C01ブランド/開発ストーリー

1滴を世界に広げる、という名前のとおりに

公開日 2026年4月12日|文=mofuwa編集部

明るい窓辺にすわる淡い色の猫
1滴という単位を名前にした会社が、いちばん手前に置いているのが水だけのスプレーです。写真:大 董/Pexels

ワンテンスという社名には、この電解水の1滴1滴を世界に広げていきたい、という意味が入っています。名前の前半は技術の話で、後半は渡し方の話です。悩みを掬い、幸せの輪を広げる。名前を決めた時点では、売れた実績も、届いた数もありませんでした。この記事では、名前に置いた1滴がどこからどこへ渡っていったのか、その考え方がいまの商品のどこに残っているのかを書きます。

ワンテンスという名前に、1滴が入っている背景

ONETENTH は、10分の1という意味の英語です。独自の電気分解技術で、水をナノレベルのさらに10分の1の細かさまでコントロールできる。技術の特徴を、そのまま社名にしました。凝った造語でも、創業者の名字でもありません。長く続けてきた電解水の研究のうち、いちばん外せない一点を名前の場所に置いた、という決め方です。

ただ、名前に入っているのは細かさだけではありません。この1滴1滴を世界に広げて、悩みを掬い、幸せの輪を広げていきたい。10分の1という数が指しているのは技術の側で、1滴を広げるという言い方が指しているのは渡し方の側です。名前の前半と後半で、話している対象が違います。

ワンテンスという名前の、前半と後半
名前のどこか指しているものどこで確かめられるか
10分の1(ONETENTH)電気分解でつくる水の細かさ装置と、研究機関との共同研究
1滴を広げるその水を誰にどう渡すか渡った先で、実際に使われ続けているか

後半は、技術の説明では確かめられません。渡した先で使われ続けたかどうかしか、答えになりません。名前をつけた時点では、まだ何も渡っていませんでした。だからこの社名は、実績の要約ではなく、これからやることの宣言として置かれています。

広げる単位を1滴にした理由

なぜ、樽でも本数でもなく1滴なのか。学生のころ、慢性的な敏感肌に悩んでいた息子が父の電解水を自分の肌に塗り、変化を感じて家業を継ぐと決めました。同じ時期に、友人何十人にも使ってもらっています。肌の調子が変わったという声はありました。それでも返ってきたのは、こういう問いでした。

Point「水道水と何が違うの?」と聞かれた

「買いたいんだけど、100円くらいかな?」。無色透明で、においも泡もない水は、見た目では判別がつきません。技術の細かさを評価してくれる人は、この時点では現れませんでした。数を並べても伝わらないのなら、伝わるのは1滴が誰かの手に渡ったときだけになります。名前の単位が1滴になったのは、この出発点と地続きです。

このとき決めたことがもうひとつあります。証拠が揃うまで事業にしない、という線です。父と息子で、少なくとも10年という約束を交わしました。父はエビデンスを集める側、息子は経営と仲間をつくる側。1滴を広げると名前で言うなら、広げる前に中身を固めておく順番になる。20を超える大学・研究機関との研究が、この期間に積み上がっています。

あの「100円くらいかな?」という問いは、値づけの話に見えて、中身は別のところにありました。見分けのつかないものに、払う理由がない。説明を長くしても、透明な水が透明な水であることは変わりません。残るのは、1人が手元で使ってみて、それを次の1人に手渡すという道だけでした。名前の単位が1滴になったのは、この道のはばに合わせた結果でもあります。

つまり1滴という単位は、控えめな言い方でも謙遜でもありません。1滴ずつしか渡せない、という見通しのほうです。広告で一気に知られるやり方を最初から想定していない名前だ、とも言えます。

1滴が渡っていった順番と、広げるという言葉の考え方

父がこの電解水の開発を始めたときの目的は、医療の現場でした。人の患者の生存率を上げるための技術で、過酷な環境下での使用を前提につくられています。医療機関のほか、自衛隊でも使われてきました。犬と猫は、最初の宛先ではありません。ペット用品のつくり方から出発した技術ではない、というのがワンテンスの立ち位置です。

