん中の行です。飲料用アルカリイオン水も「電解水」ではあります。それでもほとんど乳化しなかったのは、8割が素通りしたただの水と混ざっているからだ、と考えると、最初の数字の話とつながります。電解効率という割合が、装置の中の話で終わらず、油に触れたときの振る舞いとして表に出てきた例です。
水そのものに油を動かす力があると、洗浄成分を減らしても同じところまで洗えるようになります。モイストシャンプーが原料の水を精製水で薄めず、電解水のまま使っているのは、洗浄成分の量を抑えるためです。効率を上げた水が製品の側で何になったのかというと、この一点です。
※ 試験は東洋ビューティー、ウェーブコーポレーション調べ。ごま油を皮脂に見立てた条件での比較であり、犬や猫の体で同じことが起きるという意味ではありません。
効率を上げることが、目的ではなかった
最後に、この話の位置づけを書いておきます。電解効率の向上そのものが目的だったわけではありません。
電解効率を100%近くまで上げたのは、強い水を作りたかったからではありません。むしろ逆で、水の力で足りる範囲を広げて、他のものを入れずに済むようにしたかったからです。
スキンケアミストとグルーミングスプレーが電解水100%で成立しているのも、シャンプーの洗浄成分を抑えられているのも、この効率の上に乗っています。数字そのものより、その数字のおかげで何を入れずに済んだかのほうが、犬と猫にとっては意味があると思っています。
犬と猫のケア用品は、塗ったところを本人が舐めます。人が自分に使うものとは、そこが決定的に違います。だから「何かを足して効かせる」方向にはなるべく進まず、水のほうを作り込んで、足すものを減らすという順番で考えてきました。電解効率は、その順番を成り立たせるための前提条件です。
電解水と書かれた製品を見かけたら、どこまで電解された水なのかを探してみてください。書かれていないことも多いのですが、書いてある場合はかなり具体的に比べられます。
Product
mofuwa モイストシャンプー
300ml / 3,410円(税込)
アミノ酸系の洗浄成分で11成分無添加。天然由来の抗炎症成分7種とアミノ酸4種を配合し、原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っています。
商品ページを見るよくある質問
- 電解効率とは何ですか?
- 装置を通した水のうち、実際に電気分解された水の割合です。20%であれば8割はそのまま素通りしていることになり、電解された水とされなかった水が混ざって出てきます。
- なぜ一般的なアルカリイオン水は20%程度なのですか?
- 家庭用の大きさと速さの制約があり、水が電極に触れる時間が短いためです。効率を上げるために電解質を増やすと、その電解質が水に残ってしまうという問題もあります。
- 電解効率が高いと、洗浄力はどう変わりますか?
- ごま油を皮脂に見立てた比較試験では、飲料用アルカリイオン水はほとんど乳化しませんでしたが、電解効率のほぼ100%の水では乳化・けん化が進みました。洗浄成分の量を抑えられることにつながります。
本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
