C01ブランド/開発ストーリー
人に使っていた水を、猫にはそのまま渡さなかった
猫に電解水を渡すことになったとき、人に使っていた水をそのまま詰め替えることはしませんでした。もとは人の医療の現場で使うために、1995年に前身の株式会社レドックスで生まれた水です。犬と猫のほうへ向くまでに20年以上あり、そのうえで猫に渡すときには、もう一段だけ手が入っています。若干のイオン調整と、音の出ない容器という2か所です。この記事では、猫用のグルーミングウォーターで何を調整し、何を据え置いたのかを書きます。
人の医療の現場で生まれた水だった|猫に電解水が向くまでの背景
電解水の研究が始まったのは1995年です。前身の株式会社レドックスで、片山貴嗣(COO)の父が電気分解の技術開発に入りました。目的は医療の現場で使うことで、1997年からは東京大学との共同研究が始まっています。細菌やウイルスへの感染症対策と、細胞の再生医療という分野でした。この時点で、猫はどこにも出てきません。
2003年には、アレルギーの患者を多く診ているアレルギー小児科の医院に、電解水をつくる装置そのものが入りました。ここでは15年という長さで使われ続けています。一度きりの試験では見えないことが、長く使った現場には残ります。使い続けて何が起きたのか、あるいは何も起きなかったのか。ここで積み上がったのは、人の側の記録です。
犬と猫のほうへ向いたのは、そのあとです。助言をもらっていた医師のなかに獣医師がいて、この水を犬や猫のために使えないかという提案を受けました。水の性質が分かっていたことと、猫に渡せることは、別の話でした。提案を受け取ってから最初にやったのは、渡し方を組み直す作業のほうです。
人の医療の現場で使われてきたという経緯は事実ですが、それは猫に使うケア用品が病気に働くという意味ではありません。ペット用のケア用品は雑貨で、効きめを審査する仕組みがありません。この記事は、電解水の渡し方を変えた記録として読んでください。
猫はぬったところを自分で舐める|そのまま渡せなかった理由
人と猫で、いちばん大きく違うのは使ったあとの時間です。人は肌に使ったものを、ふつう口に入れません。猫は毛づくろいをするので、体にかけたものが、そのまま口へ移動します。肌に使うものと、口に入るものが同じものになる相手です。
皮膚の側にも違いがあります。犬猫の角質層の厚みは、人の1/3から1/2と幅で見られています。薄いということは、同じものをのせても条件が同じにならないという意味です。そのうえ全身が毛で覆われているので、かけた水は毛に散り、地肌まで届く量は見た目では分かりません。
| 条件 | 渡す側が引き受けること |
|---|---|
| 毛づくろいをする | 体にかけた水は口へ移ります。口に入るものとして確かめておくことになります |
| 角質層が薄い(人の1/3から1/2) | 人で確かめた条件を、そのまま持ってこられません |
| 全身が毛に覆われている | かけた量と、地肌に届いた量が一致しません |
| 音に敏感で、一度逃げると次も逃げる | 中身に届く前の段階で嫌われることがあります |
4つとも、成分の表を見ても出てきません。変えるかどうかを決めていたのは、成分ではなく渡す相手の暮らし方でした。4つ目の音は、あとで容器の側に跳ね返ってきます。
猫に電解水を渡すという話は、水を小分けにする作業ではありませんでした。上の4つを1つずつ引き受けると、手を入れる場所が水の側と容器の側に分かれます。水の側でやったのが、若干のイオン調整です。
若干のイオン調整でよかった|電解質でイオン種を選べる電解水の考え方
水の側を組み直すと聞くと、処方を書き換える話に聞こえます。実際にやったのは、もっと限られた作業です。三室ダブルイン型の電気分解(特許5253483)という構造が、そもそも性質を選べるようにできているからです。
電解槽が3つの部屋に分かれています。カソード室(−極側)、中間室、アノード室(+極側)。中間室と両側のあいだにイオン交換膜があり、+のイオンだけ、−のイオンだけが通ります。カソード側から高機能性電解還元水、アノード側から高機能性電解酸化水が取り出せます。電解のために入れた物質が、取り出す水の側へ混ざらない構造です。
