C01ブランド/開発ストーリー
ペットケアで変えたい常識が、まだ3つある
ペットケアには、理由を確かめないまま続いている習慣があります。誰かが決めたわけでもなく、いつのまにかそうなっていたもの。mofuwaは「洗いすぎない」という一点にはずっと取り組んできましたが、変えたい常識は、まだ3つ残っています。この記事では、その3つと、いま足りていないものを書きます。ペットケアの常識を変えるために、何が足りないのかまで書きます。
1つめ:良いにおいがすることを、清潔だと思ってしまう
シャンプーのあとに香りが残っていると、きれいになった感じがします。人にとっては、それが確認のしるしになっています。抱き上げて顔を近づけたときにふわりと香る、あの瞬間があるから「今日はちゃんと洗えた」と思える。洗う側の達成感が、香りに結びついています。
ただ、においを感じているのは飼い主だけです。犬の嗅覚は人よりはるかに鋭いことが知られています。人が心地よいと感じる程度の香りでも、犬にとっては情報量の多い刺激になり得ます。人が「ほのかに香る」と表現している状態が、本人にとってどのくらいの濃さで届いているのかは、こちらからは分かりません。
- 香りは汚れが落ちた証拠ではない:においを別のにおいで覆っている場合もあります
- 本人は逃げられない:体についた香りからは、離れることができません
- 変化に気づきにくくなる:体調のサインとしてのにおいが、香料に隠れます
香りがないと、使ったかどうかが分かりにくくなります。効いている感じもしません。mofuwaの製品が地味だと言われるのは、ここが理由です。不便を承知で無香にしています。
2つめ:効きそうな見た目で、製品が選ばれてしまう
とろみがある。泡立ちがよい。少しスースーする。しっとりした手触りが残る。これらは使用感の設計であって、汚れが落ちたかどうかとは別の話です。
ところが、選ぶ側にはこれ以外の手がかりがほとんどありません。ペット用ケア用品の多くは雑貨に分類され、発売前の審査がなく、試験結果を表示する義務もないからです。つまり、書いても書かなくてもよい。書かないことが不利にならない以上、書く会社のほうが少なくなるのは自然な結果です。売り場に並んだボトルを裏返しても、比べるための数字は見つかりません。
| 手がかり | 実際に分かること |
|---|---|
| 使用感(とろみ・泡・清涼感) | 使ったときの感触。汚れ落ちとは別 |
| 「無添加」などの表示 | 入れていないものがあること。安全性の証明ではない |
| 試験の条件(誰が・何と比べ・どう測った) | 比べられる情報。ただし、書かれていることが少ない |
| 他の飼い主のレビュー | 使った人の感想。犬種も生活環境も違うので、そろえて比べるには向かない |
変えたいのは3行目です。条件つきの数字が当たり前に書かれるようになれば、使用感だけで選ばずに済みます。これはmofuwa1社では変えられません。
3つめ:困ってから対処する、という順番
毛玉ができてからほぐす。においが強くなってから洗う。涙やけの跡が目立ってから拭く。どれも自然な順番ですが、いちばん手間がかかるタイミングでもあります。
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毛玉は、できる前のほうが10分の1の手間で済む
絡まりかけの段階なら、湿らせてとかすだけで戻ります。固まってからだと、切るか、時間をかけてほぐすかになります。どちらを選んでも本人に負担がかかりますし、ほぐしているあいだじっとしていてもらう必要もあります。切ると、そこだけ毛の長さが変わりますし、下の皮膚まで一緒に切ってしまうこともあります。mofuwa 毛玉予防ジェルは、この「はさみしか残っていない」状態を無くしたくてつくったものです。
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においは、溜まる前のほうが軽い
皮脂や汚れが蓄積してからでは、洗うしかなくなります。毎日少し拭くだけで、洗う日を先に延ばせます。洗う回数が減れば、洗うこと自体の負担も減ります。
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涙やけは、跡になる前が境目
濡れている段階なら拭き取れますが、被毛に色素が沈着してしまうと、生え変わりを待つしかなくなります。
