C01ブランド/開発ストーリー
2002年と2003年、学会で発表された水の話
2002年9月、電解水は創傷治癒の世界会議で発表されました。その半年後、2003年3月には世界水フォーラムでも発表しています。片方は傷の治りを扱う分野、もう片方は水そのものを扱う分野で、集まる顔ぶれはほとんど重なりません。同じ水を、半年のあいだに二つの違う場所へ持ち出したことになります。このころ、株式会社ワンテンスはまだありません。売る商品も、売る会社もない状態で、なぜ発表の場だけが続いたのか。この記事では、学会という出口を選んでいた理由と、そこでの話し方がいまの商品の書き方にどう残っているかを書きます。
2002年9月と2003年3月|電解水が学会で発表された二度の経験
最初の発表は2002年9月、創傷治癒の世界会議です。テーマは傷の治りでした。ただし、そこへ向かう研究はもともと計画に入っていません。1997年に始まった東京大学との共同研究のテーマは、細菌やウィルスによる感染症の研究と、細胞の再生医療です。電解水を洗浄に使っていた現場で、縫合した傷口の補修が通常より早いことに医師が気づいたところから、創傷治癒という項目が増えました。気づきが先にあって、研究があとから追いかけた順番です。
二度目は2003年3月、世界水フォーラムでの発表です。こちらは水そのものを扱う場で、資源や衛生の話が並びます。傷の治りの会議とは、聞いている人の専門がまるで違います。同じ電解水を、半年のあいだに医療の側と水の側へ、二度出したことになります。
並び方には意味があります。先に出したのは「使ったらこうなった」という側で、あとに出したのが「どうつくっているか」という側です。順番が逆だと、つくり方の説明だけが宙に浮きます。現場で起きたことを持っていったから、次の年に構造の話ができました。
どちらの発表も、株式会社ワンテンスが生まれる前のことです。設立は2019年ですから、最初の学会から17年あります。発表していた時点で、売る商品は一つもありません。研究の名義は前身の株式会社レドックスで、片山貴嗣(COO)の父が技術の側を担っていました。
売る前に発表できる場所が学会だけだった理由|電解水は見ても分からない
研究が始まったのは1995年、事業として売り出したのは2019年です。あいだが24年あります。空いた理由は決めごとのほうにあって、エビデンスが揃うまで事業化しないという線を先に引いていました。父と交わした約束は「少なくとも10年」。父が確かめる側に回り、片山貴嗣は経営の技術と仲間を用意する役に分かれています。
この線を引くきっかけは、学生時代の失敗です。慢性的な敏感肌に悩んでいた片山貴嗣は、父の技術を聞いて電解水を自分の肌に塗り、変化を実感して家業を継ぐと決めました。そのあと友人何十人にも試してもらっています。肌荒れがよくなったという声は出ましたが、値札の話になると水道水との違いを尋ねる問いが先に来て、買うとしても100円くらいだろうかという見当が返ってきました。技術のほうを評価した人は、一人もいません。
| やれたこと | そこで分かったこと |
|---|---|
| 友人何十人に試してもらう | 肌が変わったという声は出たが、水道水との違いは伝わらなかった |
| 医療の現場で使ってもらう | 使用の記録は積めるが、そのままでは外に出す形にならない |
| 学会で発表する | 試験条件と結果を、同じ分野を読める相手に見てもらえる |
広告は打てません。売る商品がないので、打つ先もありません。見た目で違いの分からないものを外へ出す道は、条件ごと聞いてもらえる場所しか残りませんでした。学会での発表がその出口になったのは、水を評価してもらう手が他になかったからです。
この時期、片山貴嗣はアクセンチュアに勤めています。毎月の給料の半分を父に渡し、研究に専念してもらう形でした。発表の場を続けるための時間は、そうやって買っていたことになります。
試験条件をつけたまま話せる場|電解水の学会発表と商品の言葉を分ける考え方
学会の発表では、前提を全部置けます。何を何に、何秒当てたのか。測ったのは誰か。比べた相手は何か。読む側もその置き方を前提に聞くので、条件が長くても話が崩れません。商品のラベルや商品ページでは、この長さが許されません。同じ内容を短くしようとすると、先に落ちるのが条件のほうです。
手元にある試験は、第三者の検査機関に出したものです。江東微生物研究所、日本食品分析センター、ユニオンバイテック、日本繊維製品品質技術センターの4か所。一般細菌では30秒、エンベロープのあるウィルスでは60秒という検査時間で、いずれも生菌が検出されませんでした。浸透については、精製水の35倍という自社の試験値があります。
学会で発表した記録があるという事実は書けます。そこから学会で発表された技術なので効果がありますへ進むことはできません。発表の場で扱ったのは水の性質で、商品が体に何をするかという話ではありません。
条件が落ちないようにする手は、書き方の側で持っています。数値の隣に、試験条件と検査機関の名前を置く。置けない数字は書かない。書ける量は減りますが、読んだ人が自分で確かめに行ける形は残ります。この構えは、学会で話していたときの形をそのまま持ち越したものです。
成分を水だけにしたまま、清涼飲料水の規格基準に照らして調べられるのは、特許5253483の3室ダブルイン型という構造のためです。カソード室、中間室、アノード室に分かれ、あいだをイオン交換膜が仕切ります。電解質に由来する不純物が水の側に残らないので、飲みものと同じ基準で測る話に持っていけます。学会で構造から説明していたのは、ここが出発点だからです。
二つの学会での発表のあと、電解水が犬と猫に届くまでの変化
2003年3月に世界水フォーラムで発表した同じ年に、化学物質過敏症やアレルギーの患者を年間1万人以上診ている渡辺一彦小児科医院へ、電解水の製造システムが入りました。渡辺和彦医学博士のもとで、20年以上にわたって使われ続けています。発表は終点ではなく、そこから長い使用の記録に変わっていきました。
2019年、信頼する仲間とともに株式会社ワンテンスを立ち上げます。事業を始めた直後にぶつかったのは、積んできた記録をそのままの形で外に出せないという壁でした。学会では通っていた書き方が、ものを売る側では通りません。手元にある記録の量と、外へ出せる言葉の量が合わなくなります。
行き先が犬と猫に向いたのは、社内の計画からではありません。助言をもらっていた医師のなかにいた獣医師から、この電解水を犬や猫たちのために役立てられないかという提案を受けています。mofuwa のきっかけは、この一言でした。
いま飼い主の手元にあるのは、mofuwa グルーミングスプレーのような1本のボトルです。中身は還元水100%で、無香料、無添加、アルコールフリー。ペットは体から脂を出すので、昨日ととのえても今日また上がってきます。それでもシャンプーを毎日繰り返すことはできませんし、トリミングサロンへ毎日通うのも難しいはずです。グルーミングスプレーは、その空いたところを毎日埋めるための形になっています。
- 成分が水だけなので、吹いた回数を数えずに使える
- ブラッシングの前に吹けば、静電気の起きにくい状態で梳かせる
- 湯に入れることが負担になってきた子には、入れない選び方が残る
学会で話していたのは水の中身で、いま渡しているのは1本のボトルです。あいだにあるのは、条件を落とさずに短くする作業だけです。長いほうを持っている側が、短いほうの書き方を決めています。
Product
mofuwa グルーミングスプレー
300ml / 2,970円(税込)
特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。
商品ページを見る本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