この構造の値打ちは、部屋の数よりも選べる幅のほうにあります。中間室に入れる電解質は、目的に応じて選べます。イオン種が変われば、取り出した水の性質も変わります。猫向けの若干のイオン調整というのは、この幅のなかで取り出す側を寄せる作業でした。水をゼロから組み直す必要がなかったのは、選べる場所が最初から用意されていたからです。
取り出した水の系統そのものは、犬猫向けのグルーミングスプレーと同じ還元水の側です。イオン調整は系統を乗り換える作業ではなく、同じ系統のなかで猫の側へ半歩寄せる作業だと考えてください。だから、確かめ方も引き継げました。
確かめる相手は製品ではなく原料の水です。人が飲む飲料に当てはめられる規格基準の項目を原料の水で確認し、菌については16の菌種とウイルスを対象に、試験時間30秒から60秒で生菌が検出されなかったという結果があります(江東微生物研究所/日本食品分析センター/ユニオンバイテック/日本繊維製品品質技術センター)。浸透の速さについては、精製水と比べて35倍という自社の試験値があります。いずれも決められた試験条件のもとで水そのものを測った数字で、猫の体に使ったときのことを示したものではありません。
嫌がられていたのは音のほうだった|容器を替えた経験
水の側の調整が済んだあとに残っていたのが、4つ目の条件です。犬猫向けのグルーミングスプレーを猫に使っている飼い主さんから、スプレーの音を嫌がるという声が多く届いていました。押した瞬間のプシュッという音です。
届く言葉は「うちの子は使えません」の形です。原因が音だとは書かれていません。使えないという言葉だけを見ると、中身が合わなかったように読めます。出どころを分けるのは、受け取った側の仕事でした。
- 音は、水の評価として届く:嫌がった理由は音でも、飼い主さんの手元に残るのは「この水は使えなかった」という記憶のほうです
- 猫は一度逃げると、次の日も逃げる:場所と音を結びつけて覚えるので、1回目のプシュッが2週間先の1回まで届きます
- 替えられる場所から先に直す:水のつくり方は試験条件と結びついているので、声で動かせません。動かせたのは容器の側でした
そこで、猫用のグルーミングウォーターは容器をチューチューボトルにしました。押し出す形なので、あの音が出ません。寝ているそばでも手に取れます。猫が嫌がっていたものを1つ外すだけで、同じ水が使えるようになりました。
この話の要点は、中身をいじらなかったことです。猫専用の処方を新しく立てたのではなく、猫が嫌がっていた原因を1つに絞って、そこだけ直しています。若干のイオン調整も同じ性格の作業でした。手を入れた場所は2か所で、どちらも水のつくり方には触っていません。
いまのグルーミングウォーターに残っている渡し方
猫用のグルーミングウォーターは、毎日そこを触ってあげられる形にしたい、という側から立っている1本です。猫も体から脂を出すので、昨日きれいにした背中は今日また同じところが戻っています。それでも、お湯を使う日を毎日つくるのはむずかしく、お風呂そのものが負担になる子もいます。吹きかけて梳かすだけの手が、そのあいだの日を受け持ちます。
| 手を入れた場所 | 据え置いた場所 |
|---|---|
| 水のイオン種(猫向けの若干のイオン調整) | 三室ダブルイン型という電解槽の作り |
| 容器(押し出す形にして音を消した) | 原料の水に当てた試験条件と検査機関 |
| 渡す相手(猫に絞った) | 口に入る前提でつくるという出発点 |
口に入る前提は、猫では最後まで外せません。毛づくろいをする相手なので、かけた水の行き先は最初から口です。だからこそ、かけた量を数えなくてよい形になっています。毛が立っているところ、指に脂が残るところへ、気にせず足せます。梳かす前に毛先まで湿らせておくと、静電気の起きにくい状態からブラシを入れられます。
人に使っていた水を猫にそのまま渡さなかった、というのは慎重さの話に見えます。やったことは単純で、猫の側にだけある条件を4つ書き出して、水の側で1つ、容器の側で1つ引き受けただけです。残りの2つは、いまも猫の側で確かめ続けている部分です。そのまま渡さなかった判断は、いまも1本の容器の形に残っています。
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本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
