C01ブランド/開発ストーリー

書けないことが多いから、試験の条件ごと書く

公開日 2026年2月15日|文=mofuwa編集部

明るい部屋で淡い色の敷物にのっている淡い金色の犬
書ける言葉が短いぶん、数字の横に条件を置いています。写真:Ketut Subiyanto/Pexels

電解水のラベルに書ける言い方は、書けない言い方を先に並べたあとで決まりました。2019年に事業を始めた直後、薬機法などの規制のために、手元の記録をそのままの形で外へ出せないと分かります。父が15年かけて積んだエビデンスはあります。大学との共同研究も、医院での20年以上の使用も、学会での発表もあります。それでも、書けるかどうかは別の線で決まっていました。空いた枠を埋めることにしたのが、試験条件と検査機関の名前です。この記事では、表記がこの形になった順番と、数の書き方でつまずいた場面を書きます。

書けない言い方が先に決まった|電解水の表記に試験条件がついた背景

2019年に株式会社ワンテンスが事業を始めたとき、手元にあった材料の量と、外へ出せる言葉の量が合いませんでした。片山貴嗣(COO)の父が15年かけて積んだ記録があり、20を超える大学や研究機関との共同研究があり、医院での20年以上の使用の記録があり、学会での発表もあります。それでも、ペット用のケア用品を売る側が書ける範囲は、そこから決まりません。薬機法などの規制の側から決まります。

やることの順番が、ふつうと逆になりました。先に書けない言い方を全部並べて、残ったところに何を入れられるかを考える。言いたいことから書き始めるやり方は、最初の段階で使えなくなっていました。

困りかたには、この水の特徴も混ざっています。成分が水だけなので、表示は短くて済みます。ところが短い表示は、読む人に渡す材料も少ないということです。色もにおいもなく、手に取った段階で違いが分かりません。書ける言葉を削っていくと、最後には何も残らないところまで行ってしまいます。

残せたのは、試験条件そのものでした。誰が、何を対象に、何秒当てて、どう測ったか。体がどうなるかは書けませんが、測ったときの条件は事実として書けます。電解水の表記をこの形に寄せたのは、他に置けるものがなかったからです。

Note残ったものを並べたら、条件だけだった

この電解水には効果がありますという形は使えません。ここを消したあとに残るのは、試験の条件と、その試験をどこが引き受けたかという2つです。表記の形は、引き算の残りとして決まっています。

言い切りをやめて条件を足す|電解水の試験条件を表記に残す考え方

書き換えのやり方は一つだけです。文の主語を、商品から試験へ移します。商品が体に何をするかという形をやめて、どの条件で何が測れたかという形にする。主語が動くと、同じ事実が別の置き場所に残ります。

同じ事実を、試験条件のついた表記に置き替える
使わない言い方試験条件をつけた表記にすると
効果がありますどの条件で何を測り、どこが調べたのかを数字と並べて書く
除菌します一般細菌では30秒後に生菌が検出されませんでした(江東微生物研究所ほか)
浸透力が優れています精製水の35倍という自社の試験値があります
100%安全です清涼飲料水の規格基準に照らして調べています

試験の側は、思ったより細かく分かれています。委託先は江東微生物研究所、日本食品分析センター、ユニオンバイテック、日本繊維製品品質技術センターの4か所。検査時間も対象によって違い、一般細菌と歯周病菌、カビでは30秒、エンベロープのあるウィルスでは60秒という区切りです。いずれも生菌が検出されませんでした。この区切りを落として「30秒で」と一つにまとめると、もう試験条件ではなくなります。

浸透の数字も同じ扱いです。精製水の35倍という値は自社の試験で出したものなので、外部の検査機関に出した数字と混ぜて書きません。数字を裸で置かない、という決まりにしています。35倍だけを大きく書いた表記は、読んだ人がどこにも確かめに行けません。