ただ、順番を変えてくださいと書くだけでは足りません。後手に回った人が、そこで詰むような道具をつくってはいけないと考えています。毛玉予防ジェルは、平時に毛へ塗っておくことで絡まりにくい状態を保つほうと、できてしまった毛玉にもみこんで潤滑剤として働かせ、ゆるめてからほぐすほうの、両方を1本で受け持ちます。ゆるんでこないときはグルーミングスプレーを足してもみこむと、よりほぐれやすくなります。早い順番を勧めることと、遅れた人の手を残しておくことは、同時にやらないと意味がありません。常識を変えたいと言う側が、間に合わなかった人を置いていくのでは筋が通りません。
3つとも共通しているのは、早い段階なら小さい手間で済むということです。それでも後手に回るのは、早い段階では困っていないからです。困っていないことに毎日30秒を使い続けるのは、意志の強さではなく、生活のどこに置くかで決まります。散歩から帰ったついで、ごはんの前、寝る前。既にある習慣にくっつけられた人だけが続けられている、というのが実感です。ここを変えるのがいちばん難しいと感じています。
3つに共通して足りないのは、比べられる情報
並べてみると、3つとも同じところに行き着きます。飼い主が判断するための材料が、そもそも出回っていないということです。材料がそろって初めて、常識は変えるところまで進みます。
香りが本人にとってどうなのか。使用感と汚れ落ちがどう違うのか。早くやるとどれだけ楽なのか。どれも、比べられる形の情報があれば自然に判断できます。逆にいえば、材料がないところで「正しく選んでください」と言うのは、飼い主に無理をお願いしているのと同じです。選び方が悪いのではなく、選ぶための材料が置かれていない。3つの常識は、飼い主の側の思い込みというより、そういう状態が長く続いた結果として残っているものだと思っています。
mofuwaがコラムを書いているのは、この材料を増やすためです。製品の宣伝だけなら、これほど長い文章は要りません。製品を買わない人にも役立つ形で書くことを、条件にしています。
できていないことも、書いておきます
偉そうなことを書いたので、できていないほうも並べておきます。ペットケアを変えると書く以上、できていないことも同じ場所に置くべきだと考えています。
- 長期の使用データがない:毛玉予防ジェルを1年塗り続けた子の被毛が、塗っていない子とどう変わるのか。条件を揃えた形では、まだ示せていません
- 他社製品との公平な比較ができていない:同じ条件で測った数字が業界にないため、比べようがありません
- 費用の問題を解けていない:試験を増やすほど価格に跳ね返ります。安くして数を出す方向とは、いまも折り合っていません
3つの常識を変えたいと言いながら、こちらの手持ちもまだ足りていない、というのが正直なところです。足りない部分を隠さずに書くことから始めるしかないと思っています。
それでも3つを挙げたのは、言っておかないと、こちらが忘れるからです。会社は放っておくと、売りやすいほうに寄っていきます。香りをつけたほうが売れる、効きそうに見せたほうが売れる、というのは、実際にそのとおりです。
書いておけば、次に迷ったときに読み返せます。この記事は、飼い主に向けたものであると同時に、数年後の自分たちに向けたものでもあります。
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よくある質問
- シャンプーの香りは犬にとって負担になりますか?
- 犬の嗅覚は人よりはるかに鋭いことが知られています。人が心地よいと感じる程度の香りでも刺激になり得ますし、体についた香りから本人は離れられません。体調のサインとしてのにおいが分かりにくくなる、という面もあります。
- ペット用品を選ぶとき、何を見ればよいですか?
- 試験の条件が書かれているかどうかを見てください。誰が測ったか、何と比べたか、どんな条件だったか。この3つが揃っている表示は多くありませんが、揃っていれば比べられます。
- 毛玉や涙やけは、早く対処すると違いますか?
- 毛玉は絡まりかけの段階なら湿らせてとかすだけで戻ることが多く、固まってからより手間がかかりません。涙やけも、濡れている段階なら拭き取れますが、被毛に色素が沈着すると生え変わりを待つことになります。
本記事は日常のお手入れに関する情報提供を目的としており、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。皮膚や体調に異常が見られる場合は、自己判断せず動物病院にご相談ください。