1滴が渡っていった順 1995年のレドックス設立から、2019年のワンテンス設立と獣医師の提案までを5段で並べた図 名前の後半「広げる」が、実際にどの向きに進んだか 1995 父が株式会社レドックスを設立 目的は医療現場。人の患者の生存率を上げる技術として開発が始まる 1997 東京大学との共同研究が始まる 細菌・ウィルス感染症への対応と、細胞再生医療の分野で 2003 アレルギー小児科医院に導入 アトピーの患者を年間1万人以上診ている医院で、15年にわたり使われる 2019 株式会社ワンテンスを設立 信頼する仲間とともに事業を開始。ここで初めて売る側に立つ その後 助言をくれた獣医師からの提案 この電解水を犬猫のために役立てられないか。mofuwaのきっかけになる 各年の出来事は、ペット企業向けの説明資料と創業の記録に記載されているもの
渡った順は、人の現場から先でした。犬と猫はいちばんあとに来ています。

この年表のなかで、いちばん「広がった」に近いのは2003年の行です。同じ医院で15年、使われ続けました。1滴が渡ったあとに戻ってこなかったという記録は、渡した本数よりも重い。名前の後半が問うているのは配った量ではなく、渡した先に居続けられたかどうかのほうです。

事業を始めてすぐ、広げ方の壁に当たりました。薬機法などの規制があるため、父が積み上げたエビデンスを、そのままの形で世に出せません。証拠が揃うまで待った15年のあと、待っていたのは「証拠を語れない」という条件でした。名前に置いた「広げる」が、いちばん難しくなる場面です。

その場面で向きを変えたのが、助言をもらっていた医師のなかにいた獣医師の提案です。この電解水を犬猫のために役立てることはできないか。ここから mofuwa が始まりました。1滴を広げるという言葉の中身が、人から動物へ、という向きで具体化した瞬間です。そのあとも最初はほとんど売れず、実際に使った人と獣医師の紹介で、1軒ずつ増えていきました。名前どおりの広がり方だったと言えます。

名前のとおりに1滴を惜しまない、という使い方の経験

1滴という単位は、使うときの量の話にもつながっています。グルーミングスプレーは、その水をそのまま容器に入れた1本です。成分は水だけで、清涼飲料水の規格基準に照らしても差し支えのない水なので、吹きかける回数を数えずに使えます。ここで量を控えさせる設計にしていたら、1滴を広げたいという名前と合いません。

並べてみると、グルーミングスプレーを手に取る場面に特別な日は入っていません。散歩のあと、梳かす前、気になったとき。どれも、思い出したときにその場でできる用事です。1回ぶんの重さを軽くしておかないと、毎日のほうが続きません。名前に1滴と書いた会社が用意すべきなのは、たっぷり使える1本と、身構えずに手が伸びる置き場所でした。

どれも、1回に使う量は多くありません。そのかわり回数が多い。毎日の積み上がりのほうで効いてくる使い方です。犬も猫も体から脂が出るので、昨日ひと通りきれいにしても、今日また同じ場所が汚れます。毎日やれる形でないと、きれいにしてあげたいという気持ちのほうが先に折れてしまいます。

名前について書くと、ふつうは由来の説明で終わります。ワンテンスの場合、後半の「1滴を広げる」が宿題として残り続けているので、由来だけでは終われません。広げた先で使い続けられているかどうかが、名前の答え合わせになります。毎日1滴ずつしか進まない話ですが、名前を決めたときから、そういう進み方を選んだということです。

Product

mofuwa グルーミングスプレー

mofuwa グルーミングスプレー

300ml / 2,970円(税込)

特許電解水を使った、吹きかけてそのまま梳かせるケアスプレーです。無香料・界面活性剤不使用。ブラッシング前や散歩のあと、毎日きれいにしておきたいときに。

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本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。