C01ブランド/開発ストーリー
父は研究、自分は仲間集め。役割を分けた10年
父の側の10年は年表になりますが、息子の側の10年は年表になりません。株式会社ワンテンスの創業は2019年で、電解水の開発が始まったのは1995年です。あいだの年月、二人は役割分担をしていました。父は大学と組んでエビデンスを積み、息子は会社の外で経営を覚えながら、一緒にやる人を探していた。この記事では、記録の残らない側で何をしていたのかを書きます。
先に決めたのは分け方だった|ワンテンス創業に至るまでの背景
きっかけは、学生時代の失敗でした。父がつくった電解水を小分けにして友人へ配ったところ、返ってきたのは水道水との違いを聞く言葉と、100円くらいかという値段の見立てでした。肌の荒れが落ち着いたと言ってくれた人はいたのに、技術のほうは誰も見ていませんでした。
ここで出た結論は、水の説明を上手にしようという方向ではありませんでした。説明の材料そのものが足りていない。だから、エビデンスが揃うまで事業にしないと決めます。父と交わした約束は「少なくとも10年」でした。
そのうえで、二人は仕事を二つに割りました。父はエビデンスをつくる側、息子は経営を覚えて仲間を集める側です。約束したのは期限ではなく、そのあいだ何をやらないかでした。父は売り方を考えない。息子は電解水のつくり方に手を出さない。ワンテンスの創業は、この役割分担のうしろに15年ぶんの時間を置いてから始まっています。
10年や15年という数字は、電解水をつくるのにかかった時間ではありません。水そのものは学生時代にもう手元にありました。長くかかったのは、それを外から確かめてもらう記録と、一緒に会社を始める人のほうです。
片方を仲間集めに回した理由|ワンテンス創業でこの役割分担にした
二人しかいないのに、なぜ両方で研究をしなかったのか。理由は3つあります。
- 研究は終わりの日を決められない:大学に持ち込んで確かめてもらう作業は、こちらの都合で早まりません。期限を切ると、切ったところで止めることになります
- 電解水のつくり方を握る人は一人でよかった:装置の作りと電解質の選び方を分かっている人間が二人になっても、進む速さは変わりません
- 売る側の技能は、外で覚えたほうが早い:資金の回り方、人の集め方、事業の組み立て。教わる相手が社内にいないので、外の会社で覚えるしかありませんでした
そこで息子はアクセンチュアに入社します。研究を手伝うのではなく、会社の外で経営の側を覚える道を選んだことになります。毎月の給料の半分は父に渡して、研究へ専念してもらいました。お金の出どころを外に頼らなかったので、誰からも急かされない時間になりました。
役割分担というと、仕事を効率よく配る話に聞こえます。ここでやっていたのは逆で、一人が両方を持つと、どちらも中途半端な速さになるという判断です。ワンテンスの創業まで、この線は一度も引き直していません。
大学の名前は残り、仲間の名前は残らない|役割分担の片側にあったもの
分けた二つの仕事は、進み具合の見え方がまったく違いました。父の側は、外の記録として積み上がります。1997年の東京大学との共同研究を最初に、大学と研究機関は20を超えました。2002年9月には創傷治癒の世界会議、2003年3月には世界水フォーラムでの発表があります。同じ2003年に、アレルギー小児科の医院へ電解水をつくる装置が入りました。
息子の側には、これに当たるものがありません。仲間集めは、何人に会ったかを数えても意味がないからです。同じ水の話を何十回しても、技術として受け取ってくれる人はなかなか現れません。揃ったかどうかを、外の記録では言えない仕事でした。
だから、この役割分担では二人の不安の形も違いました。父の側は、次にどこへ持ち込むかという行き先の話になります。息子の側は、探しているものが見つかるのかという話になります。10年が5年過ぎたところで、父の側には発表の記録が増えていて、息子の側には数えられるものが増えていません。
それでも分担を解かなかったのは、解いた瞬間に両方が遅くなるからです。息子が研究へ入れば、経営を覚える時間が消えます。父が売り方を考え始めれば、大学へ持ち込む準備が止まります。進んでいるかどうか分からない仕事のほうを、そのまま抱えることにしました。
10年と言って15年かかった|ワンテンス創業までに動いた考え方
約束は「少なくとも10年」でしたが、実際に会社ができたのは15年後の2019年2月です。5年ぶん延びた理由は、片側だけを見ても分かりません。
| 役割分担の側 | 揃ったと言えるかどうか |
|---|---|
| 父の側(電解水のエビデンス) | 共同研究と発表の記録があるので、どこまで確かめたかを外の言葉で言えます |
| 息子の側(経営と仲間集め) | 何人いれば足りるという数がないので、揃った日を自分で決めることになります |
創業の年が2019年になったのは、この下の行のほうが遅れたからです。記録の側は積み上がるのに、人の側は積み上げ方が分からない。それでも、信頼できる人と始めるという条件は外しませんでした。一人で登記だけ済ませることは、どの年でもできたはずです。
考え方として動いたのは、期限の扱いです。最初は10年という長さを置きましたが、途中から長さではなく中身で判断するようになります。何年経ったかではなく、いま外へ出して説明できるかどうか。期限を守ることと、条件を守ることが、5年ぶんずれました。
そして2019年、信頼する仲間とともにワンテンスの創業に至ります。役割分担はここで解けたわけではありません。父は技術を見る側、息子は事業を回す側として、そのまま会社の形になりました。分けたときの線が、そのまま組織の線になっています。
分担を解かなかったことが、グルーミングスプレーに残した変化
この分け方は、いまの商品の決め方にも残っています。中身をどうつくるかは技術の側が決め、毎日のどこに置くかは事業の側が決める。同じ1本でも、決める人が違います。
mofuwa グルーミングスプレーの中身は、電解水だけです。三室ダブルイン型の電気分解(特許5253483)でつくった水で、確かめ方も原料の水に当てています。人が飲む飲料に当てはめられる規格基準の項目を原料の水で見て、菌については16の菌種とウイルスを対象に、試験時間30秒から60秒で生菌が検出されなかったという結果があります(江東微生物研究所/日本食品分析センター/ユニオンバイテック/日本繊維製品品質技術センター)。この列は、届いた声では動きません。
生菌の結果は決められた試験条件のもとで水そのものを測ったもので、犬や猫の体に使ったときのことを示した数字ではありません。特許5253483は技術そのものの登録で、製品について何かを認めたものではありません。中身を決める側が何を見ているかの例として置いています。
一方で、毎日のどこに置くかを決めているのは事業の側です。犬も猫も体から脂を出すので、前の晩にきれいにした背中は、朝には同じところが戻っています。散歩に出れば土やほこりも乗ります。それでも、お湯を使う日を毎日はつくれず、サロンへ毎日通うこともできません。吹いて梳かすだけの1本が、そのあいだの日を受け持ちます。口に入る前提でつくっているので、かけた量を数える必要もありません。
役割分担を解かないと、決めるのが遅くなります。中身の話を持ち込む相手と、売り方の話を持ち込む相手が別だからです。それでも、遅いほうを選んだ結果として、グルーミングスプレーの成分表には、声で足した材料が1つもありません。15年ぶん分けたままにした線が、そこに残っています。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見る本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