成分を水だけにしたまま飲みものと同じ基準の話に持っていけるのは、特許5253483の3室ダブルイン型という構造のためです。カソード室、中間室、アノード室の3つに分かれ、あいだをイオン交換膜が仕切ります。電解質に由来する不純物が水の側に残らないので、規格基準に照らす試験そのものが成り立ちます。構造の説明が表記に出てくるのは、ここが理由です。

数を一括では書けなかった|電解水の試験条件と無添加の表記でつまずいた経験

条件を書く構えを決めたあとも、数のところで何度かつまずいています。いちばん分かりやすいのが無添加の数です。mofuwa は商品ごとに外している成分が違うので、シリーズでまとめて「11成分無添加」と書くことができません。1行で済ませたくなる場所ほど、まとめると誤りになります。

無添加の成分の数は、商品ごとに違う 外している成分の数は、においがしない虫よけスプレーが12、モイストシャンプー・入浴シャンプー・肉球クリームが11、毛玉予防ジェル・猫あごクリーナー・涙やけクリーナーが9です。シリーズで一つの数にまとめられません。 外している成分の数(商品ごと) においがしない虫よけスプレー 12 モイストシャンプー/入浴シャンプー/肉球クリーム 11 毛玉予防ジェル/猫あごクリーナー/涙やけクリーナー 9 数はそれぞれの商品で外している成分の数。一括の表記にはできません
同じシリーズでも数が違うので、表記は商品ごとに分けています。

もう一つは、割合の数字です。原料の水のうち何%が電解水なのか、という数え方は社内でも出せません。分母の取り方が決まらないためです。書けるのは原料の水には、精製水で薄めていない電解水を使っているというところまでです。数字があるほうが強く見える場所で、数字を置かない判断をしています。

書けないことを、そのまま書いておく欄もあります。目にやさしい涙やけクリーナーには、色素が沈着してしまっている場合は被毛の生え代わりが必要だと入れてあります。できることの隣に、できないことを同じ大きさで置く。読んだ人が期待をどこまで持てるかは、この欄で決まります。

上の3つは、商品ページで繰り返し出てくる注記の型です。還元水100%と書く横には、飲料用途を推奨するものではないという一行を添えます。注記が多いと売りにくくなりますが、短く言い切った表記は、あとから条件を足せません。足せる形で置いておくほうを選んでいます。

試験条件つきの表記が、電解水のグルーミングスプレーに残した変化

mofuwa グルーミングスプレーの表記を読むと、この構えがそのまま並んでいます。還元水100%、無香料、無添加、アルコールフリー。落とすのは汚れの原因になる脂で、セラミドやスクワランは残す。数字のところには試験条件と検査機関がつき、つかない数字は書いてありません。製造は日本国内の化粧品工場です。

変わったのは、読む人の側の作業量です。言い切りの表記なら一目で済みます。条件つきの表記は、読んで、条件を見て、自分の使い方に当てはめる手間がかかります。そのぶん、書いてあることの範囲がはっきりします。どこまで言えているかが見えるので、期待を自分で決められます。

この表記のまま、グルーミングスプレーは毎日使う形に振ってあります。ペットは体から脂を出すので、昨日ととのえても今日また上がってきます。散歩のたびに外の砂やほこりも重なります。それでもシャンプーを毎日繰り返すことはできませんし、トリミングサロンへ毎日通うのも難しいはずです。毎日きれいにしてあげたいという願いのほうから、形が決まっています。

量を気にせず使えるという書き方ができるのも、試験の側が先にあるからです。清涼飲料水の規格基準に照らして調べた成分でできているので、舐めることを前提にしたまま処方を組めます。後から安全を足したのではなく、舐めるところから設計を始めています。

書けないことが多いのは、2019年から変わっていません。変えたのは、書けないぶんを空欄のままにしないと決めた点だけです。言い切りを置けない場所には、試験条件を置く。表記が長くなるのは、その結果です。

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mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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本記事は商品の情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。掲載している検証データは特定条件下での試験結果であり、すべての環境で同じ結果を保証するものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。