C01ブランド/開発ストーリー
10年後に残っていたい会社の姿
ワンテンスは10年後に、どんな会社でありたいか。大きくなっていたい、とは思っていません。水の電気分解の研究が1995年に始まってから、事業になるまでに24年かかりました。その時間感覚で考えると、10年は長くありません。この記事では、ワンテンスのビジョンとして10年後に残っていたい状態を、できるだけ具体的に書きます。
規模の目標は、立てていません
はじめに、立てていない目標のほうから書きます。売上や本数の目標を、ブランドの目標として掲げていません。
理由は単純で、その目標を持つと判断が変わってしまうからです。数を伸ばすなら、香りをつけたほうが早い。効きそうに見せたほうが早い。早い方法は、たいていこちらが避けてきた方法です。
数字の目標が悪いのではありません。目標を置くと、それに近づく手が正しく見えるようになる、という順番が問題なのです。目標は、判断の基準をあとから書き換えてしまいます。「今回だけ」と一度ゆるめたところは、次の判断のときには「前例」になっています。それが積み上がったときに何が残るかを想像すると、掲げないほうが安全だと考えました。
おかげさまでmofuwaシリーズは累計50万本以上になりました。届いた数だけ、使われた日があります。結果としての数字は大事にしています。目標として先に置かない、という話です。
10年後に残っていたい4つの状態
かわりに、ワンテンスがこういう状態でありたい、というものを4つ挙げます。ここが実質のビジョンです。
-
水の研究が続いていること
1995年から続いてきた研究が、10年後も止まっていないこと。事業が研究を養っている状態を保ちたいと考えています。逆になると、研究は止まります。研究のほうが事業の成績を背負わされると、成果を急ぐ必要が出てくるからです。急いだ研究は、たいてい確かめる工程から削られます。
-
書いた文章を、読み返して恥ずかしくないこと
このコラムは日付を持っています。10年後に読み返して「これは言いすぎだった」と思う記事が出てこないように書いています。言いすぎは、書いた瞬間には気持ちよく、時間が経つほど重くなります。日付があるということは、あとから言い訳ができないということでもあります。
-
洗えない人が、負い目を持たずに済むこと
高齢、大型犬、多頭飼い、介護。洗えない事情はこれからも増えます。そのときに使えるものが、当たり前に手に入る状態にしたいです。特別な人向けの棚ではなく、普通の棚に置かれていることが条件だと思っています。探さないと見つからないものは、いざというときに間に合いません。
-
同じ水を、違う場所にも届けていること
犬と猫は、この技術がたどり着いた先のひとつです。医療、農業、空気。ほかの場所にも届いていることが、この会社らしい姿だと思っています。
3つめと4つめは、いま棚にあるもので確かめられます。ワンテンスがつくっている mofuwa スキンケアミストは、1995年から続けてきた電気分解の水を、そのまま1本に入れた製品です。足しているものがないので、説明していることと、測って確かめられることがずれません。洗えない事情のある家に届いているかどうかも、10年後に外から数えられます。ビジョンを状態で書いているのは、こういう形でしか確かめようがないからです。
4つとも、達成したかどうかを外から確かめられる形にしてあります。曖昧な理念にしないことが、10年もたせるための条件だと考えました。
この記事は、10年後に検証されます
2つめについて、もう少し書きます。
mofuwaコラムは、2020年から1日1本のペースで書いています。全部に日付が入っていて、あとから読み返せます。これは、自分たちに対する記録でもあります。
- 効き目を断定していないか:あとで読むと、いちばん目立つのがここです
- その時点で言えないことを言っていないか:まだ揃っていないデータを、揃っているように書いていないか
- 数字に条件がついているか:誰が測ったか、何と比べたかが抜けていないか
- 言い切りが、材料の量に見合っているか:材料が1つしかないのに、断定の強さだけが大きくなっていないか
書いたものが残るというのは、都合の悪いものも残るということです。そのつもりで書いています。消したり書き直したりできてしまうと、この仕組みは働きません。あとから直せない前提で書くことが、いちばん強い歯止めになります。
続けるために必要な、地味な条件
10年続けるために要るものを並べると、ずいぶん地味です。
| 必要なもの | なぜ要るか |
|---|---|
| 製造を自社で持っていること | 電解水は原料の水が変わると性質が変わるため、工程を手放せません |
| 値段を極端に下げないこと | 試験と製造の費用が、そのまま品質になります |
| 商品を増やしすぎないこと | 数が増えるほど、一つひとつの検証が薄くなります |
| 書ける範囲を広げないこと | 一度ゆるめた基準は、あとで戻せません |
どれも「攻めない」方向の条件です。攻めないことを続けるほうが、実は難しいという実感があります。何かをしないという判断は成果として見えにくく、社内でも社外でも評価されにくいからです。やらなかったことは、記録にも残りません。
順番にも意味があります。いちばん上の「製造を自社で持つ」が崩れると、下の3つは自動的に崩れます。作る工程を外に出すと、品質の説明が伝聞になり、価格も相手の都合で動き、書ける範囲も曖昧になっていくからです。ここだけは手放さない、と決めています。
10年後に、消えていてよいもの
最後に、残したくないものも書いておきます。
「洗えなくて申し訳ない」という気持ち。「良い香りがしないと清潔じゃない気がする」という思い込み。「効きそうな見た目」で製品を選ばざるを得ない状況。この3つは、10年後に消えていてほしいものです。
これはmofuwa1社では変えられません。同じように考えるメーカーが増えて、条件つきの数字を書くのが当たり前になれば、自然に消えていくはずです。1社だけが控えめに書いていても、隣に強い言葉が並んでいれば、地味なほうが見劣りするだけで終わります。書き方の水準は、業界全体でしか上がりません。
10年後、この記事を読み返して「もう当たり前になったな」と思えていたら、いちばん良いと思っています。
具体的に言うと、こういうことです。飼い主が製品を選ぶとき、パッケージの裏にある「誰が・何と比べ・どんな条件で測ったか」を、当然のように確認する。書いていない製品は、書いていないという理由で候補から外れる。それが普通になっている状態です。
食品の世界では、原材料表示も栄養成分表示も、いまでは当たり前になりました。最初からそうだったわけではありません。当たり前は、誰かが先に書き始めることで作られます。10年は、そのために使いたい時間です。
Product
mofuwa スキンケアミスト
200ml / 3,300円(税込)
アルコール・添加物・香料・界面活性剤・鉱物油・オイル・着色料・防腐剤の8つがフリー。気になる部分に直接なじませて、肌のコンディションを整えます。
商品ページを見るよくある質問
- mofuwaは売上目標を掲げていないのですか?
- ブランドの目標としては掲げていません。数を伸ばす目標を先に置くと、香りをつける、効きそうに見せる、といった避けてきた方法が近道になってしまうためです。結果としての数字は大事にしています。
- 10年後にどんな会社でありたいですか?
- 水の研究が続いていること、書いた文章を読み返して恥ずかしくないこと、洗えない人が負い目を持たずに済むこと、同じ水を犬猫以外の場所にも届けていること。この4つです。
- なぜ商品を増やしすぎないのですか?
- 商品が増えるほど、一つひとつの検証が薄くなるためです。試験と製造にかけられる手間には限りがあり、数を優先すると、その手間が分散してしまいます。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
