C01ブランド/開発ストーリー

10年後に残っていたい会社の姿

公開日 2026年5月10日|文=mofuwa編集部

事業になるまで24年、そこからの10年 1995年の研究開始から2019年に事業になるまで24年かかったこと、そこから見た10年後の位置を示した年表 事業になるまでに24年。その時間感覚で、10年を考えています 1995 水の電気分解の研究が始まる 株式会社レドックス設立 2019 事業になる 株式会社ワンテンス設立。ここまで24年 2026 この記事を書いている地点 規模の目標は立てていない 2036 残っていたい4つの状態 研究が続く/書いた文章を読み返せる/洗えない人が負い目を持たずに済む/同じ水を違う場所へ
10年後に何が残っているかで、いまの判断が決まります。

ワンテンスは10年後に、どんな会社でありたいか。大きくなっていたい、とは思っていません。水の電気分解の研究が1995年に始まってから、事業になるまでに24年かかりました。その時間感覚で考えると、10年は長くありません。この記事では、ワンテンスのビジョンとして10年後に残っていたい状態を、できるだけ具体的に書きます。

規模の目標は、立てていません

はじめに、立てていない目標のほうから書きます。売上や本数の目標を、ブランドの目標として掲げていません。

理由は単純で、その目標を持つと判断が変わってしまうからです。数を伸ばすなら、香りをつけたほうが早い。効きそうに見せたほうが早い。早い方法は、たいていこちらが避けてきた方法です。

数字の目標が悪いのではありません。目標を置くと、それに近づく手が正しく見えるようになる、という順番が問題なのです。目標は、判断の基準をあとから書き換えてしまいます。「今回だけ」と一度ゆるめたところは、次の判断のときには「前例」になっています。それが積み上がったときに何が残るかを想像すると、掲げないほうが安全だと考えました。

Note数字を軽視しているわけではありません

おかげさまでmofuwaシリーズは累計50万本以上になりました。届いた数だけ、使われた日があります。結果としての数字は大事にしています。目標として先に置かない、という話です。

10年後に残っていたい4つの状態

かわりに、ワンテンスがこういう状態でありたい、というものを4つ挙げます。ここが実質のビジョンです。

  1. 水の研究が続いていること

    1995年から続いてきた研究が、10年後も止まっていないこと。事業が研究を養っている状態を保ちたいと考えています。逆になると、研究は止まります。研究のほうが事業の成績を背負わされると、成果を急ぐ必要が出てくるからです。急いだ研究は、たいてい確かめる工程から削られます。

  2. 書いた文章を、読み返して恥ずかしくないこと

    このコラムは日付を持っています。10年後に読み返して「これは言いすぎだった」と思う記事が出てこないように書いています。言いすぎは、書いた瞬間には気持ちよく、時間が経つほど重くなります。日付があるということは、あとから言い訳ができないということでもあります。

  3. 洗えない人が、負い目を持たずに済むこと

    高齢、大型犬、多頭飼い、介護。洗えない事情はこれからも増えます。そのときに使えるものが、当たり前に手に入る状態にしたいです。特別な人向けの棚ではなく、普通の棚に置かれていることが条件だと思っています。探さないと見つからないものは、いざというときに間に合いません。

  4. 同じ水を、違う場所にも届けていること

    犬と猫は、この技術がたどり着いた先のひとつです。医療、農業、空気。ほかの場所にも届いていることが、この会社らしい姿だと思っています。

3つめと4つめは、いま棚にあるもので確かめられます。ワンテンスがつくっている mofuwa スキンケアミストは、1995年から続けてきた電気分解の水を、そのまま1本に入れた製品です。足しているものがないので、説明していることと、測って確かめられることがずれません。洗えない事情のある家に届いているかどうかも、10年後に外から数えられます。ビジョンを状態で書いているのは、こういう形でしか確かめようがないからです。

4つとも、達成したかどうかを外から確かめられる形にしてあります。曖昧な理念にしないことが、10年もたせるための条件だと考えました。

この記事は、10年後に検証されます

2つめについて、もう少し書きます。

mofuwaコラムは、2020年から1日1本のペースで書いています。全部に日付が入っていて、あとから読み返せます。これは、自分たちに対する記録でもあります。

書いたものが残るというのは、都合の悪いものも残るということです。そのつもりで書いています。消したり書き直したりできてしまうと、この仕組みは働きません。あとから直せない前提で書くことが、いちばん強い歯止めになります。

続けるために必要な、地味な条件

10年続けるために要るものを並べると、ずいぶん地味です。

続けるために必要なこと
必要なものなぜ要るか
製造を自社で持っていること電解水は原料の水が変わると性質が変わるため、工程を手放せません
値段を極端に下げないこと試験と製造の費用が、そのまま品質になります
商品を増やしすぎないこと数が増えるほど、一つひとつの検証が薄くなります
書ける範囲を広げないこと一度ゆるめた基準は、あとで戻せません

どれも「攻めない」方向の条件です。攻めないことを続けるほうが、実は難しいという実感があります。何かをしないという判断は成果として見えにくく、社内でも社外でも評価されにくいからです。やらなかったことは、記録にも残りません。

順番にも意味があります。いちばん上の「製造を自社で持つ」が崩れると、下の3つは自動的に崩れます。作る工程を外に出すと、品質の説明が伝聞になり、価格も相手の都合で動き、書ける範囲も曖昧になっていくからです。ここだけは手放さない、と決めています。

10年後に、消えていてよいもの

最後に、残したくないものも書いておきます。

「洗えなくて申し訳ない」という気持ち。「良い香りがしないと清潔じゃない気がする」という思い込み。「効きそうな見た目」で製品を選ばざるを得ない状況。この3つは、10年後に消えていてほしいものです。

これはmofuwa1社では変えられません。同じように考えるメーカーが増えて、条件つきの数字を書くのが当たり前になれば、自然に消えていくはずです。1社だけが控えめに書いていても、隣に強い言葉が並んでいれば、地味なほうが見劣りするだけで終わります。書き方の水準は、業界全体でしか上がりません。

10年後、この記事を読み返して「もう当たり前になったな」と思えていたら、いちばん良いと思っています。

具体的に言うと、こういうことです。飼い主が製品を選ぶとき、パッケージの裏にある「誰が・何と比べ・どんな条件で測ったか」を、当然のように確認する。書いていない製品は、書いていないという理由で候補から外れる。それが普通になっている状態です。

食品の世界では、原材料表示も栄養成分表示も、いまでは当たり前になりました。最初からそうだったわけではありません。当たり前は、誰かが先に書き始めることで作られます。10年は、そのために使いたい時間です。

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よくある質問

mofuwaは売上目標を掲げていないのですか?
ブランドの目標としては掲げていません。数を伸ばす目標を先に置くと、香りをつける、効きそうに見せる、といった避けてきた方法が近道になってしまうためです。結果としての数字は大事にしています。
10年後にどんな会社でありたいですか?
水の研究が続いていること、書いた文章を読み返して恥ずかしくないこと、洗えない人が負い目を持たずに済むこと、同じ水を犬猫以外の場所にも届けていること。この4つです。
なぜ商品を増やしすぎないのですか?
商品が増えるほど、一つひとつの検証が薄くなるためです。試験と製造にかけられる手間には限りがあり、数を優先すると、その手間が分散してしまいます。

本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。