C01ブランド/開発ストーリー
もともとは、過酷な現場で使うための水だった
mofuwaの原料水になっている電解水は、もともと過酷な環境で使うための技術として作られました。医療現場や自衛隊で使われていた水です。1995年に研究が始まったときの用途は人の医療で、犬と猫の被毛に吹くという用途が出てきたのは、それから20年以上あとのことでした。使う場所が変われば、水に求められることも変わります。この記事では、医療現場という用途が水の中身に何を要求していたのか、そのうち何が家の毎日にも残ったのかを書きます。
過酷とは、何が過酷なのか|電解水の用途が医療現場から始まった背景
水の電気分解の研究が始まったのは1995年です。前身の会社で始まったこの研究の用途は、人の医療の現場に置かれていました。1997年には東京大学との共同研究が始まり、細菌やウィルスへの対策、細胞の再生医療といった領域に広がります。傷の治りを扱う創傷治癒の研究も、この流れの中から派生したものです。2002年9月の創傷治癒世界会議、2003年3月の世界水フォーラムでの発表が、その時期の記録として残っています。
医療現場のほかに、自衛隊でも使われていました。この2つに共通しているのは、環境が選べないことだと思います。設備の整った部屋で使うとは限らず、やり直しの余裕もありません。過酷というのは汚れが多いという意味ではなく、条件を後から整えられないという意味でした。
2003年には、アレルギー科の小児科医院に電解水の製造システムが入りました。導入から20年を超えて使われ続けているので、長く見られている用途のひとつです。こうした場所で使う前提に立つと、水の設計は自然と守りの側に寄っていきます。何かを足して機能を上げるより、足したものが残らないほうを優先することになります。
人の医療の現場で測られた数値は、ここには書きません。ペット用のケア用品は雑貨で、人の治療で出た数字を持ち出すと、読む側が製品の働きと結びつけて読んでしまいます。書けるのは、その用途のために生まれた技術だという経緯と、そこで決まった設計上の条件までです。
用途が先に決めていた3つの条件|医療現場の電解水に求められたことの理由
用途が先にあると、技術のほうは条件を満たす形に追い込まれます。医療現場という用途がこの電解水に押しつけた条件は、大きく3つでした。
1つめは、水以外のものを混ぜないことです。水はそのままでは電気を通しにくいので、電気分解には塩などの電解質を加えるのが普通です。ところが加えた電解質は、そのまま製品の側に残ります。特許5253483の三室ダブルイン型は、この一点を外すための構造です。電解槽をカソード室、中間室、アノード室に分け、境目にイオンだけを通す膜を置くと、電解質は中間室に留まります。出てくる水に不純物が混ざらないので、飲みものに当てる清涼飲料水の規格基準を持ち出して測れます。
2つめは、短い時間で見通しが立つことです。菌やウィルスを相手にした試験は、一般細菌なら30秒、エンベロープを持つウィルスなら60秒、ノンエンベロープのものでは15秒から10分までと、相手ごとに試験条件が分かれています。結果はいずれも生菌が検出されなかったという書き方です。秒数が細かく分かれているのは、待っていられない現場の都合がそのまま条件になっているからだと思います。
3つめは、誰が測ったかを残すことです。試験を出しているのは江東微生物研究所や日本食品分析センターといった外部の検査機関で、報告書には相手の菌種と接触時間が書かれています。この3つを満たすために、電解効率のほうも詰められました。飲料用のアルカリイオン水は電解効率が20%程度にとどまりますが、この装置はほぼ100%まで電解します。2方向から水を入れる構造が、効率と機能の持ちを支えています。
家に持ち込むときに変えたこと|電解水の用途が医療現場から移るときの変化
用途が犬と猫に移ったとき、水そのものはほとんど変えていません。変えたのは、当たる相手と使われ方に合わせる部分でした。
| 変えなかったもの | 変えたもの |
|---|---|
| 三室ダブルイン型でつくるという作り方 | 1回に吹く量と、吹く場所の想定 |
| 試験条件と検査機関を添えて書くこと | 説明に使う言葉(現場の用語をやめる) |
| 水以外のものを足さないという判断 | 容器。猫には音の出ないものを別に用意した |
| 規格基準で測るという確かめ方 | 毎日くり返す前提での使い方の案内 |
相手の側の条件は、人と犬猫でかなり違います。犬や猫の皮膚の角質層は、人の1/3から1/2ほどの厚みしかありません。そのうえ、体についたものを自分で舐めます。毛づくろいはやめさせられないので、口に入る前提で中身を決めるしかありません。水だけで組むという選び方が、ここで急に強い意味を持ちました。
容器も変わりました。猫はスプレーの音を嫌がることがあるので、猫用グルーミングウォーターでは中身を変えずに、押し出すタイプの容器に替えています。医療現場なら容器の音は問題になりませんが、家では相手が逃げてしまえばその日のケアは終わりです。用途が移って最初に足りなくなったのは、水の性能ではなく、相手に受け取ってもらう工夫のほうでした。
秒数で書く癖が残った1本|医療現場の電解水を毎日の用途に置いた経験
家庭向けの商品を出してから気づいたのは、医療現場向けに書いてきた癖が抜けないことでした。何秒なのか、相手は何だったのか、どこが測ったのか。この3点を書かずに結果だけ並べると、書いた側にしか分からない数字になります。読みやすさの面では損をしていると思いますが、条件を外して書く気にはなれませんでした。
グルーミングスプレーは、その癖のまま作られた1本です。被毛の根元では毎日皮脂が上がってくるので、前の日に整えた状態は翌日には残っていません。かといって湯を使うケアを毎日足せる家はほとんどなく、サロンの予約も月に数回です。お湯に入ること自体が負担になる子もいます。毎日くり返せる形にする必要があったので、中身は電解水だけで組み、量を気にせず根元まで吹ける前提にしました。梳かす前に吹いておくと、毛の滑りが変わって静電気も起きにくくなります。
使う側に見える違いは、たぶん量の遠慮がないところに出ます。グルーミングスプレーは背中の表面をなでるためのものではなく、被毛をかき分けて根元の面まで届かせるためのものなので、1回に使う量はそれなりになります。そこで手が止まると、毎日の手順としては成立しません。舐める相手に使う前提で中身を決めておくと、この遠慮を取り除けます。過酷な現場向けに立てた条件がいちばん効いているのは、性能の話ではなく、この使い方の自由度のほうだと思います。
ここで注意しておきたいのは、過酷な現場で使われてきたという経歴が、家での働きを保証するわけではないことです。試験は水を相手にした条件の中で行われたもので、犬や猫の体に何が起きるかを示すものではありません。浸透について精製水と比べて35倍という数字もありますが、これは自社で測った検証値で、外部の検査機関が出した数字とは分けて扱っています。
医療現場という用途から始まった水が、犬と猫の毎日に移って何年か経ちました。残ったのは、装置の構造と、条件を添えて書くという面倒な作法です。毎日ためらわずに吹ける1本になっているのは、この面倒を先に済ませてあるからだと思っています。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見る本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
